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派遣社員が、会社から60万円を取り返したお話2

 退職間際の派遣会社担当社員、Aさんと来年度の契約を結ぶにあたり、「知りたいですか?」という意味深な言葉とともに、「労働者派遣法第30条の4第1項の規定に基づく労使協定」を手渡された、その続きです。

☆「労働者派遣法第30条の4第1項の規定に基づく労使協定」を読んでみる

 Aさんの退職宣言にびっくりしつつ帰宅し、改めて、手渡された「労働者派遣法第30条の4第1項の規定に基づく労使協定」を家でじっくり読んでみました。

 どうやら、会社側と派遣労働者側の協定らしい。

 で。いろいろと書いてある中で、肝心な「賃金の決定方法など」のところですが、
 「対象従業員の基本給の比較対象となる『同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額』は、別表1のとおりとする。」と、書いてある・・・。

 むむ。『別表1』、超重要じゃん。

☆「見せられるわけないでしょ!」と怒鳴られる

 さて、数日後。ザ・年度末の3月31日。Aさんのご退職を見送る日です。
 同じ派遣職で働いている同僚Pちゃんと話し合い、お世話になったAさんにお餞別としてお茶セットを買ってありました。

 職場に来られたとき、ご挨拶モードになる前に『別表1』の件をお願いすれば良し、と思っていたので、部屋の入り口にAさんが姿を表したタイミングで、スッと近寄りました。

 「Aさん!今日じゃなくて全然いいんですけど、例の『別表1』、今度見せてください」と、お願いしたところ、

 「見せられるわけないじゃないですか!」と、いきなり怒られました。

 怒ったというか、怒鳴った・・・?

 怒ったのはAさんではなく、Aさんの隣にいた、後任の派遣会社担当社員Bさんです。

 わりと大きな声だったので、ワタシもびっくりしましたが、何よりも後方で普通に仕事をしていた〇×市広報課の職員の皆さんも「???」と、こちらを見ている・・・。

 何かワタシ、地雷を踏んだみたい?(←後日、まさに地雷だったことが判明)
 ていうか、『別表1』なんていう意味不明なワードを一瞬で理解できるのもすごいな・・・。

 この凍り付いた場をどうすれば良いんだろう・・・と、困惑していると、Aさんが後任のBさんに、「見せられないってことは、ないから!」と説得をしていました。

 *  *  *  *  *  *  *

 で、なんとなくギクシャクした雰囲気のまま、我々はAさんにお茶セットをお渡しし、「今まで、おつかれさまでした」とお別れのご挨拶をしました。

 職場の方にも、同僚のPちゃんにも「さっき、何があったんですか?」と聞かれましたが、「いや、わかんないです。なんかスミマセン」と、答えるのみで、この日は終了です。

 その3に続きます。

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