見出し画像

旅の話:ルートヴィヒ2世〜薔薇島《Roseninsel》(ドイツ、バイエルン州)


ドイツ南部のバイエルン州には名所旧跡がたくさんあります。

ノイシュヴァンシュタイン城を建設させたルートヴィヒ2世がこよなく愛した薔薇島《Roseninsel》に行きました。

薔薇島はミュンヘンの南、シュタルンベルク湖にあります。
黄色で囲んだのがシュタルンベルク湖。

シュタルンベルク湖はかなり大きいのですが、島はこれだけしかありません。
長さは233m、幅は176mと、とても小さな島です。
薔薇島は黄色で囲んだ部分です。

島が使われた跡は紀元前まで辿ることができます。

1850年、バイエルン王マキシミリアン2世(ルートヴィヒ2世の父王)が当時この島を所有していた漁師から島を買い取り、ここに夏の別荘を作ろうと計画しました。


この渡し舟で行きます。人が集まったら鐘を鳴らして出発を告げます。

泳げそうな距離ですが、付近は遊泳禁止。

名前の通り、100種類以上の薔薇が植えられていますが、香り豊かなオールド・ローズだけを選んでいるそうです。
中国産の薔薇は咲く期間が長いのですが、香りがないので植えられていません。
したがって6〜7月だけ咲く品種です。
訪れるには6〜7月が最も素敵だと思います。


正面に見える建物は『カジノ』。バイエルン王の別荘で、1853年に完成しました。
と言っても通常のカジノではなく、名前だけです。
ここで客をもてなしたり、王族が泊まったりしたそうです。

内部は撮影禁止だったので、外から見た写真だけです。

ルートヴィヒ2世はこの島を愛し、ロシア皇妃マリア=アレクサンドロヴナやリヒャルト・ワーグナーを招きました。

また、ハプスブルク皇妃エリザベト(愛称シシ)とここで過ごしました。
このシーンはヴィスコンティの映画《ルートヴィヒ2世〜神々の黄昏》にも出てきます。

実は、この映画を見てからここに是非行ってみたいと思っていました。
やっと訪れることができました。

というのも・・・1970年、荒れていた島をバイエルン州が80万マルクで買い取り、1997年に手入れを始めました。島とカジノを19世紀のオリジナル通りに再建し、2003年から一般公開しています。


庭園にでるテラス。ポンペイの遺跡風。


これは庭園の端にあるパヴィリオン。
近くでは養蜂をしていました。

ここでは自転車や犬は禁止、レストランやカフェもありません。
ピクニックも禁止。トイレだけは船着場にあります。

ひたすら散策し、ばらの香りと鳥の囀りを楽しみます。

島の住民登録は管理する役人2人だけです。

FOTO:©️Kishi

いいなと思ったら応援しよう!