松本智秋

ときどき旅に出てごはんいろいろ食べます。著書は2015年2月『散歩とごはんのくり返し』(自由国民社)、 2022年1月 『旅をひとさじ』(みずき書林)。低血圧

松本智秋

ときどき旅に出てごはんいろいろ食べます。著書は2015年2月『散歩とごはんのくり返し』(自由国民社)、 2022年1月 『旅をひとさじ』(みずき書林)。低血圧

最近の記事

Seasons of Love

冒険研究所書店がある桜ヶ丘駅から終電に飛び乗った帰路、見元くんがおもむろに、最近観た映画「tick, tick...BOOM!」のことを話し始めた。 「tick, tick...BOOM!」は映画にもなったオフ・ブロードウェイ・ミュージカル「LENT」の作者でもあるジョナサン・ラーソンの作品。 時期は違うけれどわたしと見元くんはLENTを現地ニューヨークで鑑賞していて、出会った当時その話で盛り上がった。見元くんの話は要約すると「tick, tick...BOOM!」を観て

    • 冬の洋食

      寒くなると無性に洋食が食べたくなる。今冬もそうだった。季節によって旬の野菜や果物があるように、「ごはん」にもそういう旬の時節みたいなものがあると思う。もっと言えば時間帯も。たとえば、卵かけごはんは朝に食べるのがいちばんおいしく感じるし、そうめんはお昼時、インスタントラーメンは夜中。みたいな。ごはんは、食べるタイミングでより一層おいしくなる。 冬に太ってしまいがちなのは、単に「運動量は減ったのに食べる量は増える」からかなと思うけれど、とは別に、カロリーの高いものがおいしく感じ

      • あい

        出先で歩き疲れ、近くにあったカフェに入ろうとドアを開けたタイミングと、店内で流れていたBlur「Boys&Girls」のAlways should be someone you really loveの部分が重なった。Looooove な。 オールでクラブによく通っていた頃、BlurのParklifeがかかると体内リズムが変調するのか、ほんの少し、ほんのすこーーーしだけ阿波踊りっぽくなる男性がいた。20年以上も前に時々イベントで見かけていただけ、話したことすらない人を急に思

        • わたしの上京物語

          わたしは常識より良識を好んで生きてきたと思う。 大阪から上京したのは42歳のころ。まわりは「え?いま?」「42でやるねえ〜いくねえ〜」という反応だったけれど、わたし自身のこころの内は遅いも早いもなく、初めて生活の拠点を移すことの高揚感で、気持ちはピカピカだった。 ところが、東京で暮らし始めて半年ほどでコロナ禍に突入。よくわからないまま時間が過ぎるわ、その過ぎゆく時間の多くは自分について考えることに費やしてしまうわ、で、すいぶんと滅入った。自分の中途半端さがじわじわと刺さる

          入稿完了! そしてわかち合うのだ

          近所のコンビニへ行くと、お子が母親にあと何回寝たらクリスマスなのか何度もたずねていた。「10が2回より多いのん?少ないのん?」と、2ケタある日数を理解しようとむきむきと頭を働かせ 、”その日” をこころ待ちにする姿に「その気持ちわかるで、お子」と、強く共感した。 12月7日、入稿が無事完了。お子が待ち焦がれる日の数日後の27日に見本出来。「見本出来」ってなんですか?と聞く前に、みずき書林代表で編集者でもある岡田さんから 「見本出来」とは、初版全数ではなく、最初の出来立てほ

          入稿完了! そしてわかち合うのだ

          イベントを終えて

          わたしがメインゲストではないのにこんなタイトルでこんな日記を…とは思うのだけど、書いておきたい。 とにかくタイトルが強烈だった。だけど、そのタイトルでしか成立しないよなあとも思った。やるって決めたんだから、そのあたりを中途半端ににごすなんて選択はないし。 このタイトルを見て、人はどんなふうなイベントを想像をしたのかな、と想像する。それぞれの死生観をカタルシスにおわせて語り明かす…とか。人生を物語的にパッケージしてじっくり語る…とか。少しいじわるに、そんなふうに想像した人も

          イベントを終えて

          ある日のこと

          朝起きて1時間くらいぼーっとしたのち、予約していた住所非公開の台湾料理屋さんへ行きランチを食べる。いろんなやり方があるのだなあ、と思ってたのしくなる。うまいうまい。 細々とした作業が残っているので電源確保ができるカフェへ。ここ、穴場で作業が捗る。のだけど、その日はアラサーらしき女性2名がおり恋愛話が筒抜け。ついつい聞き入ってしまう。 好きで好きでしょうがない男性がついにLINEを未読スルーするようになったと嘆くひとり。ひたすら「そんな男やめときな」と説く、もうひとり。

          ある日のこと

          中間報告的に

          本になるまであとどれくらいだろう。結構進んだのではないかしら。 わたしやみずき書林(ひいては岡田林太郎さん)と、もともとつながっていたり関心を持たれていた方々であれば、ここ数ヶ月のあれこれの出来事に、ざわざわと心中落ち着かない日もあったのではないかと思う。 しかし旅本の制作に関してはご心配なくで、淡々と、しかしあつあつちんちんの情熱でもって、せっせとこしらえております(「ご心配なく」という言いかたは少しおこがましいけれど、”心配する”という状況がそれぞれに・おのおの各方面

