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小さい家のためのインテリアの法則

割引あり

「家が小さい」からと言って、自分らしく、家族みんなが心地よい暮らしをあきらめる必要はない。むしろ、小さな暮らしだからこそ低予算で満喫できるインテリアを楽しもう!

このnoteでは、現役のインテリアコーディネーターで、45㎡の小さな家に家族3人、不自由なく暮らしている僕”ちいくら”が狭い部屋を広く見せるインテリアの法則を解説します。

・家が小さくて暮らしにくい
・好きなインテリアも諦めてる
・家が小さくて子育てもしにくい
・いまの家をちっとも好きになれない

そう悩んでいる”ちいくら(小さい暮らし)難民”のあなたのお部屋を快適な暮らしへと導く魔術書となります。

また、インテリアに詳しくない人でもわかるように初学者向けに書いています。
そのため、インテリアのプロとして経験豊富な方にはすこし物足りないかもしれません。
ですが、小さい家のためのインテリアという視点でわかりやすくまとめているため、以下のようなプロ活動をしている方には程よく学べる教科書となっています。

・インテリアじゃなくお片付けの仕事をしている人
・自己流で片付けやインテリアについての発信をしている人
・基本的な部屋づくりについて簡単にポイントを絞って学びたい人



𖠿 なぜ小さい家は、自分らしい心地よさを失わせるのか

小さい家のインテリアは、大きい家のインテリアと比べて非常に難しいのです。
センスのいい人、インテリアが大好きで知識も豊富な人、自分なりのこだわりもあり、創意工夫するのが好きな人なら、楽しみながら小さい暮らしをつくれるでしょう。
でも、残念ながら適当に思いつきで家具を配置していては、小さい家はただただ小さくて暮らしにくいだけの家になってしまいます。

まず、ソファやダイニングテーブルといったインテリアのアンカー(視覚的な重心)となる家具を選びにくく、配置しづらい。せっかく配置した家具が圧迫感を生み、歩きにくさや家事育児の妨げになってしまったり、すべてが物置化してしまうなんてことにもなりがちです。

また、収納が少ないがゆえに選びがちな背の高い収納家具が、部屋の狭さをさらに強調してしまう、なんてこともあるでしょう。

一人暮らしなら家具も小さめでいいし、椅子も1脚ですむため場所もさほど取りません。ところが家族で暮らすとなると、必要な家具スペースはかなり増えてしまいます。

こうした問題を解決するために必要なのが、小さい家のためのインテリア法則です。

インテリアを素敵にするためのコーディネート術や、暮らしやすさを実現させるためのレイアウト術などはネットを調べたり、本を読んだりすればたくさん溢れています。
ですが、どの情報もそこそこ広い家をベースにしています。
また、「狭い家」と銘打ってあっても「そもそもの建築がオシャレすぎん?」って家が多くありません?
いやいや、違うんだと。僕達の家はただ普通に「小さい」んだと。
建築家が建てたこだわりの狭小住宅なんかじゃないんだと叫びたい!

ちまたに溢れたインテリアコーディネートのコツ。
これらは暮らしやすさをデザインする上でとても役に立ちます。
ところが「小さい家のための」となるとどのティップスをどう使えばいいかが途端に難しくなります。

たとえば、ダイニングテーブル。

単位はmm

これが必要最低限の寸法と言われていますが、これだけで約2.5m(テーブル幅800mmとする)もの幅が必要になってしまいます。十分なスペースが確保できるなら問題ありませんが、もしもこれだけの寸法を確保するのが難しかった場合はどうすればいいのでしょうか?

たとえば、図のように半円のテーブルを活用することで省スペース化することができます。

こうした省スペース化の方法を知っていれば、自分たちに適した家具選びやレイアウトを考えることができます。

とは言え、様々なインテリアの知識を自分で調べて、どれが小さい家に使えるかを取捨選択して、それから家具やレイアウトを考えるのはかなり労力が必要です。

小さい家に住んで困っている人に必要なのは、インテリアの知識なんかではなく小さい家でも最大限実現できる快適な暮らしです。

なので、僕が様々なインテリアの知識から小さい家のためのインテリアの法則をまとめました。
自分の家の事例だけでは不十分なので、図面を作成し、写真も集め、小さい家のためのインテリアの作り方をできるだけわかりやすく書きました。

