見出し画像

BASEのデザイナー評価と新たな「シニアデザイナー」への期待

こんにちは。BASEのDesign Section マネージャーの小山です。
2023年が始まったかと思えばもう1月も終わろうとしていますね…
今回はBASEのデザイナー評価の方法と2022年下期に新設した「シニアデザイナー」ロールについてをまとめていきたいと思います。

BASEの評価制度について

BASEでは全社的に評価グレード制を導入しており、2020年から運用をしています。評価グレード制に至るまでの過程については、EVP of Developmentのえふしん(@fshin2000)さんが過去に書いた記事がわかりやすくまとまっています。

一般にマネージャに給与の提案権限を移譲するにあたって、評価クオリティを維持し、評価への納得感と事業成長を実現するための取り組みとして導入されるものが評価制度や等級制度ということになります。


デザイナーの評価

現在、デザイン組織では全社的なグレード定義をデザイナー向けに落とし込んだデザイナー用グレード定義と専門分野に分けたスキル指標を運用しています。

デザイナー用のグレード定義

全社的に定義されたグレード表は、さまざまな職種に対応したものになっており、抽象度が高くてデザイナーが具体的に何をどこまでを期待されているのかが掴みにくいものになっていました。
評価グレード制導入当時は、デザインマネージャー間で共通認識を持つために、全社のグレード定義をもとに簡易的に作成したデザイナー用のグレード定義を定期的に見直しながら運用をしていましたが、メンバーへの公開はしていませんでした。
しかし、メンバーは口頭で説明されただけでは後から見返すことが難しかったり、自分より上のグレードの詳細がわからないことで自分のキャリアを考えたり昇給をイメージしにくいという課題感がありました。

そこで、改めて全社のグレード定義をデザイナー用に落とし込み、メンバーへ公開することを前提とした言語化を行い、それからは評価作成時や評価フィードバック、日々の1on1の中で活用しています。

デザイナー用のグレード定義(全社グレード定義と併用して利用)  

評価グレードは、 A1・A2・Ex1・Ex2・Ex3・Ex4の6段階 に分類されます。 (※ A = Associate、Ex = Expert)

新卒やキャリアが浅い人はA1から始まって、グレードが上がっていけばいくほど、サービスや会社に対する影響範囲は広く、未来を見据えた課題解決や課題設定力に対する期待が設定されています。

スキル指標

「デザイナー」と一言でいっても、BASEの中にはいろいろな専門分野に分かれたデザイナーが所属しています。例えばUIUXデザイナーとグラフィックデザイナーでは同じグレードであっても、求められる専門スキルは変わってきます。
それぞれの職能ごとにどんなスキルが求められているかを定義することで、得意な部分 / 苦手な部分を分析しやすくなり、マネージャーが評価やフィードバックをしやすくなるだけでなく、メンバーが自己評価をする時の指標としても活用することができるようになります。

またスキル指標では、デザイナーとしての専門スキル(ハードスキル)だけでなく、デザイナー共通でコミュニケーション能力などのソフトスキルも定義しています。特にグレードが上がっていくとハードスキルだけでなく、ソフトスキルを掛け合わせた活躍を期待されることが多くなるので、とても重要な指標となっています。

デザイナーのスキル指標


評価時期に合わせて実施していること

デザイン組織では、評価時期に合わせて「多面フィードバック」というものも実施しています。
「360度評価」や「多面評価」と呼ばれることが多いですが、BASEのデザイン組織では評価に直結するものではないので、あえて「評価」ではなく「フィードバック」という言葉を使っています。

この多面フィードバックは、上長マネージャー以外の普段一緒に仕事をしている仲間からフィードバックをもらうことができるものです。
マネージャーの場合は所属メンバー全員、メンバーの場合はフィードバックを書いてもらう人を2名程度自分で選んでGoogle Formのアンケートを書いてもらいます。(回答は匿名で回収)

アンケート内容は「一緒に仕事をして良かったこと」「チームにどんな良い影響を与えていたか」「もっとこうなったら素晴らしいデザイナー / マネージャーになると思うこと」などの質問項目があります。(多面フィードバックでは意図的にポジティブなフィードバックが生まれやすいアンケート設計をしています。)

