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酒徒の履歴書⑦ - ニッポン居酒屋放浪記
社会人になり、自分の給料で好きなものを食べられる環境になった僕は、一気に食べ歩きにのめり込みます。そして、運命の出会いを果たします。
雌伏篇2(二十代前半)
話は、前回から少しさかのぼって、2000年代初頭、社会人になりたての頃。会社の独身寮に入ってから、僕の食生活は激変した。
寮は、21世紀の日本とは思えぬあつらえだった。部屋には風呂もトイレもなく、刑務所にあるような小さな洗面台があるだけで、備え付けの家具はベニヤ製だった。後年中国に語学留学したとき、周りの日本人留学生は部屋のボロさを嘆いていたが、僕だけは住環境が改善したと喜んだくらいだ。
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