『量の維持は簡単、質の維持は至難の業。』・・・帝国ホテルが徹底追究した『質の量化 量の質化』。
本日、ラグビーボール形状の大きな『胡桃パン』を買ってきたので、やや厚めの輪切りにして、こんがりと焼き、バターと蜂蜜をペーストして食すことに。
包丁でカットする時に違和感あったものの、切ったものをトースターに入れて、両面を軽く焼き、バターと蜂蜜で。
以前のものは、パン生地の練り込みがしっかりしていたので、切り口も美しく、中は均等にふんわりと膨れ上がり、最高に旨かった。
ところが、今回の『胡桃パン』には、切り口に少々層が見えており、手で一口サイズに引き千切ろうとすると、上手く千切れず、先ほどの層のところから割れてしまったのである。
『胡桃パン』を買う時は、表面がしっかりとしていたので安心していたが、中に層がいくつかあるのは、パン職人が新人に変わりスキルダウンしたのか、パン生地をいい加減に練って焼いたのかが窺い知れる。
層がある『胡桃パン』を食べながら思い出したのが、帝国ホテルの『質の量化 量の質化』。1964年の東京オリンピックの選手村でのケータリングにおける、帝国ホテルならではの情熱と創意工夫が奏功した話であった。
筆者の本業は、ICT。1990年創業時は『インタラクティブ・マルチメディア』、1991年から『3D CGシミュレーション&アニメーション動画制作』開始、1995年に『インターネット事業』着手、2007年に『仮想現実世界』構築、そして、現在に至っている。
いずれも、当時は殆どの方々が知る由もないものへの挑戦だったので、今思い起こせば、本日の『胡桃パン』の中身に層ができるような失態はなかったと自負している。理由は、制作スタッフが皆優秀であったことだ。
『量』は目分量という言葉があるように、目で見て、或る程度は勘で、手で持って大抵同じくらいの『量』にはできる。しかし、『質』については、特に、目視できない部分へのチェックは、非常に気を遣ってしまう。
今回、仕事における『警鐘』という点で、明日は我が身として、『胡桃パン』からヒントを得たものの、そのパン屋さんの商品化において『最終チェック機能』が不全となれば、ファンの足は遠のいてしまう。
原価という『数字の遊び』で料金設定するレストランも多いけれども、これも同じこと。大きな施設ともなれば、やはり、既述の帝国ホテルのように、『質の量化 量の質化』を徹底追究しなければ、いくら職人のスキルが高くても、お客が満足するような料理は生み出せはしない。
▼質を徹底的に追究した料理群
※旬鮮食材と職人の匠の技が見え隠れする料理群