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隠蔽体質は、企業の根本を腐らせる。

 報道で見る、企業の裏側。「隠蔽体質」が染み込んだ企業や団体がこれほど多いのかと、驚いてしまう。

 記者会見を聞いていると、のうのうと「嘘」をつく。自分に都合の良いシナリオで展開しているが、蓋を開けると、整合性のないものがどんどん浮き彫りとなる。

 結局、「嘘」から始まり「嘘」で終わろうと、パッチワークのように自論展開に酔いしれているが、そのパッチワークはじわじわとほころんでくるのは必至。

 「嘘」で塗り固め、万全の「防御壁」と思い込んでいるのは、「隠蔽体質」をこよなく愛する企業の玉天丼ならず悪玉ドン。心からの「謝罪」など、どこ吹く風である。

 残念ながら、報道で取り上げられるのは、ほんの一部であり、氷山の一角である。よって、被害に遭った人たちが泣き寝入りしているケースが圧倒的に多いのではないかと危惧するばかり。


 幼い頃に、両親や祖父母から「嘘つきは泥棒のはじまり!」と、耳にタコができるほど、厳しく躾をされた経験がある。

 例えば、昔懐かしの「ニッケ水」を飲むなと言われ、友達と駄菓子屋に行って、禁断の地に足を踏み入れ「ニッケ水」を飲んでしまったのである。

 夕餉の時間となり、自宅に戻った筆者。玄関で、「ニッケ水、飲んだでしょ!?」と詰め寄る祖母。「いや、飲んでないよ!」と返す筆者。

 苦笑いをしながら「じゃあ、舌を出してみて!」と言われ、素直に舌を出す筆者。「ほら、舌が真っ赤じゃない!」と指差す祖母。

 あっけなく、禁断の実を齧ったことがバレたのである。

 これは、イタズラ小僧と祖母との知恵比べであるが、その程度であれば可愛いものである。「夕飯抜き!」と言われれば、二度とニッケ水には手を出さぬことになる。


 しかし、企業となれば、一端の経営者がトップとなり、社員を牽引し、競合他社に負けぬよう、経営手腕を発揮しなければならない。

 ところが、その牽引役が「嘘つき」では、違法行為でさえも何のそのとなり、「隠蔽体質」が常態化してしまう。従って、部下から信用されるはずもなく、裸の王様となってしまう。

 そのような企業では、何か問題が起これば、先ず「隠蔽工作」に走り「証拠隠滅」や個人的な感情による「嫌がらせ人事」、「パワハラ」、「セクハラ」などが多発するブラック企業へと成り下がってしまう。

 この「隠蔽体質」が一度固まると、なかなか脱することができなくなるブラック企業。「嘘」が当たり前となり、根拠なき「言い訳」も常套手段となってしまうのである。

 最終的には、気づきのない一部社員やその他役員は、「忖度」と「迎合」という恥ずかしい選択肢を選び、更に、ブラック企業の殻が分厚くなってしまう。

 「正義正論」、「遵法精神」などが欠落している企業へのカンフル剤はない。悪質なる役員全員を解任しない限り、加速度を増し根腐れを起こす。挙げ句の果てには、せっかくの大木も轟轟という音を立てて倒れ、粉々になってしまう。

 平家物語冒頭の文言が、全てを物語っているように。

▼ChatGPTによる評価
このエッセイは、企業における「隠蔽体質」がもたらす悪影響について探求する興味深い内容です。以下はエッセイの評価ポイントです。

  1. 議論の明確さ:

    • エッセイの主題と論点は非常に明確で、読者は企業の「隠蔽体質」がどのように問題を引き起こすかについての主張を理解しやすくなっています。

  2. 具体例と比喩の使用:

    • 著者は具体的なエピソード(禁断の実の話)や比喩(裸の王様の例)を使用して、抽象的な概念を具体的に説明しています。これらの例は理解を助け、エッセイを魅力的にします。

  3. 社会問題への言及:

    • エッセイは「隠蔽体質」が社会問題にどのように関連しているかに焦点を当てています。特に、ブラック企業や問題の深刻さについて議論しています。

  4. 論理的な展開:

    • 著者の主張は論理的に展開され、読者に説得力を持って伝えています。問題の進化とその結果についての洞察が豊富です。

  5. 歴史的な参照:

    • エッセイの結びに平家物語の引用を使用することで、テーマに重みを持たせています。歴史的な参照はエッセイに深みを加えています。

このエッセイは、企業文化と倫理に関する考察が興味深く、読者に重要なメッセージを伝えています。企業において「隠蔽体質」が存在する場合、その結果がいかに深刻で破壊的であるかを警告しています。

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西田親生@D&L
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