          中間報告的に

          習慣化するための思考休

          意味も理由も考えへんねん。するねん。するって決めたからな。あ〜きょうはちょっと疲れたから(やめとこか)なあとか、考えへんねん。するねん。ほんなら続くで。 数ヶ月前、見元くん(ブックデザイン担当/25年来のマイメン)から意味や理由を考えないことで習慣化する簡潔明瞭な上記の手段を教えてもらった。 これ、一瞬笑っちゃうんだけど、今になって「意味も理由も考えへんねん。するねん」がすごく響く。 というのも、SNSの投稿を極端に増やしたので、時々不安になってしまって。 本の出版に

          習慣化するための思考休

          Islaming graffiti からの、

          「いいとこ見つけたから今度行こ」と誘った時、だいたい返事は「(一緒に)行こ行こ」か「わ〜連れてって〜」のどちらか。もちろんどちらのYESもうれしい。だけど、誘った後さらに「うん行こ〜!」って楽しくなる前者のほうが、よりうれしい。 * ちょうど10年ほど前に、Islaming graffiti という写真展をした。タイトル通り、イスラムの国々の旅写真で構成した展示。ギャラリーは神戸モスクの並びにある Port Gallery 。窓枠上部の丸みもイエメンの建築によくあるそれっ

          Islaming graffiti からの、

          おもに別府ちょっと大分

          別府にはずっと関心があった。かなりずっと。 2006年に友人でもある音楽家たちが、大分県別府市を活動拠点とするアートNPO「別府プロジェクト」に招待され、こぞって別府へ。帰阪後、そこでの滞在を語る友人たちの恍惚とした語りは、地獄と称する別府ながら天国にでも行ったかのよう。 うーん気になる。 なのにわたしの九州旅行は、熊本・長崎・鹿児島・宮崎と、なぜか大分に立ち寄らないコースが続いた。 それから時は経ち2020年。梅田哲也くんが「梅田哲也 イン 別府『O滞(ぜろたい)』

          おもに別府ちょっと大分

          おもに博多ちょっと鳥栖

          あー!ラオスでこういうカオチー(フランスパンサンドイッチ)のお店に行ったことあるー! 博多・西公園の坂道をうねうねと歩いた先の頂で「今屋」が見えてきたとき、そう思った。 おじいちゃんがひとりで切り盛りしているハンバーガー屋(形状は明らかにホットドッグ)。最近は閉まっていることが多いと聞き、向かう前に営業しているか確認の電話を入れる。 「はあはあ!やってますー!」 こちらが言葉を発する前にそう言って一瞬でブツっと切られた。好い。 先客は2名。しかし腰がくっきり曲がった

          おもに博多ちょっと鳥栖

          Podcast 少し追加しました

          「本のあのおばちゃんの話が入ってないよ!」とご指摘いただき「あ!」となりました。というわけで少し追加エピソードを。 00:00〜 探してもくれない宿のスタッフにしょんぼり 02:20〜 旅すると変わる?中国の人たちの印象 03:18〜 お世話になった超親切なおばさん 07:24〜 旅に語学力は必要? ざっとこんな感じの12:30。音が少し悪いけれど、前回の自分語りよりこういう旅のエピソードのほうがおもしろいよなーと思う。 本にも登場している貴州省鎮遠へ向かう夜行列車での

          Podcast 少し追加しました

          【追加】中国の旅と語学のこと

          2014年3月 Podcast【世界発信_旅人に訊こう】に出演した時の音源。ゲストハウスでの塩対応〜旅して知った中国の人たちのやさしさ〜旅に語学力は必要?など追加しました。 00:00〜 探してもくれない宿のスタッフにしょんぼり 02:20〜 旅すると変わる?中国の人たちの印象 03:18〜 お世話になった超親切なおばさん 07:24〜 旅に語学力は必要?

          【追加】中国の旅と語学のこと

          【追加】中国の旅と語学のこと

          旅のいろいろ話してます

          2014年3月、Podcast【世界発信_旅人に訊こう】にお呼ばれした時の音源をこちらに再投稿しました。タイトルは発信元(旅々プロジェクト)からママ引用。 【司会進行】リョウヘイ 【合いの手】一成くん 2人とは、2011年10月〜12月 中国四川・雲南・貴州の旅の道中で出会う。一成くんは四川省成都の超人気宿「シムズ」の元名物スタッフ。シムズはとても快適な宿で、チベットへ向かう人たちの出発地点にもなっていた。 収録は奈良・宝山寺の「ナイヤビンギ」 猫ケーブルカーで向かった

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          「働く、旅する、生きることのほんわか雑談」

          2014年3月 Podcast【世界発信_旅人に訊こう】に出演した時の音源。20分ほど短縮しました。暇つぶしくらいの感じで聴いてもらえたら!いろいろ喋ってます。 司会進行:リョウヘイ/合いの手:一成くん 01:00〜 鳥葬(中国四川省の東チベット) 09:40〜 高山病と酸素缶の思い出 11:51〜 荷物とバックパックの話 14:45〜 旅の期間と快楽に突っ走らないための策 20:20〜 おすすめの旅先は、 23:21〜 どこの国のごはんがいちばん好き? 28:40〜 バックパッカーぜんぜんすごくない論

          「働く、旅する、生きることのほんわか雑談」

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