コンサートとオペラの記録:10月2日、エッセン・オペラ、《トリスタン XS》新制作プレミエ
10月2日、エッセン・アールト・ムジークテアターの新制作プレミエ≪トリスタン XS≫を観ました(指揮:同オペラ音楽総監督トマシュ・ネトピル)。
コロナ禍で全曲オペラ上演ができないため、ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》を短縮、コンチェルタンテ形式で上演したものです。
歌手もトリスタンとイゾルデ役のみ、オーケストラも室内オーケストラのような小編成でした。
前回に続き、アールト・ムジークテアターの内部です。
というのも、9月30日と違う席だったので、30日には移動できなかった部分の写真が撮れたからです。
現在は、コロナ禍で観客も座席に誘導され、劇場内を自由に動き回ることができません。
フォワイエから階段へ。誘導員が立っています。左からエッセン・フィルの写真、中央にアールトの写真とその上部にアールトの頭像が見えます。
誘導員の後ろに見える通路は車いすの人がカフェテリアに行くための通路です。
この通路入口の右側の壁にアールトの写真が掲げられています。
階段踊り場にあるアールトの頭像。
この踊り場から見えるアールトの頭像と階下のカフェテラス。
カフェテラスはコロナ禍のため閉鎖中です。
テラスに出ることも禁止。テラスから階下への階段は楽屋カフェテラスに通じています。
この日のプログラム。
カーテンコール。まず指揮者と2人の歌手、オーケストラ。
それにステージ外で演奏していたコール・アングレ奏者が加わりました。指揮者とイゾルデ役歌手の間に立っています。
コール・アングレは第3幕でとても重要な役割を果たしています。
エッセン・フィルはもともと透明な音が持ち味ですが、小編成のため、さらにその長所が発揮されていました。
こうやって通常はみることのできないオーケストラのステージ上の演奏で、新たな発見もありました。
エッセン・アールト・ムジークテアターは素晴らしい《トリスタンとイゾルデ》のプロダクションを持っています。これはバリー・コスキー演出、2006年新制作プレミエでした。
数えていないのですが、たぶん5回以上はこの制作を観たと思います。
現インテンダントに交代してからも、どこにもこのプロダクションを貸し出す気はない、上演を続けると言っていましたが(、インテンダント交代により制作が打ち切られることはよくあります)、将来はわかりません。
また数シーズンにつき2~3回の公演しかありません。
《トリスタンとイゾルデ》は本場ドイツでも、そう簡単に上演できない、いろいろな意味で難しい作品なのです。
バイロイトはじめ、さまざまなオペラハウスでさまざまな《トリスタンとイゾルデ》のプロダクションを20以上は観てきたと思いますが、このエッセンの制作に勝るものには、いまだに出会っていません。
早く通常の上演ができるようになってほしい、と思いつつ、小編成でも短縮版でもコンチェルタンテでもやはり、ナマの音楽に勝るものはなく、久しぶりのサウンドに魅了され、なんというか、一種の『酩酊状態』で帰途につきました。
FOTO:©Kishi