ムクドリの群れとニッキ飴
夕方になってもやまない雨。
仕方がないから傘さして歩いていったお迎え。
雨なのに頭上はぴーぎゃーぴーぎゃーやかましく、電線にびっしりムクドリたちが集結していた。おいおいカメラなんて持ってないよ。ぼくはスマホを取り出して傘を肩に乗せて写真を撮った。
ムクドリたちは今写真を撮っている場所と送電線の鉄塔の二手に分かれて集まっていて、どちらのグループに属するのかどうやって決まっているのだろう。鉄塔の方は高すぎてスマホを向けたけれども鳥たちは点々にしか見えなかった。
娘を連れて来た道を戻ったとき、あれだけいたムクドリの大群は一匹残らず消え去っていて、ただ動かない風景だけが残っていた。
さっきね、ムクドリの群れが来ていたんだ。
とぼくが言ったら、
ふーん。
と娘は興味なさげに応えてぼくがおやつに持ってったゆかりおにぎりを食べ終わって、足りないとぼくに言ったからぼくは秘蔵のニッキ飴をポケットから取り出した。
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