焦ったい時間を超えた先に【マッチングアプリで恋人ができるまで④】
その後控えていた残り3人のアポは消化試合で終わった。
なんせ、2人目で当たりを引いてしまったから。
別に彼じゃなくてもいいんだけど、
なんか、彼と親密にしながら他の人と会うのは
気が引けてしまって
アプリにログインすらしなくなってしまった。
彼とは2回、3回とスムーズにデートが決まり、お互いが意識している感覚を楽しむフェーズに突入した。
とはいえ、3回目のデートが過ぎたあたりから、
どこで均衡を崩すのか、見計らう時間が増えてきた。
この世に一般的に蔓延る恋愛論では、「3回目のデートで告白する」というのがお決まりだ。
ところが3回目のデートの後、普通にバイバイして終わったのだ。
えーーーーー!!!!!
普通に解散しちゃったよ!!!!!!
……でも、次会う約束も、しようとしてくる。
彼が、まだ私と会いたいということは伝わってくる。
だからきっと、タイミングを見ているのだろう。
冷静に考えると、彼と私は休みが合わない。
だから今までのデートも、
私の仕事終わりの夜2〜3時間程度。
行くはずだった1日デートも、
私のコロナ感染で延期になっているし、
3回目のデートは映画を観ただけ。
そう考えると、決定的瞬間は生まれづらい。
私自身も、サインを充分に出せていない。
世の男ってものは、告白でしくじりたくないものだ。
だからずっとタイミングを見計らっているだけ-----
今までの私だったら、
「彼が言ってこないなら私から告白するわ!」
と意気込むくらいのがっつく女だった。
しかし、それで幸せな恋愛ができた記憶はない為、
「愛されたいならきちんと言わせたほうがいいわ」
という思考回路に切り替わった。
焦ったい思いを抱えつつも、
彼のタイミングを待つことに決めた。
そして5回目(笑)のデートを迎え、
彼から交際の申し込みを受けて、晴れてお付き合いが始まった、という訳だったのだ。
思い返せば、我々はアプローチが下手だし、
そっとパスを出せるような上級者には
到底なれそうもなかったけど
25にもなって、中学生がする初めての恋愛みたいな
焦ったい時間を過ごせたことは
とっても新鮮で、恋愛の楽しさを思い出させてくれた。
お互いが好きで、
ちゃんと気持ちが通じ合っているのであれば
セオリー通りでなくてもいいのかもしれない。
だって、彼と私はとても幸せなのだから。