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流産した日のこと~稽留流産・自然排出~

"小さなお産"である流産の経験は、私にとって忘れられないとてもとても大切な経験となりました。現在ありがたいことに、まもなく出産を迎えるタイミングですが、この出来事で感じたことを出産前にまとめておきたく投稿させていただきます。

赤ちゃんのエコーアルバム

※こちらのnoteは"流産"についてのお話となります。現在妊娠中の方や、これから妊娠を望まれる方で、不安になられる方は閲覧にご注意いただきますようお願いいたします。

※症状や経過などは、私個人の状況ですのでご理解の上ご覧いただけますと幸いです。

※同じ状況の方の参考になるよう、出血などの状況についても文章で記載させていただきます(写真は記載していません)。苦手な方はご注意ください。



はじめに

日頃はピラティスインストラクターとして東京都内で活動しています。三田・田町エリアで「ママのためのピラティススタジオ hibi」という産前産後のママたちのためのピラティススタジオを運営しています(このnoteダイレクトの方もいらっしゃるかなぁと思い簡単に自己紹介!)。

このnoteは流産から4日後から書き始めました。少しづつ気持ちを整理しています。状況を知ってくれている人からは、無理しないようにと言われるものの、どのラインからが無理なのかがわからずに過ごして痛い目にあっています笑。

流産の悲しみは、家族や大切な人を失う悲しみと近いですが、周りには打ち明けづらいものです。まだ周りのほとんどの人には流産したことについて話せてはいませんが、いつかこのnoteを公開して同じように悩まれている方の参考になれば…と思い、私の経験を書いておくことにしました!私自身、この期間中に様々な方の体験談をnoteで読ませていただき参考になり、励まされました。

でも、私の状況と比較せず、あくまでも参考として、ご自身の身体と心に素直にすごしてくださいね!

初めての妊娠

2023年のある日。妊娠していることがわかりました。とってもうれしくて、幸せな気持ちになりました。毎日アプリを見ながら赤ちゃんを愛おしく感じていました。

妊娠初期の流産が多いことはもちろん知識として知っていましたが、まさか自分の身にこれから起こるなんて思ってもいませんでした。

小さなお産

流産当日、朝5時ごろに目が覚めて、昨日よりもお腹が痛くないような気がして(前々日の夜から茶おりがでて、前日は鮮血にかわり生理の多い日くらいの出血となっていました。)全て夢だったんじゃないか。そんなふうに考えていました。

お休みのところ、朝9時にかかりつけで診察していただきました。前の診察ではチカチカと拍動していた赤ちゃんが動いていなくて「今回は難しいね」と先生に静かに言われました。エコーを見て涙が溢れました。稽留流産といって赤ちゃんがお腹の中にいるまま、心臓が動かなくなっている状態でした。

先生が流産について「6人に1人の方が経験していて、みんなこれを乗り越えて出産してるから、頑張ろうね。」とお伝え下さり、深く胸に響きました。

絶望の底にいましたがこの言葉があったおかげで、一歩病院の外に出た時に幸せそうなご家族や妊婦さんを目にしても、この人たちも"乗り越えた人たちなのかもしれない"と思うことができて悲観的にならずにすみました。

また、初期の流産は受精のタイミングで決まっていて、ほとんどが胎児の染色体異常や遺伝子異常が原因で起こり、母体の行動の影響ではないことを教えてもらいました。これについてはもともと知識として知っていましたが、どうしてもどこかに原因をみつけたくなるものです。妊娠してからの行動を振り返ってしまっていたので助けられた言葉でした。

稽留流産の場合、手術を行うか自然排出を待つかのどちらかとなります。私の場合は稽留流産でしたが出血量が増えてきており、まだ週数的にも赤ちゃんが小さかったからか、赤ちゃんが自然に出てくるのを待つことになりました。手術と自然排出については、各々にメリットとデメリットがありますし、身体の状況や病院の意向などによって選択は変わると思います。なかには、どちらにするかを選択できる場合もあるようなので、もし渦中の方は怖くなければ(怖いと思いますが)事前に調べて病院にいけると不安な点について質問もできますし、安心かもしれません。

自然排出の流れ

12時ごろ、定期的にお腹の痛みがあり、5分間隔くらいでぎゅーっと痛くなっていることに気がつきました。14時ごろになると出血量が増えて夜用のナプキンにチェンジ。お腹用のカイロを下腹部と腰に服の上から貼っておきました。少し痛みが緩和されるような感じがしました。

17時半ごろ3分感覚くらいでお腹が痛くなってきました。陣痛の経験はもちろんなかったのですが、なんだか陣痛っぽいな。と感じました。後に調べてみると、進行流産では"陣痛様"の痛みが発生するようです。身体が痛みで緊張するような強い痛みでした。

それから1時間後の18:30ごろ、お腹の痛みが強まってきたなぁ…と思いつつ立って動いていたら、ドゥルンとレバー状の塊が出てきました。赤ちゃんかどうかわからず…いったん袋に入れて保管(他の経験者の方のブログを参考にそのようにしていました)。そのまま立って動いていたらまたドゥルンと今度は丸い形状のものが出たような感覚があり、これは赤ちゃんだなと見なくてもわかりました。大切に手にとって、保管。

