オペラの記録:ベルリン・ドイツ・オペラ(DOB)、ワーグナー《ニーベルングの指環》第一チクルス、《ラインの黄金》(11月9日)
ベルリン・ドイツ・オペラ(DOB)の《ニーベルングの指環》新制作の第一チクルスが始まりました。
11月9日の序夜《ラインの黄金》を観ました。
ワーグナーの大作《ニーベルングの指環》は『三部作』と言われますが、4つの作品から成り立ちます。
序夜《ラインの黄金》
第一夜《ワルキューレ》
第二夜《ジークフリート》
第三夜《神々の黄昏》
この新制作は、ムジークテアターを牽引する優秀な演出家の1人、シュテファン・ヘアハイムが演出を手掛けることが数年前に発表されました。
オペラ界の期待値はとても大きかったのです。
私もヘアハイムの仕事はとても好きで、オスロの新オペラハウスでの《タンホイザー》も観に行きました。
彼の仕事の中でも、特にバイロイト《パルジファル》、シュトゥットガルト・オペラ《バラの騎士》は評価も高く、私も大好きです。
さて、新《ニーベルングの指環》については、コロナ禍で上演がいつできるかもわからず、この間をぬって、イレギュラーなプレミエになっていました。
通常は《ラインの黄金》から上記の順番でプレミエを行い、全てが出揃ったところでチクルス上演をしますが、今回は《ジークフリート》のプレミエが出ないまま、チクルス上演が始まり、《ジークフリート》のプレミエはこの第一チクルス内で行われることになりました。
《ニーベルングの指環》チクルス上演は音楽家は当然ですが、劇場全体もとても緊張します。
《ワルキューレ》以降は音楽家が最低でも中1日の休みが必要なので、1週間かかります。
さらにオーケストラにとっては《ワルキューレ》以降は一つの公演でも二公演分の仕事として計算されます。
休憩を入れて5時間以上かかり、観る方も体力と気力が必要です。
ほぼ2時間で終わるイタリア・オペラとは要求度が格段に違います。
ところで、ベルリンにはオペラ劇場が3つあります。
ベルリン・ドイツ・オペラ(DOB)
ベルリン州立オペラ(リンデン・オーパー)
ベルリン・コーミッシェ・オーパー(KOB)
この3つとも日本公演もしているので、馴染みがあるかもしれません。
ちなみに日本における《神々の黄昏》初演は80年代、DOBの引越し公演だったと記憶しています。
DOBの劇場建物
入り口ではコロナ接種証明などのチェックが行われています。
劇場フォワイエ。
フォワイエではニュース番組の撮影も行われていました。
また公演の録画どりもありました。
客席内部。
座席はコロナ以前のようにぎっしり、です。売り切れのため、外では「チケット求む」という札を持った人も多く見かけました。
プログラム。
裸のステージにはグランド・ピアノが一台置かれています。
カーテンコール。まず歌手だけ。
指揮者のラニクルズが登場して、ヴォータン役とアルベリヒ役の間に立っています。
「今日、《ラインの黄金》」という旗が翻る中、公演終了後家路につきます。
FOTO:©️Kishi