IS Santa Claus coming?
「我が家には煙突がないからサンタさんは来ないんだよ。だってサンタさんは煙突から入ってくるのでしょ。玄関ピンポンするサンタさんなんて聞いたことがないよ。」
「それならどうしてプレゼントもらえるの。」
「なら手紙を書いてご覧。」
そう言ったら真面目に手紙を書いたのが去年の話。ご希望のおもちゃが手に入って大興奮して、来年も絶対手紙を出すといってその来年がやってきた。今度はなにも言わなくてもせっせと自分で手紙を書いている。そして今年もまだ字が書けない妹の分も代筆した。
ぼくがサンタクロースを本気で信じていたのはいつ頃までだったろうな。煙突がないからプレゼントはないんだよとぼくも親から言われていて、せめてソリで夜空を飛ぶ姿だけでもひと目見ようと天窓を眺めていたっけ。やがて寝てしまって気がついたら朝。今年もサンタさんの姿は見られなかったなあとなんだかちょっとだけ残念な気持ちになったのを思い出す。
知人がサンタクロースから貰ったという品々を見て、それを自分で選んで買いに行ったとかお父さんがサンタみたいな言葉が端々に出ていてどうやらサンタクロースは存在しないらしいという知識は持っていたのだけど、クリスマス・イブの夜になると自分だけのサンタが夜空を駆け巡るような気がして天窓を眺めていたっけ。
去年は空前の恐竜ブームで、来年のクリスマスプレゼントはアンキロサウルスと言っていたのに、そのブームはどこへやら。今年は空前のポケモンブームの最中で、こんな要望が書いてあった。
「小さいフィギュア」というあたりに彼なりの遠慮が感じられる。世界中の子どもに配るのだから、大きいフィギュアは迷惑だろうというのか。それとも大きいと書くと却下される可能性を案じてか。
取り急ぎ「クリムガソ」と「ガブリアス」が何者なのか調べるところから始めなければなるまい。
妹のほうはと言えば。あまり欲のない妹ちゃんはこれといって欲しいものはないのである。お菓子でもいいんだよ、と言ったけど、おにいちゃんがおもちゃを貰って自分に残らないものは嫌らしい。でもとくに欲しいものが見つからない。困った挙げ句にひねり出したのがこちら。
サンタクロースさま、こちらでおわかりになりますでしょうか?
難易度が高すぎます。これでもしご希望の品と違った場合その場が地獄絵図と化すこと必至でございます。
娘よ、もう少しヒントを、ヒントをくだされ〜!!
果たして我が家にサンタは来るのか⁉
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