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義父が転院するらしい<1>

気分的に切り替わってきたので、タイトルを変更しました。相変わらずの義実家整理日記ではあります。

匂い対策に

さてさて、8月最後の日。
義実家の大型家財を処分するにあたり、区の委託業者が運び出しの下見に来る日です。予定は午後だったのですが、その前にいろいろ片付けておくこともあったので、いつも通り朝から出動。

というか、下見の日を決めた後で、夫からケアマネさんに状況の報告がてら、レンタルしていた介護用品(ベッドとか手すりとか)を引き上げて下さいと連絡したら、やはり31日ということになって、何を考えたのか同じく午後からにしてもらっていた。
それだけならまだしも、義実家滞在中に家電が鳴り、今度は区が高齢者見守りサービスを委託している業者が切り替わるので、契約の書類が必要と連絡があり、これも夫は31日の午後からにしてしまった。
もうこの時点で悪い予感しかしないんだけど、止める暇もなかったから仕方無い。

朝到着して、まず始めたのはカーテンの洗濯です。

義実家に行く度に気になるのは、匂い。
なんというか、消毒薬臭い、古い病院みたいな匂いがどうしてもとれない。
トイレの臭いは、敷きっぱなしだったトイレマットを撤去し、壁や床にクエン酸液をまいて、クエン酸配合の芳香剤を設置したらだいぶ和らいだのだけど、部屋全体に染みついた匂いが、だいぶマシになったとはいえやはり気になる。
匂いは布製品や埃につくというので、とりあえずは、二つある六畳の掃き出し窓についている大物のカーテンをなんとかしようと、思い立ったわけです。

もう何十年も同じものを使い続け、いつ洗濯されたのかも定かではなく、
一度叔母が新しいカーテンを買ってきたところ、歪んだもったいない精神に支配されていた義母に鬼の形相で叱られて替えることができなかった。
そんな逸話も聞いていたので、相当な年代物を使っているのは判ってたんだけど。

外したら、いやもう、フックをかける部分の布がほつれてるのが何カ所も。
どうせ義実家を明け渡したら処分するのだけど、あまりにもひどい。
しかもこの二部屋のカーテン、同じ素材の同じ柄。想像なんだけど、本来は一つの部屋の窓に両開きにつける二枚のカーテンを、幅に余裕があったものだから、一枚づつ使ってたみたいで。
古い公営住宅の窓で、無駄に採光にこだわってるから、窓の横にはめ殺しの細い窓があるんですよ。その部分が微妙にカバーできてないの、そういうことだったのか。

どうせ捨てるのに、ほつれを縫うような手間はかけたくないけど、そのままじゃフックがかからなくてみっともないし、そのまま使っても横に隙間が出来ちゃって気になるので、一部屋分だけ新しカーテン買ってきました。ドンキの最安のやつ。で、既存のものは洗った後で、義父の使っていた部屋にまとめて使うことにして、ほつれは安全ピンで処置。
洗っている間に、カーテンレールの上に溜まった埃を夫に掃除させます。
後は、レンタルベッドが撤去されたら畳の拭きそうじです。

というかね、義父はもう戻ってこないにしても、片付けでしばらく通う必要はあるし
疲れても休憩もできないんじゃどうしようもない。
たくさんある布団、義母のもったいない精神のせいで、ものすごく使い込まれたものと、ほとんど使われていないものの落差が激しいので、綺麗なものは洗濯したり干したりすれば使えそう。そしたら、台風とかで電車が止まったら、都内方面に勤めている夫が緊急避難で泊まることも出来ます。

それにせっかく都内にあるんだし、ちょっと拠点にして遊びに行くのにも使いたい。最後のさいごで、義『実家』らしく使わせていただいてもいいじゃない。
と思えば、少しは居住性を高めておきたいものです。
これくらい考えないと片付けのモチベもあがらない。

なんやかんややっていたら12時を過ぎてしまい、ご飯は午後の予定が終わってからにしようと保留。

三件同時進行は辛いよ

一時になってすぐやってきたのは、区の見守りサービス更新のための警備会社の人。
いろいろ書類を書くというので、上がって貰って説明を受けていたら、またチャイムが鳴る。
今度はレンタル品の引き上げの人です。

普段人の来る事のない義実家、いきなり人数倍になる。
夫が書類を書いている傍ら、別の部屋で介護ベッドの解体が始まる。
その最中、鳴る家電。
今度は家具運び出しの下見です。

