2023年12月の日記
12月1日
しわす、の語感は12ヶ月の中で一番いいと思う。今まで教師(先生)が走る、と聞かされてきたし言ってきたけど、師匠が走ると表現している人がいて、先生よりも何だか滑稽で気に入った。
12月2日
雨の曲を聴きながらお風呂に入るのが結構好き。King Gnuの新しいアルバムにある曲と曲の繋がりがとても美しい。風呂から上がった後も、雨燦々を繰り返し聴いた。
12月3日
歌集を2冊、エッセイを1冊買った。本屋を歩いていると、これも読みたかったのだったという記憶の掘り起こしが沢山ある。
12月4日
強い眠気に抗えず二度寝。なんとか布団から這い出てパソコンの前に座ったものの、集中が続かない。仕事がひと段落したところで昼寝、のち昼食。食べ終えた食器もそのままに、昨日買ったばかりの歌集を1冊、一気に読み終えた。
12月5日
もういいよ、といって無くなるものではないのはわかっているけど、アーティストの訃報が多すぎて、もういいよと言いたくなる。
12月6日
温かい飲み物を淹れて渡すという行為に愛を感じた日。
12月7日
M-1決勝進出者発表会見。この日は毎年昼ごろからソワソワする。発表が始まるちょっと前からごはんを食べ出したけど、緊張で味がしなかった。決勝に進んだ9組はライバルであるのに、お互いの発言にツッコんだりいじったり笑ったり、和気あいあいとした空気が流れるのが毎年楽しい。ここから年末まで頑張れる。
12月8日
昔ライブハウスで観たチバさんの話を聞いた。今のバンドマンは、SNSやメディア出演の影響なのか、親しみや生活感をすごく感じるが、当時のバンドマンはステージの上でのみ生きていたんだと思う。もうついて行くしかないというカッコよさ。昨日聞いたことのようにチバさんのMCを話す先輩。話してもらえてありがたい。
12月9日
京都駅の地下に迷い込んだら古本市をやっていた。1番最初に何気なく見た文庫本のコーナーに、前から気になっていた村上春樹さんのエッセイを発見してしまい、そのまま手に取ってレジに持って行った。
帰って少し寝て、THE Wを観た。くだらないことを本気でやっている芸人さんと、何が面白いのか説明できない、とにかく面白いとしか言い様がないネタが大好き。ゆりやんとしらきさんで悩む審査員陣を見てすごくわくわくした。そのしらきさんを超えてくる完全体ぼる塾、ギャルじゃなくてその妹を立てるエルフのコント。特にCブロックはドラマがあった。素晴らしい大会だった。
12月10日
差し入れでもらった、野菜生活のいちごのスムージーが美味しすぎる。程よい甘さ。箱で買いたい。
12月11日
自分の髪型を、マッシュでもウルフでもなく「くらげ」という人がいる。大抵前が短く、後ろが長く、長い部分はハネさせたり巻いたりしている人が多い印象。くらげという表現が可愛くて分かりやすい。今、なんとなく切るタイミングを見失って髪を伸ばしていたけど、足の長いきれいなくらげを目指して、来年は髪を伸ばそうと思う。
12月12日
ようやく空が明るくなり始めるくらいの早朝、ラジオから不意に流れたハンバートハンバートのタクシードライバーを聴いて、気持ちが一気にセンチに。途中で終わったのが惜しくて、すぐにサブスクで検索をかけてフルで聞いた。
12月13日
ここ数日SNSの心無い言葉をずっと気にしていたけど、好きなバンドマンがそのことについて前向きな言葉をかけていて、一気に目頭が熱くなった。明らかにたった1人に対してかけている言葉だったのに、自分の背中まで押してもらった気持ちになった。
夜、別のバンドの新しいMVがあがった。観ているだけで汗が噴き出てきそうなライブハウスの風景が映っていた。
12月14日
唐突に自分のことを甘やかしたくなり、ずっと購入を迷っていたスノードームを買った。年内に届くか微妙だが、クリスマスプレゼント兼お年玉ということにする。
12月15日
休息が全然足りなくて頭が回らない、日記に書くことも思いつかない。
12月16日
大学生のとき、1年だけ手書きの日記をつけていたことがあった。久しぶりに読み返した。1年だけといっても1年の間でトータル30日くらいだけど。当初は毎日つける予定だったが、なかなか続かなかった記憶。途中から行ったライブの感想記録になっていた。
中には当時お付き合いをしていた人とのことが詳細に記録されているものもあったが、怖くて全部読まなかった。というか読めなかった。途中で首の付け根がぎゅっと痛くなって日記を閉じてしまった。まるで別人が書いたような文だった。
今目の前にある仕事や生活もままならないのに、昔の日記に感情を振り回されている場合ではなかった。切羽詰まっているときほど日記は読み返すな、と肝に銘じる。
12月17日
radikoタイムフリーの再生ボタンを押した瞬間、自分のラジオネームが呼ばれて、電車の中で声が出そうになった。ラジオにメールを出すのは今回久しぶりだった。まさか、ど頭で紹介されるとは。好きなラジオ番組で、好きなパーソナリティに名前を呼ばれるのは、毎回新鮮に嬉しい。ラジオの中で、自分のメールから派生して話を広げていたり、笑っていたりするともっと嬉しい。この感覚をずっと忘れないでいたい。
12月18日
