言葉のない1才児のサイン
今となっては振り返って書くことになっているが、2021年に入ってから恐れていたことが度々起こった。
それはコロナでの”保育園休園”。
ワーキングマザー痛恨の保育園休園。
最近風邪をひくこともめっきり少なくなった息子を100%預けられると思ってギッチリのアポイントを入れてしまっていた私は、息子を連れて実家へ駆け込んだ。(もちろん陰性を確認した上で)
とはいえ日中は両親も仕事のため息子の面倒をみるのは80代の私の祖父母。
2人いたって2歳間近のヤンチャ坊主ははっきり言って手強い。力も強いし逃げ足も早い。そして祖父母宅には最後の頼みの綱、Youtubeもない。
初日は、11:30に眠くなってしまった息子が大泣きで「ママ〜」と泣き叫びちょっと抱っこしただけでころっと寝た。
午後は母にも協力してもらいながら仕事をする。息子はすぐに家のどこかにいるパソコンに向き合う私を見つけては、ママ〜と邪魔しに飛んできてはまた母に連れ戻されての連続。
ある時から息子が私の髪の毛を引っ張るようになった。
最初は悪ふざけだと思って、「髪の毛引っ張られたら痛いでしょ!」ってこっぴどく叱った。息子は涙がポロポロと、ごめんなさいの様子。
そんなことが何度か続いた。
でも、あまりに言っても言ってもやめない。そういう時期だよねって諦めていた私にふと1つの仮説が過ぎる。「待てよ?」と思って彼の立場になってみる。そしてそのフワッとした予想は確信へと変わった。
なんだ。ずっと寂しかったんだ・・・!
何故なら髪を引っ張ってくるのはいつだって私がスマホを触っていた時だからだ。
ちょっと隙間で仕事のチャットを返信したり、内容の確認をしたり、そんなことをしているときにこそやつは思いっきり私の髪を引っ張る。
ただでさえ慣れない場所なのに、周りの人に十分に意思を汲み取ってもらえず、彼は彼なりに私が仕事を終えるまでの時間を堪えて待ってたんだと思う。言葉がなくたって、伝えようとしてたんだ。
ああ、ママはそんなことにも気づけなくて。本当にごめんね。
ぎゅーっと息子を抱きしめる。育児はこんなことの連続だ。どれだけ忙しくても、他にしなくてはいけないことがあったとしても、サインを見逃さないようにしようと思った。