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柊 有花さんの手を借りる 2

だいぶお久し振りになってしまいました。

すっかり春の陽気ですね。

前回の続きを書きたいと思います。

今日の写真は、先月見に行った皆川明さんの展示会、

「つづく」の模様です。

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なぜここで「つづく」の写真が出てくるのかと言うと、

これからやりたいと思っていること、

こんなふうに生きたいと思う生き方が、そこにあったからです。

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「つづく」それは、

「時間的な継続性、さらにはつながる、連なる、手を組む、循環するなど、モノや人が連鎖し何かを生み出していく生成のエネルギーを想起させる言葉」

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「物作りの過程には、互いの喜びや尊厳や感謝のように、感情という見えない熱量が含まれている。」

「それらは使い手自身の日々の暮らしの喜びや幸福感に変換し記憶へとつながっていく。その記憶はやがてまた想像の種となって社会に蒔かれた新たなものへと続いていく。」

「思考と物と記憶の循環、或いは作り手と使い手の喜びの循環」

「思考と生活と物質」

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吉田写真館、吉田製作所は町の営業写真館です。

今まで、セットを作るときには、「セットはあくまでも脇役」ということを頭に置いていました。

主役はもちろん、お客様だからです。

素敵なセットでありながら、被写体であるお客様より目立ちすぎないように。

うまく溶け込んで、良い引き立て役になるように。

私はもともと裏方思考なので、それはとても楽しくできます。

でも、前回書いたように、もう少し踏み込んだことがしたいな、という気持ちもありました。

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どこに踏み込むのかと言うと、

誰かの「こうゆうのが好き!」と言う気持ち。

生活の中の、少し特別な喜び。

ほんの少しだけ、未来が広がるような。

そんなこと。

もちろん、お子さんや家族の写真はそれだけでとても威力のある宝物だと思いますが、まだまだもっと可能性を秘めていて、写真にできることがあるんじゃないかな。と思っています。

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私自身が、好きになると一直線!

みたいなところがあって

映画とか、音楽とか小説とか、心を鷲掴みにされて、「ぬおお、、、」と悶えるようなことが、けっこうあるのですが

そんな私が田舎の写真館にお嫁に来て

なんていうんでしょう、、

まず、「自分を出しすぎずに」と思いながら作って来たセットでも、やっぱり「好きなもの」を選んで「好きな感じ」には作って来て

すると、当然といえば当然なのですが、好みが似ているお客様がたくさん来てくださるのですね。

それがとても嬉しくて。

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写真館はたくさんあって、みんな頑張っていてそれぞれの良さがあって

最近はフリーのフォトグラファーさんも増えて

カメラの性能はぐんぐん良くなって

スマートフォンのカメラでさえも、とても綺麗に撮れる時代。

だから、もう、うちはうちで好きなことを思いっきりやっていいんじゃないかな。

と思ったんです。

「おもいっきり好き」

を全力でやったとき、それを思いっきり好きになってくれる人がいたら、嬉しいなって。

「我を出す」感があって、自己満かな、って躊躇する気持ちがどこかにあったけど

皆川さんの

「作り手と使い手の喜びの循環」

という言葉を見た時、「あぁ、それだ!」

って思いました。

自分にはできないことを他の誰かにお願いすることで、飛び越えてしまえる壁があり、広がる世界があり、未知の可能性があって

それでまず声をかけさせていただいたのが、柊さんで

今、喜びとか、感謝とか、尊厳とか、そうゆうものが確かに生まれているのを実感しています。

そんなことが、お客様の幸せや喜びに循環していけたらいいなって。

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お客様には、難しいことは考えずに、日々そこにあるだけで、素敵で嬉しい。

ただただ、可愛くて嬉しい。

それだけを求めてもらえたらいいなと思います。

でもひとつ、「こうなったらいいな」と思うことがあって

それは、柊さんのイラストと一緒に写真に写る子供達に「誰かが心を込めて作ったもの」「素敵なもの、そしてそれを生業として生きている人がいること」を、身近に感じてもらえたらいいな。

そして、その写真が飾られて、日々それを見ながら生活をして

皆川さんの言葉をお借りすると

「それらは使い手自身の日々の暮らしの喜びや幸福感に変換し記憶へとつながっていく。その記憶はやがてまた想像の種となって社会に蒔かれた新たなものへと続いていく。」

という、未来につながる種まきのようなことになってくれたらいいな。

と思っています。

田舎は自然が美しいし、この町の人たちは明るくてやさしくてあたたかいし

食べ物も美味しいし、良いこともたくさんありますが

自分の生活の外にある素晴らしいものに出会う機会はやはりとても少ないです。

吉田写真館、吉田製作所が、素敵なものに出会える場になっていけたらいいな、と

密かに思っています。

もちろん、今まで通り「親しみやすい町の写真館」であり続けながら。





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