はなたれねこ移住する。第48話 網戸を張り替える
網戸というものはどうも自分で張り替えるものらしい。知っていましたか。ぼくは都心にいたら決して気が付かなかったと思う。網戸が破れたらどこかに頼んでやってもらうものだと思っていた。ところがこちらでは網戸張替えグッズがホームセンターに揃っている。DIY当たり前というわけだ。
二階の窓の網戸が破れている件はたまに妻に指摘されながらもなかなか手を付けられないでいた。やったことがない作業であるというのが腰を重くしている理由でもあったし、自分がその部屋を使わないのでついつい忘れてしまうというものあった。それでもいつかやらねばという気持ちは頭の片隅にあって、ようやく着手したのである。
まずインターネットで網戸の張替え方法を見た。この手のHowtoものはYoutubeにたくさんあるが、動画は手順を待つのがまどろっこしいので写真と文字のサイトがあればそちらを見てしまう。動画制作者がこんなことを言っていいのか。まあいいや。
いろいろとサイトを眺めていると、どうやら網戸の張替えというのは至極簡単のようだ。なんだこんな単純な構造で網がはまっているのか。専用の工具がなくてもできそうではあるが、あったほうが当然作業性はよくなるだろう。とりあえず必要なものをメモってホームセンターへ行った。
網戸の網の目は大きさがいくつかあって、24メッシュというのが基本らしい。それより細かいと風の抜けが悪くなり、それより粗いと虫の侵入を許すことになるというわけだ。網は枠にゴムで固定されているだけである。そのゴムの太さがサッシによって色々らしいので、それは事前にノギスで測っておいた。約4ミリだった。実際は4.5ミリ、5.5ミリ…という太さ展開だったので4.5ミリを選択する。長くはまっているうちに潰れたのだろう。そのゴムを枠内に押し込むローラーも同時に買う。それからはみ出た網をカットする専用のカッターも買う。さらにきれいに整えるための専用のハサミも売っていたが、これは買わずにまずはうちにあるハサミでやってみることにした。合計1300円ほどである。
構造がわかれば網を外すことなどわけがない。すっかりほこりだらけになった網と枠ゴムを捨て、サッシをざっと掃除をして床へ置く。そこへ網を広げてまずは仮止めの一点をゴムを押し込んで固定する。なんだ簡単じゃないか。端からゴムを枠内に押し込んでいけばほぼ自動的に網が張られていくのだ。ところが最後の辺になって網のたるみが出てしまった。やり直そう。ゴムを3辺まで外して今度は手で網を強く引っ張りながらゴムを押し込んでいく。これがなかなかに曲者だった。一度クセがついた網は同じところが枠に入り込もうとしてしまう。それを阻止するためにかなり強く網を引っ張る必要があるが、あんまり強く引きすぎると網が破れたり広がったりしてしまうのだ。やはり最初が肝心だった。仕方がない。なにしろ初めてなんだから仕方がない。
力の加減をしながらゆっくりと作業を進めていく。4辺の最後まで到達したらゴムをカットする。なかなかどうしてちゃんと張れたではないか。初めてにしては上出来である。網が張れたら飛び出た網を専用のカッターでカットする。専用工具だけにとても使いやすい。しかし、枠のキワギリギリまでカッターでは切れず、そこで専用ハサミが必要なのかと知った。普通のハサミではハサミ自体の厚みがあるためあまり短いものは切れないのである。専用ハサミは枠に対してぺったりとくっつくのでわずかに飛び出た網を切ることができるというわけだ。今後網戸の張替えが頻発するなら買ってもよいと思ったが、とりあえず鼻毛切りハサミで代用した。
作業を終えてみると床は散髪よろしく元網が散らばっていて、掃除機で吸い込んでやった。きれいになった床で改めて自分で張った網戸を見るとなかなかいい顔をしている。網戸の張替えならいつでもきやがれ。そんな気持ちになった。
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