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ごん狐 新美南吉
改めて読み返して見て、涙が滲みました。
ごんは、いたずらばかりしている孤独な狐。
ある日、兵十のうなぎ採りの邪魔をします。後日、兵十の母親の葬式を目撃するごん。おそらくうなぎを母親に食べさせたかったのだと思い、反省します。
自分と同じように孤独になった兵十にせっせとこっそり贈り物をするごん。しかし、ある日その姿を兵十に見られ撃たれ死んでしまいます。哀しい死と哀しい気づき。救われない結末の中に、時代性や生きるものの孤独。その意味、また無意味さ。あらゆるものを内包しながら、兵十に抱かれたごんを誰もが想像するストーリーです。