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リフレッシュ破産 #ポケットエッセイ vol.8

東日本大震災で取引先を失い経営していた会社は二重ローンになった。

生活は破綻し、創業者のメンツだけで整理やけじめをつけることなく父は事業の継続を図った。

小松左京のSF小説「地には平和を」が頭をよぎる。

第二次世界大戦、日本はポツダム宣言を受け入れ、無条件降伏し、戦後復興して日常を取り戻した。

小説では原爆を落とされても空襲で焼け野原になってもポツダム宣言を受け入れず、本土決戦に突き進むというパラレルな世界が展開される。

そこには大義名分がむなしい疑心暗鬼の世界が描かれる。

私の生活も多重債務で疑心暗鬼になり、持病の統合失調症が悪化し障害も抱えることになった。

中小企業や個人事業は会社そのものが経営者の人柄だったり人生そのものだからやみくもに潰せない。

今日のコロナで大打撃を受けている飲食店や農家や観光業には中小個人事業主が多い。

多重債務で日常生活もままならないメンタルでどうやって「おもてなし」をすればいいのか?

メンツだけで再起を図れるものではない。

悔しさを実りあるものにするには深呼吸するように破産するのもひとつの道ではないか?

父は偏狭になり表情がなくなった。
もう何年も会っていない。
どこで何をしているのかもわからない。

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