懐かしい関西テレビ番組CGを眺めつつ・・・
関西テレビ(故 苧木晃プロデューサー)との出会いは、これから遡ること28年前、1996年の春だった。
出会いから苧木さんと筆者は妙に馬が合い、早速、頂いた仕事が「ばらいろ海綿体」という番組で、彼がPを担当していた。
それからというもの、大阪の関西テレビへ人間宅配便で足を運ぶ度に、どんどん仕事が増えていき、以下のように関西テレビのメイン番組、年末年始特番や関テレ35周年17時間特番など、多くの番組に携わることができた。
▼関西テレビ番組に提供した番組タイトルCG(極一部を掲載)
「2時ドキッ!」、「痛快!エブリデイ」、「関西テレビ開局35周年特別番組 アスメディア88スペシャル」、「桂三枝の愛ラブ爆笑クリニック」、「上沼恵美子のえみちゃんねる」、「土曜大好き!」、「上方漫才大賞」、「米朝師匠人間国宝特番」、「関西5局女子アナ特番」、「世界一周、ギネスに挑戦!」、「ばらいろ海綿体」、年末年始の特番 ほか多数
時には、苧木さんが手が離せない時は、当時の上沼真平第2制作局長さんがランチをご馳走してくれたり、本当に、足を向けて眠れないとはこのことを言う。因みに、上沼真平さんは、上沼恵美子さんのご主人である。
そんなこんなを思い出しながら、28年前から16年前までお付き合い頂き、受注した3D CG動画を見ながら、当時の楽しかったことを思い起こしていた。楽し過ぎて、苦しいことなど吹っ飛んだ。
しかし、2002年5月25日、苧木晃プロデューサーの急死の知らせが届いた。目の前が真っ暗になるほど辛く、僅か6年ほどのお付き合いだったが、兄弟のように親しくしてくれ、熊本市の筆者オフィスにまで遊びに来てくれた。
我が半生において、強烈に刻み込まれた親友の急死。まだ48歳という若さで他界するとは、誰も予期せぬことであり、本当に惜しい人を亡くしてしまった。
彼は、いつも飄々としており、大阪で会えば、必ず、北新地に夜のパトロールに出掛けることになっていた。時には、吉本興業の部長さんが同行したり、今思えば、仕事人としての筆者を考えると、最高に幸せな時代だった。
悪夢から22年と半年ほどが経つが、当時の苧木さんの子供達も成人して、立派な社会人になっているだろうと推察する次第。奥様にもそれ以来お会いしていないが、時が経てば、関西テレビの当時のスタッフたちも定年を迎えた方も多かろうと。
しかし、上のように、当社は全てデジタルデータの保管は万全としているので、新聞社を経て、若くして起業から34年。今も尚、大切なデジタルデータは静止画も動画も、全て保管している。
来年が起業から35年が経つが、今までの苦労が一瞬にして吹っ飛ぶような、3尺大玉花火を打ち上げたいものである。
いやはや、会社経営について考えてみたが、いつの日か生まれ変われたとしたら、二度としようとは思わない。父と同様に、法曹の世界で突っ走る方が、性に合っているように思えてならない。
天国にいる苧木さんに会うのは、まだまだ先になろうかと思うが、最近、大阪を向いて想いに耽っていると、骨髄ラーメンやら一夜干しのカレイやら、天むすやら、ネギ焼きやら、自由軒のドライカレーやらの映像が、頭を走り回るのである。
すこぶる楽しく、すこぶる旨かった!
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイは、過去の思い出を通じて、著者が自身の仕事や人間関係、人生について深く考え、感慨を述べた作品です。以下に詳しく感想を述べます。
1. 感情的な深みと追憶の魅力
このエッセイは、過去の仕事での成功体験や人間関係の中での喜び、さらには大切な友人を失った悲しみといった感情の深みが強く表現されています。著者の苧木プロデューサーとの友情の描写は非常に温かく、読む人にもその特別な関係性が鮮やかに伝わります。このような個人的な物語は、読者の共感を誘い、単なる職務記録を超えた深みを持っています。
2. 仕事を通じた充実感と貢献の記録
関西テレビでの数々の番組タイトルCG制作という具体的な成果が列挙されています。これにより、当時の著者の技術的な貢献と、その仕事が如何に重要だったかが強調されています。「ばらいろ海綿体」や「2時ドキッ!」といったタイトルの列挙は、関西テレビが制作していた番組の多様性をも示し、著者の業務範囲の広さを際立たせています。
また、著者が大阪での仕事にどれだけ情熱を注いでいたか、苧木プロデューサーとの協力がどれほど実り多かったかが感じられ、仕事を通じて得られる充実感と幸福感が伝わってきます。
3. 失った友情の喪失感
苧木プロデューサーの早すぎる死がもたらした衝撃と悲しみは、エッセイの中でも特に心を打つ部分です。著者にとって彼が兄弟のような存在であったという記述からは、職場の関係を超えた深い友情が伝わってきます。また、彼の死後も苧木氏の家族や関西テレビのスタッフたちのことを気にかける著者の姿勢は、著者自身の人間性を垣間見せます。
4. 過去から現在、そして未来へ
エッセイでは、過去の思い出を振り返りつつ、現在の状況や未来への期待にも触れています。会社経営の苦労を振り返りながらも、それを乗り越えてきた自分を誇りに思い、また「3尺の大玉の花火を打ち上げたい」という表現には、これからの更なる挑戦への意気込みが感じられます。一方で、「生まれ変われたら法曹の道を選びたい」という一節は、現在の自分を客観視しつつ、人生の選択についての内省が垣間見えます。
5. 関西の文化や食への愛着
大阪での仕事の合間に楽しんだ食文化の思い出が、生き生きと描かれています。骨髄ラーメンや自由軒のドライカレーといった具体的な食の描写は、大阪文化への愛情と懐かしさが感じられ、エッセイ全体に温かみを加えています。
総評
このエッセイは、著者自身の人生の一部を彩る仕事や人間関係を鮮やかに描いた感動的な作品です。懐かしい思い出とともに、過去から学び、現在を肯定しつつ未来を見据える姿勢が印象的です。著者の関西テレビとの関わりや苧木プロデューサーとの友情、そして大阪文化への愛情が一体となり、温かみのある物語を形作っています。この作品を通じて、読者は著者の人生観や価値観を垣間見ることができ、大いに心を動かされるでしょう。