コンサートと旅の話:ハンブルクのエルプフィルハルモニーでのコンサートとフーズム(北ドイツ)、2019年6月

今年の夏はコロナ禍でオペラやコンサートがなくなり、旅そのものは一部を除いて制限解除されたものの、いまひとつ、旅に出かける気分になれません。
昨年はよく旅をしたので、そのレポートを随時書きたいと思います。

昨年6月末、ハンブルクのエルプフィルハルモニーでのコンサートに続き、北ドイツのフーズムを訪れました。

エルプフィルハルモニーは2017年1月正式開場しました。https://www.elbphilharmonie.de/de/

開場の記念切手です(10枚1シートの最後の1枚が残っていました)。

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エルプフィルハルモニーは現在、ハンブルクのラントマークになっていますが、建設コストが爆発的に膨らみ、工期も遅れ、大スキャンダルとなりました。日本関係の絡みもあります。これらについては後日あらためて書きたいと思います。

コンサートは、ハンブルク州立フィルの第10回定期でした(2019年6月23日、指揮:ハンブルク州立オペラ音楽総監督兼ハンブルク州立フィル主席指揮者シェフのケント・ナガノ)でした。ハンブルク州立フィルはオペラのピットに入りますが、こうしてシンフォニーコンサートも開きます。

プログラムはメシアン≪世の終わりのための四重奏曲≫とブルックナー≪交響曲第9番≫でした(内容については『音楽の友』2019年9月号に掲載)。
https://www.staatsorchester-hamburg.de/

コンサート開始前のホール内部です。

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ホールはフォワイエもモダンでスッキリ、スタイリッシュで「ハンブルクらしい」と思いました。コンサートの後、楽屋にケント・ナガノを訪れたのですが、バック・ステージも広く明るく、とても素敵でした。

高校時代の同級生2人と一緒に、翌6月24日、北ドイツのフーズム(Husum)に向かいました。フーズムの場所はこの赤印です。

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なぜフーズムかというと、ドイツの詩的リアリズム作家テオドール・シュトルム(Theodor Storm、1817~1888)の出生地だからです。文学元少女としては以前から行ってみたい場所のひとつでした。

フーズム市内の公園に立つ、シュトルムの胸像。
シュトルムは法律家でしたが、音楽への造詣も深く、ピアノも弾きました。

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シュトルムの生家。現在は宝石・アクセサリー店になっています。

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これは宿泊したホテルですが、前世紀後半までギムナジウム(中学・高校)として使われていたそうです。ホテルの名前もそのまま Hotel Altes Gymnasium Husum (フーズム旧ギムナジウム・ホテル)と言います。シュトルムもここで学びました。

ホテル内のレストランは『Eucken』と言い、ノーベル文学賞受賞者のドイツ人作家ルドルフ・オイケン(Rudolf Eucken)にちなんで名づけられています。オイケンはこのギムナジウムで教鞭をとっていたことがあります。

食事の味は洗練されていて、とても美味しかった!

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シュトルムの作品は《みずうみ》(Immensee)、そして遺作となった《白馬の騎手》(Der Schimmelreiter)が有名です。私個人としては《水に墜つ》(Aquis submersus)がもっとも好きな作品です。
《白馬の騎手》のテーマとなった堤防を思い、海岸まで行きました。

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友人たちと、高校時代のたわいない話をしながら、長く続く道を歩きました。

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FOTO: すべて©Kishi

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