今年何回か小さな波が来たが、もう一度ピアス開けたい波が来た。でも、なんとなくで開けたくはない。気合いを入れたい時、ここぞというときに、開けたい。
12月19日
終わりが見えないほど仕事が山積みだが、日曜日にM-1があると思うだけで頑張れる。ずっとアドレナリンが出ている気がする。
12月20日
ここ数日気になっていた展示に行く日を決めた。こういうのは会期終わるまでに行こうと思ってるといつの間にか終わるので、予定として具体的に決めた方が良い。仕事終わりに行くと決めてから詳しい場所を調べると、その日仕事で行く建物と同じ建物だった。寄り道にしては近すぎた。そんなところにギャラリーがあるなんて知らなかった。楽しみと発見が同時で、何だか得した気分。
12月21日
楽しみにしていた、あおもり犬のスノードームが届いた。箱を開けた瞬間、中に入っている雪が舞って、わぁ、と母と一緒に声を上げた。鎮座する犬があらわになった瞬間、母が「ポッチ〜〜〜!」と叫び、しまった、と思った。母は、目に入った愛らしい生き物(ぬいぐるみやキーホルダーなど)に勝手に名前をつけるという習性がある。「それ名前?」「うん、ポッチ、かわいいねえ」「違う、これはあおもり犬、もう名前ある」「あおもり犬のポッチ〜、かわいいねえ〜」…もうこうなったら母が譲らないことはわかっているので、ポッチになった。ただ、父には「あおもり犬のスノードーム」と紹介していたので、もう名前をつけたことも忘れているかもしれない。
12月22日
12月23日
朝、部屋が寒くて、布団の中でうだうだとしていたら父の携帯が鳴った。仕事の電話だったみたいで、寝起きの声で「らいじょうぶれす」と返事していた。絶対大丈夫じゃないだろ、と思いながら毛布に丸まって笑いを噛み殺した。
12月24日
朝起きてまず「M-1かぁ…」とつぶやき、職場で少し敗者復活を見て退勤。本編は久しぶりにリアルタイム視聴。M-1を観ている間は笑ったり泣いたり、毎年とにかく感情が忙しい。今年はヤーレンズ1本目でゲラゲラ笑って、ネタ終わり「ヤーレンズがウケていた…!」と思うと涙が止まらなくなった。最後、優勝者がわかる瞬間、名前が1つずつ開いていく時の高揚感。今年は格別だった。仕事以外の時間はずっとM-1のことを考えているような1日だった。
12月25日
家で1人で黙々と仕事をして、疲れたらM-1の打ち上げアーカイブやネタ動画を観た日。
12月26日
職場に「しいたけ占い2024年上半期出たぞー!」という速報が入った。
12月27日
12月28日
朝遅めに起きたら、仕事に行っているはずの母が布団の上で丸まっていた。熱があった。枕元にありったけの水分とみかんを置いて出勤。最低限の仕事を終わらせて、パックの飲み物と熱さまシートを買って帰宅。母は比喩ではなくマジで額が猫くらいしかないので、子ども用を買った。
明らかにただの体調不良ではない気がしたので、病院に電話し診てもらうことに。こうして診察の予約をしたり、車を出したり、薬を取りに行ったり。いつのまにか母にしてもらっていたことを、私が母にできるようになっていた。
診察の結果はコロナだった。母がいないとたちまち生活が立ち行かない。晩御飯に鍋を仕込んで、残り野菜と溶き卵をフライパンに入れてオムレツを作った。いつもご飯が出来たら即刻食べ始める父が、私が風呂を済ませるまで待つというので、バタバタと入った。上がったらオムレツだけ耐えられず先に食べていたが、鍋はちゃんと待ってくれていた。他愛もない話をポツポツとしながら一緒に食べて、早めに寝る。
12月29日
母がいない2日目。会社の先輩に、母がコロナになったことを伝えたら、仕事終わりに、正月用の食材を買いに肉屋に行くが、何か必要なものあるか?と聞かれた。優しいけど、気の遣い方が結構変。
昨日終わらしてしまいたかったところまで仕事を進めて、昨日の鍋の残りで味噌汁を作る。味はするけどコクがない。鍋の具材から出汁がでているはずなのに、同じ味噌を使っているのに母の味にはならなかった。
12月30日
母がいない3日目。家で仕事しつつ合間で用事をこなすような、慌ただしい1日。母の言う「アレ取ってきて」でわたしはなんとなく言いたいことがわかるけど、父は全く検討がつかないみたいなので、父に看病は任せておけない。ごはんを作り始めるギリギリまで仕事をして、ヘトヘトのままごはんを作って、テレビを観ながら食べ始めたら、Mrs.GREEN APPLEがレコ大を獲った。涙を堪えながら歌い演奏するメンバーをみて、ボタボタと涙が溢れた。ここを乗り越えたら楽になるしかない。仕事も家事も全部中途半端だらけで、家族に申し訳ないけど、母が復活して仕事も落ち着いたらきっと少しは楽になる。ゴールはまだ見えないけど、ゴールのある場所は分かっている。
12月31日
しっかり年が明けてから書いてる。仕事から帰ってきて蕎麦を作って食べて、ばあちゃんの漬物を食べて、紅白と2355の年越特番を見て1年が終わった。1年振り返る間もなく、慌ただしく終わっていった。まだ新しい年の目標など何も立てていないけど、らくがきサンドウィッチマンのゆるゆるなマンダラチャートを見ていたら、もう目標とかいいや、の気持ちになった。ひとまずは2023年より1日でも多く健康で穏やかに過ごしたいなと思う。
そして、日記は新しい年も細く長く続けたい。