情報は多いに越したことはありませんが、細かすぎるティップスは必要な人が限られてしまいます。そこで、今回は小さい家に住む誰もに関係があり、低予算で暮らしを改善できるインテリアの法則を3つに厳選しました。

① 小さい家を使いやすくするためのレイアウトの法則
〜小さくても開放感を生み出す、家具の置き方、余白のつくり方〜

② 小さい家に開放感を生み出す家具選びの法則
〜部屋を狭く感じさせない家具の選び方〜

③ 小さい家に美しさを添える色と光の法則
〜ヤボッたさを激変させる色と光の魔術〜

それぞれにいくつかのティップスが含まれるため、文量は長くなりますがあなたの家をカイゼンする法則が必ず含まれているはずです。

そして、小さい家の事例としてレイアウトを用いるさいには、主に以下の3つの間取りを参考に考えています。中でも一番コンパクトなのが、僕が住んでいる家の間取りになります。


※ 小さい暮らしを心地よくするためには、まず自分が「好き」なモノを取捨選択する好きセンサーが必要です。こちらの記事に好きセンサーの磨き方を書きました。ぜひご覧ください。


𖠿 インテリアを変えることは、未来を変えるチャンス

僕がお客様にモヨウ替えのご提案をする際にいつも考えていることがあります。
それはこのご提案がお客様の「未来を変えるためのインテリア」であるか、ということ。

僕は、インテリアは人生を変えるための手段のひとつであると考えています。
デスクの向きを変えただけで仕事がはかどるようになる。キッチンが片付いたり、好きな調理道具をそろえたことで料理を好きになったり、座り心地のよいソファを手に入れて、自分のための空間を整えたら、そこで読書をする習慣が身についたり。
ちょっとした身近な例でも、インテリアを変えたことで未来が変わることはいくらでもあります。
あなた自身も、これまでの人生を振り返ってみて、そんな経験がいくつかあるのではないでしょうか?

これはもちろん、逆もありえます。
部屋が散らかり、不揃いだったり、好きじゃない家具に囲まれているうちに、暮らしまで乱雑になってしまうこと。たとえば、独身時代はキレイに整えていたインテリアも、結婚をしてパートナーが部屋を散らかしたり、趣味が合わなかったり、子どもが生まれて片付ける余裕がなくなったりしたことで、暮らしの中に自分らしさを見失ってしまう、なんてこともあるでしょう。

お部屋と暮らしは、相互に影響し合っています。
どちらかが崩れることで、両方崩れることになるし。どちらかが整うことで、どちらも整っていく。そんな関係がお部屋と暮らしの関係と言えます。
自分自身や暮らしそのものを変えるのは簡単じゃないし、時間もかかります。
ですが、お部屋を整えることは目に見えて変化がわかり、やれば必ず成果がでます。そして部屋が整うことで、自ずと自分や家族の暮らしが変わっていきます。

家が小さいことで、本当なら諦めなくてもいいはずの、あなたが描きたい未来の暮らしを捨ててしまうなんてもったいなさすぎます。

小さい暮らしは、たしかに不便なこともあります。ですが、大きな暮らしにはない、ならではの暮らし方ができます。僕は、この小さな暮らしならではの暮らし方に目を向けて欲しいと思うのです。

このnoteには、小さな暮らしを最大限快適にするための法則を書きました。
ぜひ、いっしょに小さい暮らしを豊かにしていきましょう。


小さい家を使いやすくするためのレイアウトの法則

〜小さくても開放感を生み出す、家具の置き方、余白のつくり方〜

デザインにおける「余白」は、ある意味ではそこに何が描かれているかと同じくらい大切なことがあります。そして、これはインテリアにおいても同じ。

じつは家具レイアウトを考えるときには「余白のデザイン」から先に考えます。
部屋が大きかろうと、小さかろうとこの「余白」こそが、見栄えだけじゃなく生活そのものにまで大きな影響を与えます。とくに小さい家での暮らしにおいてはどこに家具を置くかよりも、どこに家具を置かないか、の方が大事です。

と、いうことで。
この章では家具レイアウトと余白についての法則を解説していきます。

大丈夫! めちゃくちゃ簡単で、この法則を知ればどんな家でもレイアウトの良し悪しをパッと判断できるようになってしまいます。安心して、レッツゴー! 

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