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m_oonote
2025.1.20 私の芝生
「隣の芝生は青い」とはよく言ったものだ。諺ってどこからくるんだろう。
いつからか、周囲の人たちの嬉しい話を素直に喜べない時が増えた。性格が悪いことを承知の上で言うのだが、なんだか心がモヤモヤする。かといって、自分に何か幸せなことがあった時、誰かに声高らかに伝えたい気持ちもない。
SNSで「いいね」が欲しいとか、褒められたい、認められたいという気持ちがない、とは言い切れない。もし万が一、投稿がバズったら絶対に嬉しいだろうし、何回でも通知を見ると思う。
学生の頃とは違って、社会に出れば強制的に「ステータス」がついてくる。会社員、既婚者、課長、社長、色々な場面で肩書きがつく。その一つ一つにどれだけの価値がつくかは人によるけれど、なんだかそれにひどく振り回されている気がする。頭では分かっているのに、私が一番それに執着しているのかも。
私の状態も、他の人から見たら「青い芝生」にも思えるのだろうか。衣食住に困っておらず、ありがたいことに職もある。羅列すれば、ありがたいことくらい分かるのに。
自分が苦労しても手に入れられなかったものを手に入れている人がいると、その人が楽にそれを享受しているように感じてしまう。その裏にはものすごい葛藤があるかもしれないし、もしかしたら逆に私のいまの状況が誰かにとって「喉から手が出るほど欲しい」ものかもしれないし。
考え出したらキリがないけれど。でも、「相手の気持ちや立場を考える」ことは、ずっとこの諺と一緒に心に留めておきたい。