その夕暮れに太陽は顔を見せたけれども。
その夕暮れに太陽は顔を見せたけれども、沈む方角を知って少々落胆した。
ぼくは山々の向こうへと落ちていく太陽を想像していて、実際の太陽はもっとずっと南寄りに消えていった。
車庫から出てきた電車の屋根に夕日が鈍く光った。電車は一度停止すると作業服のひとを乗せて再び車庫へと戻っていった。帰宅の時間帯だが電車はまばらにしか通らない。次の電車を待っている間に太陽はずいぶん下のほうへと移動していた。
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