見出し画像

「ただいま」だけが言えなくて

朝、家を出るときは必ず

ヘルパーさんに向かって「いってきまーす」と言う。


あ、私のことを初めて知る方や「きみの初期設定なんか忘れたわー」という方は、よかったらプロフィールをご覧ください😅


朝のヘルパーさんは今のとこ3人の交代制かな。

「いってらっしゃい」
「いってらっしゃいませ」

挨拶は人それぞれ。

もちろん、朝の介助の「ありがとうございました」のお礼の言葉もかける。

それは、私の中で自然と出てくる言葉なのだ。


でも、帰りは少し、不自然になってしまう。

アパートへ帰宅すると、エントランスでヘルパーさんが待機してくれている。

それを見かけたところで「こんにちはー」と、私から挨拶をする。

「こんにちは」と返事してくれるヘルパーさんもいれば
「おかえりなさい」と言ってくれるヘルパーさんもいる。


「おかえりなさい」か・・・。


家族でもない人に「ただいま」って言うの、なんか違和感あるな。

という思考がつい頭をよぎり「ただいま」と言葉にすることができないのだ。


いやいや、ちょっと待てw

あんた、朝はフツーに「行ってきます」ゆぅてるやん。

なんで「ただいま」だけ違うってなるねん。


それは多分、昔むかし、はるーか昔の、嫌な記憶が原因なのだろう。


父は昔、時折気性が荒くなることがあり、私たち兄妹が子供のころ、母は何度か家出をしたことがあった。

家出をしても一晩経てば帰ってきていたのだが、私が高校2年か3年生のころ、とうとう私と兄を連れてガチ離婚の覚悟で家出をした。


父は家出先までやってきて、親族付き添いのもと冷静な話し合いの結果、母は私と兄と共に家へ戻ることとなった。

その話し合いの中で、父は家出する直前までの母や私たち家族の行動として許せなかったことを話した。

家に帰ってきても「おかえりなさい」と言われず、無視されたのが許せなかった。

確かに母も兄も私も「おかえりなさい」なんて言わなかった。

私からしたら「あんなギスギスしてて、フツー言う?」っていうぐらいの、ギスギス具合だったんだから。

でも、それが許せなかったらしい。


という経緯で、家に戻った私たちは、父からの願いで何故か、玄関から部屋に入って帰宅した(テイの)父を「おかえりなさい」とお迎えする動作を何度もさせられる罰(?)を受けるという事態に・・・。


まじクレイジーだわ、父。


それ以来、私は他人に父を説明する時はいつも「私の父は人格破綻者です」と言うようになった。

それ以来だったかどうかは実のところ定かではありませんが、そうやって説明しているのは本当です(笑)


そんなこんなで「ただいま」「おかえりなさい」にちょっとしたトラウマを抱えるようになった私。

挨拶にトラウマを抱えるって、人生けっこう損してる感あるよね・・・。


あれからもう、二十年以上の時がたった。


ある夕方、いつも親切で丁寧で、私が絶大な信頼をおいているヘルパーさんからふと「おかえりなさーい」と言われた。

すると私ったら、なんと。


「ただいまでーす♪」と、自然に言っているではありませんか!!

自分でもビックリして、一瞬その場で立ち止まり、心の中で「あれ?」とつぶやきながら首を横に傾けてしまいました・・・。


「ただいま」「おかえり」のトラウマが全くないワケではないんだろうけど

要は、私が相手のことを好きか嫌いかの問題だけなのかもしれない・・・(笑)


そんなオチのお話しでした😅



――― た だ い ま 。

noteに帰ってきちゃいました。

また続けられるかな?

毎日更新は難しいと思いますが、肩のチカラを抜いてゆる~く楽しく、書き綴れたらと思っています。


音声配信は絶賛継続中!

良かったら聞いてみて下さいね😊

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?