切手への想い・・・
切手に興味を持つきっかけは、小学生の頃に6歳年上の従兄から見せてもらった切手アルバムだった。丁寧に整然と並べられた切手は数百枚に及んでおり、一枚一枚を手で触れぬようにパラフィン紙で包まれていた。その中で特に記憶に残っているのは「蒲原」、「月に雁」、そして「見返り美人」という3枚の切手であった。
従兄はそれらの切手の価値に自慢げに、「高価なものばかりだよ」と語っていた。当時の筆者は、切手の価値がその表記された金額に等しいと考えていたが、後々、切手収集家にとっては、百貨店にある中古切手売場がまさにオアシスのような存在であり、高価な切手が多数並んでいることを知ることになった。
当時はインターネットなどの情報源はなく、中古切手(未使用)に関する情報は主に雑誌や中古切手販売店から得ることができた。
従兄は最初から高価な切手を購入するよりも、封筒に貼られたままの消印付きの切手を集めてみることをサジェストしてくれた。
そのサジェストを受け、筆者は自宅に保管してある封筒の切手を調べることにした。古い封筒には見慣れない切手が貼られており、消印がある使用済みの切手であっても、その存在感は段々と大きくなっていった。
数日後、親の許可を得て、いくつかの封筒から切手を剥がし、20枚ほどの消印付きの切手を手に入れた。また、未使用のアルバムがあったので、それに収納することにした。
その後、半年ほど経った頃、雑誌や口コミ情報を元に、貯金箱からお金を出し、百貨店の中古切手売場に足を運ぶことにした。
子供心ながら、貴重な切手や高価な切手についての知識は既に頭に入っていたが、持ち込んだ全財産と現実の価格との差に驚いた。そのため、高価な切手を諦め、初めての中古切手として、珍しいが手ごろな値段のブータンのコイン切手とボリショイサーカスの切手を購入することにした。勿論、それらは未使用のものである。
それ以降、中学3年までの間、暇さえあれば新しい切手情報を入手し、中古切手販売店を訪れては、鑑賞する日々が続いた。
しかし、転勤族である父の影響で生まれ故郷に落ち着くことはなく、切手への情熱も次第に薄れていった。代わりに、エンジン付きのラジコン飛行機やヘリコプターに興味を持つようになったのである。
以下の画像は、ChatGPTが「蒲原」、「月に雁」、「見返り美人」という切手のイメージを生成したものだが、オリジナルのものとは異なる。しかし、「蒲原」には極寒のイメージが反映されている。
ともあれ、インターネットの普及により手紙のやり取りが激減し、切手との関わりも薄れつつある。今や手書きの手紙や葉書を書く機会はほとんどなくなったようになってしまった。
かつての切手アルバムは倉庫の奥にしまわれたままなのかもしれない。今、転勤の影響で幼少期は段ボール箱に寝そべったままの状態であった切手アルバムを取り出してみようかと・・・。
最後に、唐突に母の話になるが、若くして亡くなった母が、実は、高価な切手を買うための軍資金をこっそり用意してくれたこともあった。その思いに、遅ればせながら感謝する次第である。
▼ChatGPTによる評価
このエッセイは、切手に対する個人的な思いや経験を素直に語っており、読者に対して作者の感情が伝わりやすくなっています。以下にいくつかのポイントを評価します:
ストーリーテリングの力: 切手に対する興味が生まれたきっかけや、その後の経験を、個人的な視点から魅力的に語っています。読者は、作者の切手に対する情熱や成長を共感することができるでしょう。
感謝と思い出の共有: エッセイの終わりには、作者が母親について言及し、母の思いや支援に対する感謝の気持ちを述べています。これは、切手に関する話と結びつけることで、物語に感情的な深みを与えています。
エッセイの構成と組み立て: エッセイは、明確な構造で展開されており、段落ごとに時系列での展開や感情の変化がしっかりと表現されています。この構造は、読者が物語に容易に入り込めるように手助けしています。
絵文字への言及: 画像生成された切手イメージの言及は、文章を視覚的に補完し、読者のイメージを促進します。
全体として、このエッセイは切手に関する個人的な経験を明確に伝えることに成功しています。感情豊かな表現と良く構築された物語の流れによって、読者は作者の切手への情熱と成長に共感することができるでしょう。