仕事と私:5
追記:慌てて投稿したんだったかなあ…気になったところ推敲しました。大きな内容の訂正はありません。
第一子である長女が1歳を過ぎたころ、少しずつ仕事を探し始めた。以前より少し田舎に引っ越していたため、当時派遣で条件に合った仕事はなく、求人広告を眺めたり、ネットで検索したりしていると、いつの間にか日が経っていた。多少条件を妥協せざるを得ない状況の中、無事ハローワークで紹介された建築関係の事務所にパートとして勤め始めた。また、子供の預け先にも頭を悩ませていたが、翌春には保育園に入園させることができた。自宅からは近いとは言えない第8希望の園だったものの、職場からかなり近い場所だった。
ハウスメーカーから依頼を受け建具や木材を出荷し、それを作業する職人を雇う会社だった。基本的なデスクワークの他に、納品や出荷準備でときどき重い荷物を運ぶこともあり、正直、1年続けても興味の湧く仕事ではなかった。PCを使った作業は好きだったが、出荷物を用意する担当に回す指示書、職人が持ち出すB4の間取り図などなど、紙の書類を使うこと扱うことも多く、その作業は苦手に感じていた。特に、大量に積まれた印刷物から目的のものを探し出すのは、私にとって苦痛だった。PCなら検索機能を使ってすぐに見つけられるのに、といつも思っていた。
そんな中、第二子を妊娠した。小さな会社だったので産休・育休の制度がなく、一人しかいない総務担当の方が懸命に動いてくれて、5か月程度の最低限の育休までを取得することができた。一般的には短いほうだと思うが、前例がない中対応するのは骨の折れることだったと思うので、本当に感謝している。育休明けは1年間辞めないことが条件だと口頭で告げられたとき、法律的にその義務はないはず…と頭によぎったが、労力を尽くしてくれた総務担当の方の為に、辞めるわけにはいかないな、と思った。
前職は食品関係だったので私物の持ち込みが禁じられていたが、この職場では好きな文房具を揃えてデスク周りを豊かにすることができた。頻繁に使うペンなどは会社の消耗品を使っていたけれど。ポケットのたくさんついた大きめのペン立てや、持ち歩き用のカッター、可愛らしいデザインかつ使いやすい指サックなど、事務用品を買い集めるのがちょっとした趣味になった。効率化を目指す便利なもの、見た目でテンションが上がるもの、それらがそこで働くモチベーションになっていた。
2020年、コロナ禍に入り、緊急事態宣言で現場はストップし受注が大幅に減って、出勤してもやることがない、という状況になった。会社側からは、受注数が増えるまで自宅で待機期間を過ごしてもらえばいいという体の打診があったが、先の見えない状況で収入のない生活を続けるのは不安だったこともあり、自主退職した。
このあたりで、私は社会人として「販売業」と「事務職」、同じくらいの年数を経験した。立ち仕事は足の裏にタコができたが、座り仕事は腰を痛めた。シフト制で平日に休みがあると、出掛け先が空いていて快適だったが、友達との予定が合わせ辛い。土日休みだと、毎週末子供たちと過ごせるが、役所や病院に行くタイミングがない。メリット・デメリットはそれぞれあることを実感した上で、私はどちらの仕事が好きなのか、私にはどちらの業種が合っているのか。30歳を過ぎ、仕事との向き合い方について、今一度よく考えるべきだと思い始めた。