元素記号とおしゃべり~小説風にまとめてみた~①
目を閉じて深呼吸する。ちょっとすでに怖いけど、プログラムに抵抗しないのだけ意識して行おう…。
見慣れた空間にたどり着く。装置を起動させ、意図を送る。
―マルチプルアバンダンス 特級 「やっぱり石が好き」 元素記号表~のプログラム 起動―
次の瞬間、私はまた別の空間にいた。
目の前には扉がある。「No.118 オネガソン」と書かれていた。
そっとノックをしてみる。が、返事はない。そのまま、私は部屋の中に入っていった。
部屋の中は、すさまじい悪臭とどす黒い血の色に染まった壁と人のうめき声で埋まっていた。もちろん、これはイメージだから、私には何の害もないのだけれど。どうやらここは拷問部屋らしい。今にも息絶えそうな状態にいるうめき声の主に話しかけてみた。
「こんにちは」
うめき声の主は、つぶされて見えない目で私を探した。どうやらいつも来る拷問官とは違うことだけはわかるようだ。もうおびえる気もないらしく、辛うじて漏れ聞こえる息で誰何の声を上げる。
名前を名乗り、その人の体に触れると意識が流れ込んできた。
全く身に覚えのない罪で投獄され、それを認めようが認めまいが関係なく、拷問を受けているようだった。認めたところでこことは別の収容施設に行かされるわけではないらしい。ほぼ、拷問官の楽しみのためだけにここにつながれ、狂うか死ぬかの間際まで追い詰められているようだった。
抵抗ができないにもかかわらず、神経伝達は変わらず行われ、警告としての痛みが体をさいなむ。死ぬほどの致命傷を負わないように拷問官は調整しているらしく、痛みだけが長引くようにされていた。辛うじて食事や水も与えられており、体としては生きるために栄養を取り込み、肉体を維持する方向に力を発揮し、本人の死にたいという意識とは反対の方向にかじを取っているようだった。
「いつ死んでこの苦痛から解放されるのか、死にたい」というのが、彼の希望のようだった。
プログラムが守ってくれるので、私自身に痛みや耐えがたいほどのグロテスクな映像は送られてこない。が、辛い気持ちになることには変わりはない。
ブロック解消と神聖な部分へ目を向けてみるように、プログラムに意図すると、その人の体は光り輝いて崩れ去り、部屋は拷問部屋ではない場所へと変貌していった。一つの小さな塊が私の目の前に浮遊している。
改めてそれに手を触れると、その塊が語ってくれたのは、
「究極的な、「肉体をもって生きる」とは、について知りたかった」
という言葉だった。
なるほど、と私は思う。人として生きる以上は、肉体を持っているわけで、その肉体は自分の肉体であるにも関わらず、まるで別個の存在のような動き方をすることがある。意志(脳)のコントロールのもとにあるように思える肉体だが、実は全くそんなことはなく、神経伝達からくる痛みの感覚や生理的反応は意志で抑えることは通常できない。ただ、生命力というのは非常に驚異的であり、わずかなエネルギーからも生命を維持させるように体が働くのは、まさにプログラムされたものであるとしか言いようがない気がした。
改めてリコネクションのエネルギーを流すと、肉体の持つ再生のエネルギーをもったその塊が体内に入り、浸透していくのを感じた。
―プログラム終了 現実に帰還を意図する―
「重かったわー」というのが、終わってすぐの感想だった。うまく見れるかどうかは結構自信がないが、こうやって一つ一つ、元素記号とつながってみる、というのを今後はやっていく。とりあえず、目標は一日ひとつ…。そもそもできるか謎だったけど、やってみたら意外とできたな…と思いつつ、私は水を飲んで現実世界に戻ってきた感覚を味わうのだった。
注)「オネガソン」:現在の元素記号表で最後に記載されている、人工的に作られた元素。「オガネソン(Oganesson)は、元素記号Og、原子番号118の合成元素である。2002年にロシア連邦ドゥブナのドゥブナ合同原子核研究所で、ロシアとアメリカ合衆国の科学者の合同チームにより初めて合成された。原子名が決定するまでは一時的な名称としてウンウンオクチウムが使われた。2015年12月、国際純正・応用化学連合(IUPAC)と国際純粋・応用物理学連合(IUPAP)の合同作業部会により、4つの新元素の1つとして承認され、2016年11月28日に正式に命名された。オガネソンは、既知の元素の中で最大の原子番号および原子量を持つ。放射性を持ち非常に不安定であり、2005年以降、わずか5つ(もしかすると6つ)の294Ogしか検出されていない[10]。このため、その性質や可能な化合物等の特徴を調べる実験はほとんど行えていないが、理論計算により、驚くべきものも含め、多くの予測がなされている」~wikipediaより~
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こんばんは!お久しぶりです、透子です。最近アウトプットが滞ってました。更新もかなり久しぶりですね。すみません。
さて、今エネルギーワークで「一日一元素の会」というのをやってみています。マルチプルアバンダンス特級「やっぱり石が好き」のプログラムを使って、元素が持つ概念を見たり、そこにある概念に対するブロックなどを見たり、そのブロックを外してリコネクションをする、というのをやってみています。今回はそれを小説風にアウトプットしてみました。しょっぱなから重たいんですけどねー…。
どれだけ続くかちょっと自信はないのですが、せっかくなので書いていこうと思います。
ちなみに見えたものは私個人のものなので、これがすべてではありません。プログラムによっては違う感じに見えることもあるかと思います。あくまで個人の感想です。誤解なきようお願いします。それでは、また!