フィードバック内容はマネージャーも確認し、マネージャーからメンバーへ共有をしています。
マネージャー目線ではなかなか見れなかった現場の細かな気遣いやメンバーの信頼関係を見ることができるので、評価に直結はしないですが参考にしています。

新たなロールの新設

2022年下期、新たに「シニアデザイナー」というロールを新設しました。
今回新たなロールの新設にあたり、「シニアデザイナー」と「リードデザイナー」の役割や期待をそれぞれ言語化し、全社の正式なロールとして導入しました。

ロールを新設・再定義した目的は、専門職のキャリアパスを明確にしてキャリア開発や自己成長を促進することと、専門性の高さをロールで示してシニア/リードがプロジェクトや特定領域での影響力を発揮しやすくすることです。

専門職のキャリアパスを明確にしてキャリア開発や自己成長を促進する

デザイナーがスペシャリストとしてキャリアを考えた時に、最初に目標とするのが「リードデザイナー」だとどうしても遠い存在になってしまうという課題感から、デザイナーがステップを踏みながらキャリアを伸ばしていけるように「シニアデザイナー」というステップを増やしました。
前よりも身近な目標が設定できるようになることで、メンバーが自分のキャリアパスをイメージしやすくなり、成長のモチベーションが高くなることを狙っています。

専門性の高さをロールで示してシニア / リードがプロジェクトや特定領域での影響力を発揮しやすくすること

今回ロールを新たに定義するだけでなく、「シニア」ロールが会社として正式に導入され、肩書きとして正式に名乗ることができるようにHRに掛け合って協力をしてもらいました。
余談ですが、エンジニアはひと足先に「シニアエンジニア」を導入しており、エンジニアとデザイナーのシニアの定義に違いがあったので、会社として職種ごとに定義がブレないようにHRの人に入ってもらいながらエンジニアとデザイナーで協議しながら進めました。

ミドルレベルまでのデザイナーであれば個人のパフォーマンスを最大限発揮することが求められますが、シニアデザイナーやリードデザイナーは自分のパフォーマンスを発揮するだけでなく、チームに対して影響力を持ち、チームとしてのパフォーマンスを上げていくことが求められます。なので、組織として誰がシニアデザイナーであるかがチームメンバーからわかる状態になるということは重要なポイントでした。

シニアデザイナー / リードデザイナーへの期待

シニアデザイナーやリードデザイナーに関わらず、デザイナーとしてグレードが上がっていくと、よりその分野での知識・経験を活かした課題解決や価値提供が求められます。さらに、知見を活かして他のデザイナーを指導し、能力の改善・開発に対して影響を与えられるかということも重視しています。

加えて、シニアデザイナーには事業方針や中長期計画を理解した上で特定の領域に対して将来的な理想と最適な姿を定義し、実現フローの提案とチャレンジを期待しています。
リードデザイナーにはシニアデザイナーよりも広い領域と中期的なビジョンを作り、実現していく力を期待しています。

最後に

デザイナーがひとりひとりが成長していくことは、デザイン組織が成長していくことに繋がります。逆を言えば、デザイン組織が成長するためにはデザイナーひとりひとりを成長させていくことがとても重要です。メンバーの育成や成長を促す仕組み作りはマネージャーにとっての重要なミッションのひとつだと私は考えています。

今回紹介したグレード定義もスキル指標もメンバーと一緒に運用を始めたのは最近になってからなので、マネージャーとメンバーで共通認識を持つための言葉選びやチューニングはまだまだ必要です。作って終わりではなく、改善を続けて磨いていきます。

これからもデザイナーが成長して活躍し続けていくために、マネージャーとしていろいろな角度から組織を見直し、取り組んでいきたいと思います。


最後に、BASEでは一緒に働くデザイナーを募集しています。この記事を読んでBASEのデザイン組織に興味持っていただける方がいましたら、カジュアル面談も実施していますのでぜひご連絡ください。


いいなと思ったら応援しよう!