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夕暮れにまれに晴れる夏

最近の夏ってやつは。
日中は暴力的とも言える日光が降り注ぐくせに、夕方になると雲が出て隠れてしまう。
以前から夕焼けを狙っている場所があって、夕方になると空を見上げるのであるがここんとことずっと曇っている。
 
空を恨めしく眺める日々が続いていて、そうしたら昨日ようやく雲が切れたのでその場所へと行ってきた。やはり雲は少し多めではあったけれども、そしてそのせいで太陽は顔をかくしたまま沈んだけれども、それでも割れた雲の間から空が少し顔をだして、美しい茜色に雲が染まった。
 
もう少し晴れてくれたらもっとよかったんだけれども、けれどもけれども。
 
陸橋から見下ろすレールは複雑に入り組んでいて、そのぴかぴか反射する光が肉眼で眺めるよりもきれいだ。日没の時刻になって、見下ろす世界は雀色時。空の明るさとは対照的に、道行く人々は次第に色をなくした。さてそろそろ夜だわ、とバンパイアは目を覚ます。

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