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今日も日が暮れる。

夏が延長戦に入って、ひとびとは文句をいうけれど、ぼくはぶり返した暑さが嫌じゃない。
蝉の声は、もうほとんどツクツクボウシだけになって、ミンミンゼミやアブラゼミの乾いた死骸が風に転がる。
 
もう今年は終わりだと思っていた夏の雲が太陽を隠した。雲は斜光で桃色に染まり、ぼくはいつもの写真を撮る。
 


台風でいなくなっていたムクドリの群れが戻ってきて、慌ててカメラをとりに帰ったけどその五分が勝負をわけた。カメラいつも持ち歩きなよと娘が言った。
 


娘のあとをついてきたことになっている月は半月を超えて、ふっくらしたクリームパンみたいになった。
 
今日も日が暮れる。

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