SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II
ズームレンズを買うのは実に三十数年ぶりである。
初めて買ったズームレンズはキヤノンの一眼レフカメラ(フィルムです)EOS100と一緒に手に入れたもので、そんなに高級なレンズではなかったと記憶している。その頃高校生だったし、知識もなければお金もなかったからだ。
それから単焦点レンズばかりを愛用し、師匠の教えもあってズームレンズには目もくれないできた。
この先もずっと単玉だけでもよかったのだが、必要に迫られてとうとうズームレンズを購入した。SIGMAの24-70mm F2.8 DG DN IIである。かなりの高級レンズである。
ソニーの純正品はもっと高価だし、タムロンの類似品は28ミリスタートだった。28ミリというのは個人的に苦手な画角である。しかし価格はシグマの半分くらいなのでずいぶん悩んだ。悩んで悩んで悩みまくったが、やはり24ミリは譲れないと思いシグマを選んだ。
ちょうどズームレンズを物色していた頃、シグマからこの新製品がでた。描写性能的にはI型でも不満はまったくなかったが、II型のほうが軽いという理由で新機種を購入した。
軽いといっても、普段単玉しかつかっていない身からするとものすごく重いが。
ソニーEマウントの良いところはサードパーティのレンズが充実していることで、とくにシグマがあるのはとても有り難い。そしてシグマは純正品に対抗するかたちでラインナップを組んでいるので、純正品は高すぎる…というひとにはなくてはならないメーカーだろう。
本当のことをいうと、売れ線レンズばかりでなく2倍マクロとか出してほしいのだけど。
このレンズはフィルター径が82ミリもあって、ぼくが所有するレンズ最大径である。うっかりレンズをぶつけそうなのでフードは必須だ。そしてこのフードがイカしていて、なんとロックボタン付きなのだ。単にねじるだけじゃないのが高級感があっていい。
シグマから生産が追いつかないのでデリバリーが遅れるとあったが、注文してひと月後くらいに手元にやってきた。広角端で使い方によっては歪曲収差が見えるが、総じて高性能といってよい。ズームレンズだから性能が悪いなんて思ってなくて、フラッグシップレンズだから悪いわけなかろうと思っていたが、想像以上によかった。そりゃあ単玉使うひとも減るよなと感じる写りである。いや実際に単玉人口が減っているのかどうか知らないが、これ一本で何本分も兼ねちゃうのだからすごいなあと久方ぶりのズームレンズに関心したのである。
先日動画の撮影で使用してみた。普段はBatis 25mmで撮っていることもあって歪曲収差は気になってしまったが、AFの決まり方がやさしいではないか。Batisがキュッピシッと決まるところ、こちらはスッと決まる。速度的には大差ないが、合焦の仕方が自然なのだ。最新のAFレンズってすごいなあとまた関心してしまった。
使いながら自分が前後に動いて撮影していることに気がついて、そうだこれズームレンズだったと思い出した場面が何度かあった。まあそのうち慣れるだろう。
べた褒めだが、これで単玉を手放しちゃうことはなくて、ケースバイケースで使い分けて行くのだ。これでシグマのレンズは105ミリマクロと合わせて二本になった。
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