セクト・ポクリット「コンゲツノハイク」【2022年12月】 12句選
干柿に食ひ入る縄のかわきかな 山口昭男(「秋草」)
鰯雲二人てんでの畑仕事 北川秀子(「円虹」)
数式がページを跨ぐ夜長かな 堀切克洋(「銀漢」)
朝霧や昨日のままのコンバイン 内堀うさ子(「里」)
頭胸腕失せても菩薩月に踊る 小澤實(「澤」)
松は根を宙に持ち上げ涼新た 依田善朗(「磁石」)
選ばれて尻のおほきな茄子の牛 黒澤麻生子(「磁石」)
灯を漏らすシャッターの裾秋近し 西嶋景子(「鷹俳句会」)
火と水と闇押し合へる鵜飼かな 阪西敦子(「ホトトギス」)
パフェいつも不確かに立つ大西日 西野結子(「むじな」)
差し入れし指細りゆく泉かな 国松恵子(「森の座」)
バタークリームにつくるプードル鼻は葡萄 町田無鹿(「楽園」)