祝祭日の続くドイツ、観光業、ミュンヘンの劇場とポルシェ
今日5月21日は『Christi Himmelfahrt』(クリスティ・ヒンメルファールト、キリストの昇天)、ドイツは祭日で商店などは閉まっています。この後、5月31日・6月1日は『Pfingsten』(プフィンクステン、精霊降臨祭)、6月11日は『Fronleichnam』(フローンライヒナム、聖体祭)と祝祭日が続きます。ただ、これらは移動祝祭日で毎年同じ日ではありません。
夏の長期ヴァカンスの前にこの祝日を利用して休暇を取る人も多いのです。
新型コロナ・ウィルス感染拡大による封鎖が「段階的に」解除されていますが、ここのところ、雪崩を打ったようなスピードです。この休暇シーズン、そして夏のヴァカンスを前に、観光業を救おうというのが大きな理由でしょう。
ドイツからの客がたくさん詰めかけるイタリア、オーストリア、フランスも同様です。ですが、感染が終息したわけでもないし、相変わらずウィルスは存在するわけですから、国境封鎖が解除されても外国への旅行を危ぶむ声は少なくありません。バイエルン州は外国への旅行ではなく、ドイツ国内、特にバイエルン州への旅行を強く呼びかけています。実際、バイエルン州は雄大な自然にも恵まれ風光明媚なことに加え、州都ミュンヘンは高い文化的充実度を誇ります。
ミュンヘンと言えば、ビール、そして世界最大規模の祭り『オクトーバーフェスト』(Oktoberfest)が有名です。オクトーバーフェストは9月中旬から10月上旬まで毎年開催され、毎年約600万人が訪れます。今年187回目を迎えるはずだったオクトーバーフェストは4月、中止が決定しました。新型コロナ・ウィルス感染拡大の危険が大きく、また祭りの準備には時間もかかることから早い時期での決定が必要でした。もちろん経済的打撃は甚大です。
この他、ドイツ全国で、秋までの各種の祭り、キルメス(移動遊園地)もすべて中止になっています。
注目されているのは、来年のカーニヴァル開催の是非です。今年、感染者の集中が見られた地域のひとつ、ハインツベルク(Heinsberg、ドイツ中西部のノルトライン=ウェストファーレン州にあります)という町での感染拡大の原因はカーニヴァルだったことが判明しています。
来年は2月15日がカーニヴァルのクライマックスですが、カーニヴァルの季節は前年の11月11日11時11分に始まり、クライマックスまで多くの準備、集会などが開かれるからです。
また、私個人的には年末の『クリスマス市』がどうなるかと思っています。ここも大賑わいですが、新型コロナ・ウィルスの第二次感染が心配される時期にもあたります。
さて、ミュンヘンのバイエルン州立オペラはシーズン終わりの6月末から7月末まで『オペラ祭』(Münchner Operfestspiele、ミュンヒナー・オーパンフェストシュピーレ)を開催します。世界中からオペラ・ファンが集まる有名なオペラ祭です。今年はもちろん中止になりました。
バイエルン州立オペラ、そしてオペラ祭については、またの機会に書くことにします。
【以下は昨年のオペラ祭開幕プレミエ(6月27日、≪サロメ≫)に出かけた時のナツィオナール・テアターの写真です。開幕プレミエとあり、劇場前階段にはレッド・カーペットがひかれています。とはいえ、実は私の写真の狙いは、カブリオレのポルシェでした。フューシャ・ピンクがあまりにクールだったからです。】
Foto:©Kishi