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中学受験を「しない」理由

 来年5年生になるムスコくんは、中学受験はせずに、地元の公立中学校へ進学する予定です。

 ちなみに母であるワタシは、私立中高一貫女子校の出身者。愉しい中学&高校生活を過ごし、今も仲良くしているいい友達にたくさん出会えたので、受験をさせてくれた両親には感謝をしています。

 ということで、どちらかと言えば中学受験肯定派なのですが、どうしてムスコくんには受験させないの?という理由を書いてみたいと思います。

☆我が家の状況はこんな感じ 

 前述の通り、ハハは中高一貫校出身、そして夫くんは公立中&私立高校の出身者です。

 ムスコ君の通う小学校では、毎年20%くらいが私立などに進学しているようです。公立の中高一貫校も通学圏内にあり、それ専用の塾も駅前にいくつかあります。

 つまり、中学受験生は少数派だけど、別に珍しくもない、という存在。


 家庭的にも、地域的にも、見事に「中学受験してもしなくても、どっちもアリじゃない?」という状況。


 どーしたものかなあ、と3年生の冬には一応悩みました。




☆理由1:遅咲きタイプ?のムスコくんの性格

 受験をしない一番の理由は、ムスコくんを育てている実感として「あんまり中学受験に向いてなさそう」と思ったから。

 主に学力&性格のお話。ハハの勘です。

 世の中、1を聞いて10を知るような「とにかく賢い子」というのは存在するものです。

 同じ公文に通っていても、あっという間に英検を取ってしまう同級生もいるわけですが、ムスコくんはどうもそういうタイプではありません。


 たとえば家で応用問題を「わかんなーい」と持ってきて、ハハとしてヒントを5つ用意したとします。

 ひとつめのヒントで「・・・?」、ふたつめのヒントでも「えー・・・?」。ムスコくんが「わかったっ!」と言ってくれるのは、4つめか5つめのヒントを出したとき。

 ほとんどもう答えじゃん、という段階ですね。ま、そういう感じのコです。


 ひとりっ子長男の時期が長かった環境もあるのか、どことなく性格も「のび太」っぽい。

 1歳差兄妹の妹としてガツガツと育ったワタシ(ハハ)とは違い、のんびりおおらかです。


 いえいえ、決してムスコくんを「ダメな奴」と思っているワケではなく。


 学力面でいえば、学校の授業は、とくに問題なく理解できている様子。

 苦手だった漢字も、コツコツと毎週の小テストをがんばった結果、今は得意になってきました。

 ヒント満載で解いた応用問題も、最終的には理解できます。


 性格も、サッカーはすごーくがんばっているし、本を読むのも好きだし。

 公園に行けば誰かしら友達がいて、男の子とも女の子ともワキャワキャ遊んでいます。のび太タイプゆえに、ジャイアンともしずかちゃんとも自然体で仲良くできるようです。


 そう。親ばかですが、ムスコくんは、と〜ってもいい子です。


 でもねえ。受験勉強となったら、どうだろう? 

 おそらく今は「とにかく賢い子」たちに、スタートラインも、その後の努力も全然かなわないのでは?

 そうなると、過程も結果も、ちょっと苦しい経験になるかも。

 そんな予感が、ハハとしてはするのでした。



☆理由2:サッカーパラダイスなムスコくんの環境

 受験をしない理由の2番目は、ムスコくんが充実した小学校ライフを送っている、と思ったから。


 父子ともに少年サッカーチームにすっかりハマり、土日はサッカー。平日も公園でサッカー。なんなら習い事でも週1でサッカー・・・というのが、ムスコくんの日常です。

 「めざせ市内ベスト4!」が目標の地元密着型チームなので、プロを目指すとかそういうレベルではありませんが、お友達やコーチと熱心に練習しています。


 こんなに楽しそうに過ごしている中、「サッカーやめて中学受験しない?」と提案しても、聞いてくれるかどうか。

 よほど上手に誘導しないと、「ヤダ」とあっさり言われそう。


 ちなみに、もう30年以上前の話になりますが、ハハ(ワタシ)は4年生ぐらいから、小学校生活があまり楽しくなくなっていました。


 クラスの女子たちがなぜか派閥を作りはじめ、側近ぽい子が「どっちのグループに入るの」と聞いてくるのが恐怖でした。ジャニーズで誰が好き?という話題も苦手で、なんとなーく教室で孤立していったような。

 そんな時、兄の後ろを追いかける形で中学受験の勉強をスタート。学区外の塾に通い、学校では習わない勉強に打ち込むのは、面倒な女子トーク(感じ悪いですね)から逃れるためには絶好の口実でした。

 受験塾には、今まで見たこともなかった超絶アタマの良い子、超絶お金持ちっぽい子、その他よくわからない変人もいて、なかなかユニークな雰囲気。

 世界は広いな〜と感心し、「小学校があんまり楽しくない問題」を、ウヤムヤにやり過ごすことができたのでした。


 話がだいぶ逸れましたが、もしムスコくんもワタシと同じように小学校で居心地の悪さを感じていたなら、受験を勧めたかも、と思います。


 しかし、現状はサッカーパラダイス満喫中のムスコくんです。

 ハハに似て体格も運動神経も恵まれてはいないのですが、がんばって練習を重ねて、自分のポジションを得ています。

 この楽園を離脱させてまで、あまり向いてなさそうな中学受験に方向転換させることはないかな、と思ったのでした。



☆その他の理由:お金とか夫くんの意見とか

 以上2点が、中学受験をしない主な理由です。


 理由は、まだあります。

 そもそも夫くんが「地元の高校で十分だろ」という意見であること。

 経済的負担が大きすぎる!ということ。複数の経験者によると、「6年生の塾代は年140万ってことになってるけど、実際はみんなもっと・・・」という怖い話。毎月10万でも全然足りないなんて、一体どうなってるのさ、と思います。

 30年前よりもずいぶん受験戦争は長期化&激化しているようで、親子で丸3年がんばることに怖じ気付いたのも、正直なところです。


 希望を込めて言えば、ムスコくんの学力は「遅咲き」のタイプなのかも?

 ムリをして中学受験をするよりも、高校受験で本気を出す(?)ことに期待してみようかな、という結論に至りました。

 3年後、「めざせ市内ベスト4チーム!」のノリで、がんばってくれたらいいんだけどねえ。


 この判断が「正しい」かどうか、自信はありませんが、今の時点では、こんなことを考えたのでした。

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