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ユニバーサルジュネーブ復活の行方

ブライトリングがユニバーサルジュネーブの商標を買い取って復活させるというニュースを去年見た。HODINKEEがその困難さを記事にしていたがまったくその通りだと思う。ユニバーサルジュネーブはクロノグラフのコンパックスやマイクロローター搭載機によってマニア受けするメーカーである。そして1970年代までは高級時計として日本でも輸入されていた時計でもある。ブライトリングは当然ユニバーサルジュネーブを高級ブランドとして復活させるつもりだろうが、復刻版以上の魅力を見せることができるだろうか。
 
そもそも既存のファンはユニバーサルジュネーブブランドの復活を望んでいるのか。トリコンパックスやホワイトシャドウが現代の技術で蘇るのは見てみたい気もするが、それが法外な値段がつくようなら興ざめであるし、実際そうなる可能性はかなり高い。オメガはスピードマスターのCAL.321で完全復刻をやり遂げたが、通常版よりも遥かに高いプライスタグがついている。ユニバーサルジュネーブがコンパックスの名でクロノグラフを出すのなら、やはり中身もオリジナルでなければ意味がない。だれも7750の入ったコンパックスを欲しいとは思わないだろう。すでにこの点において、ユニバーサルジュネーブ復刻のハードルはかなり高い。
 
もっとも、復刻のことはすっかり忘れてしまってまったく新しい出発という方法もある。ユリス・ナルダンのように過去のヘリテージは名前だけというやり方である。ユニバーサルジュネーブはもともと新しい技術に果敢にチャレンジするメーカーだった。少なくともそういうイメージはある。だから新生ユニバーサルジュネーブも過去に囚われずに新しい技術の見本市になるような時計作りを率先したらいいのかもしれない。ブライトリングがブライトリングで出来ないことをユニバーサルジュネーブで実験的にやる。そうした新規性こそがブランド再興のカギになるのかもしれないなんてことを思ったりした。

超薄型時計。マイクロローター搭載で自動巻きなのに手巻きよりも薄い。薄さを実現するために秒針すらない。A7III Loxia 2/35

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ちいさな島
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