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樋口由紀子編『金曜日の川柳』
川柳333句が掲載されたアンソロジーです。まず、装幀がおしゃれです。とても読む気になります。自分のような川柳初心者にはもってこいです。紹介されている川柳の良さ、面白さもさることながら、樋口由紀子さんの解説がとてもわかりやすくて的確で勉強になります。
特に心惹かれた句を紹介します。
友だちの蹴ったボールを取りに行く 重森恒雄
歯医者から本一冊を借りてくる 安黒登貴枝
眼鏡屋が死んで一・五に戻る 大友逸星
塀があるここ中やろか外やろか 森本夷一郎
おや降って来ましたまでの立話 山本半竹
恋人と陶器市場で見る夕日 畑美樹
ほんものの息子は電話してこない 真鍋心平太
腰元になって舞台で眠くなり 高橋散二
座ろうか立とうかバスという世間 平井美智子
犬小屋の中に入ってゆく鎖 德永政二
道歩いとっても桂春団治 堀口塊人
ひと箱の桃を夫婦で腐らせる 谷智子
ご遺族といわれて遺族かと思い 玉利三重子
中八がそんなに憎いかさあ殺せ 川合大祐