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Drifter

BankBandで知ったこの曲。

先日クルックフィールズで行われたap bank fesでも2曲目で歌われていました。

歌詞が抽象的で初めはうまく理解できなかったこの曲も、配信ライブを観たときに初めて少しずつ解釈できるようになってきました。

知れば知るほど、歌詞に深みがあることと、
今自分が良く考えていることとリンクしていたので最近めちゃくちゃ聴いています。
先の見えない未来をどう切り拓いていくか考えていくと深い葛藤はつきものなんだと感じた曲です。

【キリンジ Drifter】
YouTube↓

https://youtu.be/LHF_mFLeEJc

Apple music↓

https://music.apple.com/jp/album/drifter/258482600?i=258483285

よろしければ、聴いたことがない方はリンク先で先に聴いてみてください。

曲名の

Drifter は漂流者という意味。

歌詞を追っていきます。

交わしたはずのない約束に縛られ
破り棄てようとすれば後ろめたくなるのは何故だ

→何かにがんじがらめになっている様

手巻きの腕時計で永遠は計れない
→何か努力をしたところで終わりが見えてしまう虚しさ

虚しさを感じても手放せないわけがこの胸にある
→虚しさのなかにでもある一筋の意志。

例え鬱が夜更けに目覚めて、獣のように襲い掛かろうとも
祈りをカラスが引き裂いて
流れ弾の雨が降り注ごうとも
この街の空のもとあなたがいる限り僕は逃げない

→虚しさからくる鬱が襲ってきても、あなたという希望がある限り逃げないという意志

あなたという言葉から
ここでやっとDrifterがもう1人いるということに気づきます。そして、手放せないワケがあなたの存在があるからというのも理解できます。

人形の家には人間は棲めない
→戯曲人形の家から、この言葉が来ています。
いやー、この一言だけで戯曲の人形の家を連想は難しい。。ただ、分かると理解が深まります。

戯曲 人形の家は
妻を対等な人として扱うことなく
人形のように溺愛する夫。
その夫から逃げ出す妻。

というストーリーです。

その模様から名ばかりの愛で搾取され、自分らしさを失ってしまった人を示しているのではと解釈できる

流氷のような街で追いかけていたのは逃げ水
→家から飛び出したものの待っていたのは流氷のような不安定な場所にある逃げ水(蜃気楼)だった。

人として扱われず、逃げてきた先には非常に不安定で先行きの見えない不安。

いろんな人がいていろんなことを言うよ
お金が全てだぜと言い切れたならきっと迷いも失せる

→先行きの見えない不安と自分らしさが分からない自分、周りは勝手なことを言う。
いろんな人のさまざまな当たり前に困惑している様も感じる。
目指すべきものも分からないなかで、
(下世話かもしれないが)お金が全てだと言い切れたならそちらの方がかえって迷いがなくなる

みんな愛の歌にせつかれて与えるより多く奪ってしまうんだ
乾いた風が吹き荒れて田園の風景を砂漠にしたなら照りつける空の下あなたは僕の傍にいるだろうか?

→「人形の家」を受けての歌詞、
愛によって与えるはずが結果奪う結果になり、のどかで平和な田園が何もない過酷な砂漠に変化してしまう。(自分らしさがなくなり、先行きも見えない、周りからの勝手な声も聞こえてくる)

仮にそうなったら、唯一の希望であるあなたは自分のそばにいてくれるのだろうか?(ここは少し不安もある)

1番のサビの繰り返し

きっとシラフなヤツでいたいんだ
→ここで急にシラフという言葉。酒を飲まない人でいたい。つまり安易に欲望に逃げる人ではいたくないという意志。

子供の泣く声が踊り場に響く夜
→夜は自分が鬱に苛まれるときであり、そんなときに子供が外の踊り場、つまり自分のすぐ近くで泣いている。
家から追い出された子供が夜に外で泣いているとなると何か家庭内で問題があったのかと推察できる。

シラフ、子供というキーワードから言葉の逆を考えると
酒に溺れた大人が子供に当たったのでは?
と解釈できる。
おそらくここでの大人はシラフでいる自分とは異なる大人でしょう。

(ここでも人形の家のニュアンスが含まれている。歪んだ愛で家を追い出されてしまう人の模様を示している。)

冷蔵庫のドアを開いて、ボトルの水飲んで
誓いを立てるよ

→鬱に襲われても、酒に溺れた大人が子供に牙を剥いて人形の家のことがフラッシュバックしても、自分は酒は飲まず(欲望に溺れず)ボトルの水を飲んで誓いを立てる。

ここまでのことがあってもそれに立ち向かう強い意志を感じます。

欲望が渦を巻く海原さえムーン・リヴァーを渡るようなステップで踏み越えていこうあなたと


→さまざまな欲望や歪んだ愛が渦巻いていても、
ムーン・リヴァーという広い河を大きな虹で渡り、虹の端つまりは夢の先を2人で見よう
という意味がオードリーヘップバーンのムーンリバーの曲を見ると解釈できます。

https://youtu.be/vnoPke8tlAs

【オードリーヘップバーン ムーンリバー】

※いきなりムーンリバーというワードが出てくるのもやはり分かる人にしか分からないように解釈が難しくなっています。
この曲では、
漂流者であるあなたと私でムーンリヴァーという大きな河を大きな虹を使って渡ろう。
と言っています。その渡った虹の端に夢の先があるようです。
面白いのがムーンリバーの歌詞に
Two drifters 2人の漂流者という言葉があるのです。
うぁー、やっぱりもう1人の漂流者がいたんだ!ということがこちらの歌詞を辿っても分かります。

この僕の傍にいるだろう


僕は逃げない、僕の傍にいるだろうか?、僕の傍にいるだろう
この3パターンで
意志→葛藤→強い意志
ということも読み取れます。

歪んだ愛や人間模様で虚しさや鬱に襲われても、
自分は欲望には逃げずに
あなたと一緒に夢の先を見るために動き出すんだという強い意志をこの曲から感じます。

愛という正義によって奪い過ぎてしまう人達から
自分を見失わずに意思を持って大切な人と歩んでいくということがいかに美しく険しいことかということがありありと伝わってきます。

僕も言ったら、drifterです。

夜に考え事をしていたら夜が明けてしまうことも沢山あって、不安に押し潰されそうな日もあります。

そんなとき心の拠り所となるのは自分の夢の先とそばで支えてくれる仲間です。

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