頭がいい人ほどハマる?人類を魅了する”擬音×ポージング×筋肉美”、そして名台詞に酔いしれる
あなたは”ジョジョ”と聞いて、何か頭に浮かぶだろうか?
何も知らない人、知っているけど「あ~、あの筋肉マッチョの変なポーズの漫画でしょ?」と思う人、私と同じレベルで異常に大好きな人、おそらくその3パターンに分かれるのではないだろうか。
ジョジョは荒木飛呂彦先生が描かれている大人向けの漫画で、以前は少年ジャンプ、現在はウルトラジャンプで連載している。主人公のジョースター家の一族と、邪悪な吸血鬼に変化したデュオ・ブランドー(以下「デュオ」という)との、何世代にも渡る血縁と因縁の戦いを描いた超大作である。
今日は、ジョジョに全く興味がなかった私が、なぜここまでドハマりし、ジョジョのどこに魅力を感じているのかを徹底的にお伝えしようと思う。
◆ハマったワケ
ある日突然見る気もなかったアニメで、1人のかっこいいヒーローに出会ったのが、ハマったきっかけだ。
主人が見ている動画に何気なく目をやると、ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース(以下「第3部」という)がやっていた。ちょうど主人公の仲間のポルナレフが、小さくなりながらも敵とスタンド※で戦うシーンだった。
スタンドとは超能力や守護霊のようなものを具現化し、それぞれのパワーや特殊能力で敵と戦ったり、持ち主を守ったりする能力である。
※参考:スタンド (ジョジョの奇妙な冒険) 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
私は元々、少年誌も筋肉も好きだったわけではない。しかしドラゴンボールみたいだなぁと思いながらボーっと眺めていると、ポルナレフが見知らぬ優しい女性を守るために、命を懸けて戦う姿を見て、不覚にも「なんだかかっこいい」と思ってしまったのだ。
相手のスタンド能力で、どんどん体が子供に戻るポルナレフ。同時に知能も若返っていくので、記憶や考えも幼稚になってくる。遂には3歳くらいになってしまい、敵にお風呂で沈められて絶体絶命。そこでポルナレフはなんと、プリっと大きいものをして、敵を怯ませ危機を切り抜けるのである。
最後には、金魚鉢の中で鏡を利用し風景に溶け込み、敵の意表を突き戦闘不能にした。そして元の姿に戻った彼は、助けた女性に自分があの男の子だということを告げずに立ち去るのだ。
時に笑いと、知識と、男気を見せてくれた彼の後ろ姿に、私は悩殺されてしまった。
◆徹底したキャラ作り
ジョジョの魅力は、限定したキャラだけに限らない。登場するキャラクターはどれも徹底的にキャラ作りされており、荒木先生のすごさを感じる。
人は誰しもが主人公で、様々な生い立ちがあり、苦難や葛藤を乗り越えて生きている。ジョジョに登場するキャラクター達は、まさにそれを忠実に再現しているのだ。
だから、敵キャラにも時に魅力を感じ、同情したり、共感をしてしまう。とくにジョースター家の因縁の相手、デュオは非常に極悪人で、鉄仮面を使い吸血鬼と化し人類を恐怖に陥れるのだが、同時に強い偉才を放つ。
元々育った環境に問題があり、異常なハングリー精神とコンプレックスを持っていたデュオ。主人公目線で見ていると嫌なやつなのだが、彼の言葉や風貌にはカリスマ性があり、「おれたちにできないことを平然とやってのける、そこにシビれる!あこがれるゥ!」のである。
◆ジョジョの真の魅力は数々の名台詞にある
「オラオラオラオラオラーッ!」
「友人が殺されたのだッ! 目のひとつぐらいでへこたれるかッ!!」
「オレは『正しい』と思ったからやったんだ 後悔はない… こんな世界とはいえオレは自分の『信じられる道』を歩いていたい!」
有名なセリフといえば他にもたくさんあるが、そのどれもが個性的で、熱く心に響くものになっている。男同士の熱い友情を表すものから、夢を語るまっすぐな言葉。それらとは一変してどうしたらそんな汚い言い回しが思いつくのか、というほどの悪を咎める表現。
一人の人間が考えているとは思えないバリエーションで、癖のある数々の名台詞を生み出す漫画、それこそが”ジョジョ”であり最大の魅力なのだ。
◆荒木飛呂彦先生の脳内を見てみたい
最初に言っておくと、荒木飛呂彦先生の知識量は”ヤバい”。頭がいいとか、知識が膨大だとか、学者レベルだとか、そんなのものではない。ありとあらゆるジャンルで素人が知りもしないようなことを、すべて嚙み砕いて説明し、攻撃や方針に転換してしまうのだ。
有名どころでいえば、第7部のスティール・ボール・ランだ。黄金長方形※の軌跡で鉄球を回転させることにより、人間の皮膚の硬度を変えたり、肉体を捻じ曲げたりする。
※参考画像:いらすとや
読者が思わず「本当かよ」と気になって調べてしまい、その知識が身に付いてしまう。漫画なのに勉強できる情報が満載なのだ。
また、漫画の中で彼の分身ともいえるキャラクターの岸部露伴がいる。彼もまたスタンド使いで有名漫画家なのだが、漫画を書くための研究に惜しみなく、漫画にするためなら蜘蛛の味を舌で確かめるようなシーンまである。
きっと荒木先生は知識に貪欲で、仮説や妄想が得意な人なのであろう。彼の各漫画は、フィクションの中に膨大な知識と真実を織り交ぜてくるから面白いのだ。
◆まず最初に見るべきオススメは第〇部!!
まだジョジョを読んだことがない方には、まず最初に第3部を読んでいただきたい。ジョジョといえば有名なのがスタンド能力だが、実は第2部までスタンドは出てこない。第3部でスタンド能力の魅力にどっぷりとハマってから、第1部を見ることをオススメする。
もちろん漫画は面白いが、セリフが多く難しい話が続くので、アニメから見始めるのもいい。そのうちに漫画とアニメを行ったり来たりして、TSUTAYAに新刊を買い求める日も近いだろう。ここまで読んでくれたあなたには、その素質が十分にある。
私の個人的なオススメは第5部だ。イタリアを舞台に、デュオの息子のジョルノ・ジョバァーナが正義のためにギャングスターへ上り詰めていく物語である。思わず胸が熱くなり、夢や仲間や覚悟とは何かを考えさせられる話になっている。
ぜひお試しいただいて、ジョジョの奥深さを知っていただけたらと思う。
よきジョジョライフを。アリーヴェデルチ!!