見出し画像

オーストラリアで考えた! 日本の飲食業、サービス業の未来

2019年7月――僕はベトナム、そしてオーストラリアを旅し、見聞を広めながらビジネスについて思索を重ねてきました。

平均年齢31歳の国・ベトナムで思ったこと

ベトナムで想ったことは前回まとめましたが、今回は「オーストラリアで考えたこと」について書いてみたいと思います。

まずは……何より、日本人は働きすぎだよ! ということ(笑)。

オーストラリアには「Casual Friday」という言葉というか、文化があります。
その名の通り、ふだんはスーツで仕事をしている会社員もカジュアルな装いをして仕事をして、それで午後3時ぐらいには終業してしまう。
あとは、そのカジュアルな装いのまま飲みに出かけて、週末のオフタイムに続くのです。

働く時は一生懸命働く。
そして、オフタイムはしっかりと楽しむ。

この考えが、文化として定着していることが分かります。

僕自身、「働き方改革」という言葉はあまり好きではありません。働き方は改革するべきものではなく、日頃の取り組みとして会社や経営者が地道に行っていくべきものだと思っているからです。

しかし、です。

働く時は一生懸命働く。
そして、オフタイムはしっかりと楽しむ。

これは飲食店として意識し、取り入れていくべきものだと感じました。

エンジョイラーメン!
エンジョイワーク! を考えるために


僕個人としても、会社としても、
そしてラーメン業界、飲食業界としても、
楽しく働いていきたい――それが素直な本音なんです。

ただ、それをメッセージとして掲げるだけではなく、実際の取り組みとして行っていくためには、一体どうしたらいいでしょうか。

お客様をふくめて、日本人全体のマインドが変わっていかなければ難しいのではないか、とも感じています。

Casual Fridayのように就業時間をフリーダムなかたちで考えていくなら、店舗の営業時間は減りますし、スタッフの労働時間も減る。それで店が回っていく売価にしなければ、店舗側も存続することはできません。

だから当然、オーストラリアの物価は「高め」です。かたや日本はというと、外食産業も小売産業も、すべてデフレの圧力があります。コンビニやスーパーに行けば、100円前後のカップ麺がプライベートブランドで売っています。ドリンクも、スナックもそう。

街を歩いても、安く食べられるファストフードに事欠きません。長年にわたって「低価格・高品質」の流れできているから、昔と違ってどれもそこそこの味で食べられる。

だけど、ラーメンをはじめ、きちんと丁寧に作っている良いものも、低価格でしか売れない。そんな国でいいのでしょうか。薄利多売で長労働時間で働く……もう、そんな時代ではありません。

お店のほうは商品もサービスも付加価値を高め、生産性を向上させる。しっかりした対価で良質の商品、サービスを提供する。

消費者の方も利便性ばかりを求めるのではなく、しっかりとした対価で良質の商品、サービスを受ける。

そんなサイクルが回っていけば、僕がオーストラリアで満喫したような、ゆとりのあるサービス、ゆとりのあるお店の楽しみ方ができるのではないでしょうか。

エンジョイラーメン!
エンジョイワーク!

これらを合言葉にしなければ、日本のラーメン業界、飲食やサービス業はだめになっていくのではないでしょうか。

オーストラリアでは、タクシーの運転手も、道をゆく人たちも、みんなフレンドリー。にこやかなスマイルがありました。すれ違う時、後から来る人のためにドアを押さえておいてあげる時、目と目で通じ合う、アイコンタクトがありました。

マニュアルにそったおもてなしがしっかりできていても、こういった何気ないところでのやさしさ、目配りがなければ、そこにはどこかあわただしい、バタバタしたサービスしかないように思います。

もちろん、オーストラリアもいいことばかりではないでしょう。彼らなりに、いろいろな問題を抱えているはずです。僕も決して欧米を理想の姿として、日本をディスりたいわけではありません。

しかし、ベトナムでは若々しい活気に驚かされましたし、オーストラリアでは成熟した大人のような、ゆったりとした文化を感じることができました。

今の日本は、そのどちらでもありません。だからこそ、若い国からも、成熟した国からも、どこか学ぶべきところ、参考にすべき点、活用すべきヒントが見つけられるのではないか、と感じています。

僕自身、この7月の海外視察で、大きな気づきを得ることができました。

これまで一生懸命、気合を入れて仕事に励んできました。集中しながら、時にはピリピリとした印象を醸し出していたことがあったかもしれません。

おいしいラーメンを出すことも、お客様を待たせないようスピーディーにラーメンを提供することも、もちろん大事です。

だけど、楽しみながらラーメンを作り、その一杯をお客さんに楽しんでいただく。その関係性ができていた時、お客様もスタッフも、そして自分も――心地よく、いい空気で過ごせているのも確かです。

エンジョイラーメン!
エンジョイワーク!

これからのSORANOIROにとってのキーワードが見つかりました!


いいなと思ったら応援しよう!