引き続き子宮が元に戻ろうと収縮してるのか、お腹がギューっと痛くなりますが、出てくる前ほどではありませんでした。小さな出産が終わってホッとした。目で見て、手にとっておめでとうができてよかった。そう感じました。エコーで見た時には心臓は止まっていましたが、生まれてきてくれたこの日が命日だし、誕生日だよねと。大切な日となりました。

それから1時間くらい経過したあと、また子宮の内容物がでてきて、あまりにも大きかったので一瞬、子宮出てないよね(汗)と不安になりました笑。たぶん胎盤だったんだと思います。一応こちらも保管して病院に持って行くことにしました。まだ小さな赤ちゃんですが、こんなにも私の身体は赤ちゃんを守り、育てるために胎盤や胎嚢などをしっかりと準備をしていたんだなぁと目で見て実感すると生命の神秘を感じました。そんな母の状況はそっちのけで、きっと赤ちゃんは自分のいたい分だけお腹にいてくれたんだとも感じています。

体力には自信があるタイプなのですが、夜はお風呂に入る気力がなく顔だけ洗って就寝。産後の悪露(おろ)のような感じで出血が続きます。

流産後の経過

<流産後1日目>
診察へ行き、赤ちゃんがお腹の中からいなくなっていることを確認しました。子宮の中にはまだ内容物があるとのことで、出し切るための薬を処方されました。この後家の近くの調剤薬局を2店舗ほど回りましたが、このような産科の薬は特殊なようで置いていないこと。病院の近くの薬局ならきっと置いていること。を丁寧に教えてくださいました。きっと薬の内容から流産も想定できるのか、丁寧な優しさがすごく身に染みた記憶です。

<流産後2日目> 
朝身体を起こしてみるとだいぶ元気で、妊娠のホルモンの影響による身体のゆるさが少し抜けたような感覚を感じました。(通常のお産後も3日目くらいでゆるみをつくるのホルモンであるリラキシンの分泌が減ると言われています。)

「出血は生理2日目くらいの量で、だいぶ少なくなったかな。」とのメモ。ただ処方された薬が子宮から内容物を出す作用があるため、薬を飲んだ後は出血量が増え、少し腹痛を感じました。

<流産後3日目> 
この日からゆるやかに仕事を再開。準備をして朝ごはんを食べるまではすごく元気で、出かける準備をし始めるとなんだか気持ち悪くなってきてさすがに体調が万全でないことを感じました。レッスンは一本終わっては横になり。生理の多い日くらいの出血量がありました。
心身ともに万全ではない中、レッスンをちゃんとできるか不安でしたが、ちゃんと楽しくて、お客様の心と身体を見ることができて、こんなにもぼろぼろだけれど誰かのお役に立てることが自分にあって良かったと感じました。

休み休み4本レッスン(4時間)したら身体がぐったり疲れて少し頭痛がしました。帰ったらさらに頭が痛くなりました。普段頭痛はほとんどないので流産の影響と身体がまだ回復しきっていないことをひしひしと感じました。

<流産後4日目> 
出血は生理の終わりに向かう雰囲気で少なくなってきた。この日からこのnoteも書いています。流産の渦中では自分のiPhoneのメモに出来事や感じたことをメモしていました。気持ちを整理できるのでおすすめです。

このあと6日目くらいで出血は止まったようで、生理のようですね。ありがたいことに夫がご飯を作ってくれていたので毎日しっかりご飯を食べて過ごしていましたが、体重は2キロほど減っていました。

流産から一週間後にまた病院で経過を見てくださり、経過は良好。2回生理を見送って妊活をすること。日常はいつも通り過ごすこと。流産の次はきっと大丈夫ということをお話しくださいました。それまでにやりたいことやり尽くしつつ、赤ちゃんを迎える準備をしたいな。と前向きな気持ちを作れるようになっていました。

流産の経験を通して

私が回復の過程でひとつ感じたことは、身体よりも心の方が回復に時間がかかる感覚があったということ。朝は元気だけれど、夜になったら色々考えて悲しくなったり悔しくなったりするような感情の時もありました。でも身体が回復するのと一緒に心が引っ張られるように回復していくことも感じました。

そして今流産を振り返ってみて、小さな命が宿ってくれたことに喜んで、すごく愛おしくて、不安になって。最後まで見届けられてよかった。ということ。この経験がすごく大切な出来事になりました。どんなできごともそうですが、起こった事柄そのものではなく、その経験にどのような意味を与えるかによってどのような出来事だったかが決まる。と思っています。

この子がお腹にきてくれたことで、たくさんの幸せをもらいました。一番近くで支えてくれて、一緒に悲しんで、前を向いてきた夫は、私の言動ではなく、表情を見るようになった。とも話してくれました。辛い時に辛いとはなかなか言うのもつらいもの。言葉以外のメッセージも受け取って、出来る限りそばで支えてくれようとした結果の夫の優しさを感じました。

そして最後に、立ち直る中で流産の赤ちゃんたちは悲しんでないと言っている方の話もみました。そんな気がしています。流産の赤ちゃんは小旅行でお腹にきていて、大満足で帰っていくのだと。そんなスピリチュアルな話も、妊娠と流産という生と死を間近で感じると、なんだかすごく納得できてしまいました。

このnotoがもし誰かのお役に立てると嬉しく思います。妊活中の方、妊娠中の方、何か不安を抱える方、きっと大丈夫! 心よりエールを送ります。

chihiro

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