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節分に思い出す豆太郎の話。

豆は一粒残らず片付けてね!

今日は節分。
小さなお子さんのいるご家庭では、くれぐれも、くれぐれも、お子さんが誤って豆を口に入れることのないように気をつけていただきたい日です。
まいた豆が床に落ちてたとか、手の届くテーブルの上に置いてあるとか、本当に危ないですから。豆は簡単に子供の命を奪います。

ICUで勤務していた時に経験したことがあるんです。節分の豆が気管支に詰まって命を落としそうになった子供さん。スッポリはまってしまって、片方の肺が完全に機能しなくなっていました。
直線距離にして約150km離れた地域からドクタージェットで搬送されて来て(北海道って本当に広いんです)、人工心肺を回しながら豆を取り除くという大手術をして、無事に助かりました。
搬送されて来た時にICUのベッドサイドでお母さんが「ごめんね、ごめんね」って泣いていたのは忘れられません。もしあの子が亡くなっていたら、お母さんは一生自分を責め続けて生きていくことになったんだろうと思います。

毎年、節分にはあの子のこと思い出しちゃうんですよね。もうずいぶん大きくなったんだろうなぁ。
(本名はかっこいい名前なのに、スタッフの間ではこっそり「豆太郎」っていうあだ名で呼ばれていたことを、本人も親御さんも知らない。)

大人が注意していれば防ぐことができたであろう事故は多いです。どうにもならなかった不幸な事故ももちろんありますが。大切なお子さんの命を危険にさらすことのないように、声を大にして伝えたいです。

それではご唱和ください。
「豆は一粒残らず片付けてね!」

(ただ、本音を言うと、正月に餅を食べるとか、節分に豆をまくとか、そういう風習自体がなくなってくれたら一番安全だと思ってる。)

#何科医もろちのカルテ #節分

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