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貯金で生きている
貯金と書いたけれど、お金の話では無いので、そっちのお話を期待する人はそっと閉じてほしい。これからする話は、能力とか技術の話である。
お正月休みの今日、小学生の子どもたちとなわとびに励んでいる。冬の間、小学校では体力づくりとしてなわとびに取り組んでいて、その延長で宿題になわとびカードというものがある。前とび10回、あやとび5回などある跳び方が一定回数できたら色を塗るあのカードだ。
小4の長女は三重跳びを2回跳ぶことに苦戦し、ずーっと練習している。私はその横で、もっと縄を早く回したら?とか、縄を短くしたみたら?と、アドバイスを求められた時に答えている。
私は40代だけど、三重跳びができる。複数回跳ぶことはもう難しくなってしまったけど、30年くらい前、まだ小学生だった頃は毎日練習しまくり、10回くらいできていた。で、あれから30年経った今も三重跳びが複数回できた時の感覚をしっかりと覚えている。だから、たぶん、これからしっかり体力づくりを1ヶ月くらいしたら三重跳びを10回くらいできる自信がある。
多分、この感覚は何十回、何百回は優に超え、何千、何万回と練習しないと身につかないだろう。頭じゃなくて、むしろ、体で覚えている。だから、子どもたちにアドバイスはするものの、それぞれの子どもたちのペースで、自分なりのやり方を身につけるために練習を続けるしかない。だからこそ時間がかかかる。
水泳もそう。私は昔、遠泳大会で、近くの内湾を1キロ泳ぐ小学校に通っていた。その練習で散々泳いだので、今もしっかり泳げる。
バレーボールもそう。小学・中学・大学という長い時間を捧げたので、今でもそれなりにプレーができ、肩も強いし、小さな子ども2人をおんぶする体力と頑丈さはある。
そう、私は若い頃の能力貯金を使って生きている。
上達するのはちょっとずつ、しかも進歩を体感できないことなんかしょっちょう。昨日できたことが今日出来なくなったりすることもある。けれど、ゆっくりと時間をかけて上手くなったことは、そう簡単には消えない。しっかりと、体に染み込んでいる。
だから、なんでこんなに練習しとるのにできんのよ!と怒る子どもたちを前に、練習が足りないなあと思いつつ、「さっきよりここが良くなったよ」、「おやつでも食べて気分転換する?」と声をかけながら、健やかな気持ちで練習し続けられるよう、見守っている。
こうした時間をずーっと一緒に過ごすことは難しいけれど、時間をかけたいことにしっかりと時間を使えるような暮らしを続けていきたいと思っている。
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