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イラガは繭に筆でひょいひょいと描いたような模様を描く
イラガは幼虫も成虫も強烈な毒を持つ毒蛾である。
幼虫はよく柿の木についていて、うっかり触ると激烈な痛みを伴うらしい。
らしいというのはぼくはまだイラガに刺されたことはないからだ。子供の頃父親がイラガの幼虫に刺されて痛がっていたのを思い出す。
であるからして、イラガは避けるべき存在なのだが越冬する際につくる繭は別である。イラガは非常に硬い殻のような繭を作る。その繭の模様がなんともいえない味があるのである。
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横から見ると、ひとがひょいひょいと筆で描いたような線がついている。不規則に、適当に描きましたという風情を昆虫が作り出したと思うとちょっと感動する。
本当に適当なのかと思って繭の上から見ると実はスイカの線のように中心から放射状にそのひょいひょいが広がっているのがわかる。イラガもやたらめったらに描いたわけではなさそうである。実は規則性がありながらランダムに見えるように描くのはとても難しいだろうと思う。
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イラガの幼虫はそれをなんなくやってのけるのか、それとも試行錯誤の末に完成したのか果たしてどちらだろうか。ちなみにこの模様は個体によって違う。きっと下手なヤツもいれば上手なヤツもいるのだろう。
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