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価値なき公式サイトに気付かぬ経営者
商用インターネットが日本に上陸したのは、1994年の秋である。それから既に30年の歳月が流れた。
筆者がネット事業を開始したのは、翌年の1995年8月22日であり、日々変化し、日々進化を遂げるインターネットと格闘しながら、現在に至っている。
最近、熊本県の或る地方にあるホテルや旅館の公式サイトをいくつかピックアップして検証したが、率直に言って、改善が必要な公式サイトが非常に多いことに驚かされた。
スマートフォンの時代にもかかわらず、レスポンシブデザインが導入されていないもの、カテゴリー分けが判りにくいもの、公式サイト外へのリンクが過剰に多いもの、また、公式サイトとブログが別々に存在し、一体感がないものが散見される。よって、指摘すればキリがない。
おそらく、多くの経営者は、自社の公式サイトがどのような立ち位置にあるのか、または露出度やSNSとの連動について深く考えておらず、公式サイトが「ある」というだけの認識にとどまっているに違いない。
しかし、公式サイトは玄関の表札のようなものである。しっかりとした公式サイトを持つことで、好感度や信頼度を高める重要なツールとなるはずだ。
ところが、IT分野に無頓着な経営者は、決まって次のような言葉を口にする。「ああ、うちはホームページを持っているよ。若いスタッフに任せているから!」と、これで終わってしまうのである。
ホームページを「持っている」か否かの問題ではない。また、担当者が若いかどうかも関係ない。問題は、その公式サイトが適切に維持管理されているか、SNSやブログを通じて日々の情報発信が行われているかである。
このような返答をする企業の公式サイトは、総じて魅力に欠ける。たとえ多額の予算をかけて制作したとしても、露出度が低く、アクセス数が少ないため、新規顧客を獲得する力は乏しいのではなかろうか。
経営者がそれに気付かず、放置してしまうと、公式サイトは企業イメージを逆に損ねることすらある。地方の企業では、こうした「気付き」が著しく欠けているように思えてならない。
中には、商工会の公式サイトにぶら下がりで作られた、粗末なワンペラサイトのようなものも見受けられる。どこか素人じみた作りで、商工会の付録のような印象を与えてしまう。
こうしたサイトには、アクセスがほとんどなく、関係者のみが自己満足で閲覧しているに過ぎない。
本業とネット事業の両輪がしっかりと回っている地方企業は稀であり、ほとんどの公式サイトは、PDFファイルをブラウザで閲覧する程度の、見るに堪えない代物である。
最も厄介なのは、経営者の友人が趣味で無償、または格安でホームページを作成しているケースである。素人がネット事業をマクロ的に捉えたり、ミクロ的に分析することなどできるはずがない。
彼らができるのは、ホームページらしきものを作ることだけだ。ネット環境がどれだけ進化してきたかという認識が乏しいため、十数年前にリニューアルした公式サイトが、今では時代遅れとなり、化石となり埋もれている。
例えば、宿泊予約ページを見ても、たくさんのプランが並んでいるだけで、料理の内容が一目でわからない。予約ボタンを押すには、相当な覚悟が必要となるだろう。
また、オリジナル商品を扱うショップサイトにしても、写真は素人が撮影したものばかりで、商品の魅力が伝わらない。購買意欲を唆るどころか、逆にイメージダウンを招いている。
このように、サイト全体コンセプトが曖昧で、ユーザーが滞在する時間もおそらく数秒で他所に飛んでいくに違いない。
結局、経営者が自分のサイトに無関心で、他者に丸投げしている限り、このような時代遅れのネット事業が続くことになる。「公式サイトは持っているが、予約が入らない!」と嘆き、ネットを無価値だと考えるのは大きな誤りである。
どれだけ助言をしても、「いらぬ世話」として自己スタンダードを貫く経営者が多いことに驚くばかりだ。前述のように、近しい友人に頼んでいる公式サイトほど時代遅れであり、常に動かぬウェブサイトとして価値はない。
経営者がネット事業を自己スタンダードで評価し続けている限り、ネットの恩恵を受けることは難しい。それが「不知の怖さ」というものである。
もし、ご自分の会社の公式サイトを動的でアグレッシブなものに進化させたいという意志があるならば、筆者にお気軽に問い合わせていただきたい。いつでも、厳しい検証結果を即座にお伝えすることが可能である。
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイでは、地方のホテルや旅館の公式サイトに対する著者の批判が鮮明に描かれています。著者は、公式サイトが企業の玄関口として重要な役割を果たすにもかかわらず、多くの経営者がそれに無関心であることを問題視しています。特に、サイトが時代遅れであったり、内容が不十分であったりすることが、企業のブランドやビジネスに対して悪影響を及ぼしていると指摘しています。
感想として、まず感じたのは、著者の長年にわたるネット事業の経験に基づく洞察力とフラストレーションです。インターネットが30年の間に急速に進化してきた中で、特に地方企業の経営者がその変化についていけていない現状が、非常に具体的な例を通じて説明されています。このような状況は、ITリテラシーの低さや、友人や知人に依頼したサイト制作の問題が引き金となっていると見受けられます。
エッセイで取り上げられている「公式サイトを持っているだけで安心してしまう経営者」の姿勢は、地方の中小企業に限らず、あらゆる業界で見られる課題です。公式サイトが適切に運用されていないことは、アクセス数や顧客獲得の機会を大きく損ねるだけでなく、最悪の場合、企業イメージの悪化にもつながります。著者は、そのような状況に対して、率直な助言を提供しようとしている姿勢が強く伝わってきます。
さらに、エッセイの中で「不知の怖さ」という言葉が強調されています。経営者がインターネットや公式サイトの運用に関して無知であることが、企業の成長を妨げているという指摘は、まさに時代に取り残される危機感を表していると感じました。これは、インターネット事業に対する理解不足がどれほど企業にとって深刻な影響を与えるかを端的に示しています。
最後に、著者が「自己スタンダードを貫く経営者」の存在に言及し、どれだけ助言をしても改善しないケースがあることに苛立ちを感じている点も興味深いです。この部分では、現実的な問題として、変化を拒む経営者とのギャップが大きな障害になっていることが明示されています。著者は最終的に、もし公式サイトの改善を望むならば自分に相談するよう提案しており、これがエッセイ全体を通じての実践的なメッセージであると感じました。
全体的に、非常に具体的で、説得力のある批評が展開されており、読者に対して公式サイトの重要性とその適切な運用の必要性を強く訴える内容となっています。
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![西田親生@D&L](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/170773069/profile_ebb12aae73eba0be5d22e0d87167224a.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)