居間のテーブルで夫が書類を書き、見守りサービスの説明を受ける横で、処分予定の家具の計測が始まる。運び出すものの説明を私がする。ほったらかし状態で黙々と片付けるレンタルのひと。申し訳ない。

しかも、見守りサービスの引き落としの手続きで、義父の通帳番号が必要とかいう。
なにも聞いてないんだけど? 持ってきてないんだけど? てか必要なものは事前に聞けよ夫。

「あー、この食器棚、分割できますよ」「仏壇は台座も入れるとこの金額になっちゃいますね」「それぞれに金額を書いておいたので、粗大ゴミ処理兼を買ってきて貼っておいて下さい」

とりあえず運び出しは問題なさそうで、書類を書いて家財処分に関しては終了。見守りサービスの人は、最後に家具の配置をメモする作業に入り、その横で黙々と運びだされる介護ベッド。

無事に警備会社の人が退出したところで、レンタル品の最後の手続き。
「入所って聞いたのですが?」「いえ、入院なんです、戻ってこられないんです」という話をし、入院日を伝えたら、事後の報告ではあるけど、入院後のレンタル料は不要とのこと、ありがたい。

一気に来て、一気に帰って行きました。
「一斉に来ると思わなかった」と夫は言うけど、一時からに約束したら、多分午後一発目の約束なんだから、一斉に来るわ。もの考えろ。

ベッドを片付けた後の床を拭いていたら、めまいがしてきました。中断してご飯。サイゼが近くて有り難い。

居住性を高める(今後の目標

ベッドがなくなった事で、部屋に入った途端に目につく場所にあった大きくて重い色の最後の箪笥(クローゼット型。義父が書類とかを入れるのに使っていた)の位置を変えたら、圧迫感が消えて見た目もスッキリ。

押し入れに入っていた古い真っ黒なカラーボックスを拭いて、百均のテーブルクロスを掛けて、TV台にします。元々あった年代物のTVボードは解体。
畳はそのまま使うには痛みがひどく、叔母が洗って袋に入れてくれていた、厚手の敷布団カバーをマットに代用。四畳半に、叔母が買ってきた比較的良いい草マットがあるので、後日それを使うことにします。
埃のついた砂壁はどうしようもないのでこ、これも百均のハンガー掛けカバー(一畳超の長さがある不織布。セリアのがおすすめ)を壁紙代わりに画鋲で留めて、とりあえず肌が砂壁に触れないようにカバー。

玄関の横の砂壁も、明るい色のテーブルクロスでカバーし、靴箱の上も綺麗にしてモネのアートシートを飾ったら、一気に印象が明るくなりました。

家具の撤去は来週です。立ち会うのは夫なので、来週は義実家のために出動しなくていいな。毎週必ず休みが一日吸われて、いい加減疲れてきていたのです。

と油断していたら。

私たちが面談するらしい

夫もおらず、のびのびと休日を満喫していた金曜日。
どうしても炭酸泉に入りたくてスーパー銭湯に行っていた間に、着信が入っていました。
病院からのと、夫のラインと。

「来週末の午後、××病院に面談が決まったよ」

退院調整担当さんが、どうやら義父の受け入れの見込みのある施設をみつけてくださったようです。場所は、千葉県の、比較的近郊。
有り難いけど、また休みが潰れるのね……

処分品その後

そうそう、義実家の納戸の上半分に鎮座していた介護用のリハビリパンツ。
開封済みも含めて、すべてフリマサイトで放出できました。
開封済みなんてだしてもいいのかな、と思ってたんだけど、みなさんやりくりに苦労してらっしゃるのかな。
押し入れにあっても何の役にも立たないし、使っていただける方の所に行けたのは良かったです。

ゴミがなくなり、少しづつ空間が出来て、義実家から前のような息苦しさが消えつつあります。
義父がいないのがもちろん大きいんだけど、使われることもなく溜め込まれていたものが消え、執着するものがなくなって、染みついていた義母や義兄の怨念みたいなものが薄れていっているのかな。
風通しも良くなって、前のような早く帰りたさはなくなりました。やることもいっぱいあるからなんだけど。

というか、そのぶん義父が全部背負って、楽に死なせてやるものかとばかりに、義母や義祖母(義父の母)が生かしているんじゃないかという気もしてきました。
義祖母も寝たきりで、確か90以上まで生きた人なんですが、その話はまた今度。

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