ランダムな3つの単語から人物像を妄想する遊び【前段】
わたしは、自分が明るいのか暗いのか、アウトドアなのかインドアなのか、慎重なのか大胆なのか、嗜虐的なのか被虐的なのか、そういった自分の性質をあまり把握できていないのだが、2つだけ他者より突出した特徴を自認している。
自分が「かなりお喋り」で「他人への関心が強い」ことだ。
今回は後者に関連した話になるが、どれくらい、どんな風に関心が強いのかをうまく説明しきるのは難しいので、人より人に関心があると感じたエピソードをいくつか並べさせてほしい。
世間でよく「他人の夢の話はつまらない、キョーミない」的言説がある。刺激的な内容であれば深層心理や夢占いで一瞬盛り上がることもあるが、確かに実際夢の話で他人が強い関心を示しているのを見たことはあまりない。が、わたしに対しては皆いくらでも見た夢の話を続けてくれて構わない。脳が偶然流した映像であって、なんらメッセージをもたないものだとしても、個人の脳内にわたしはめちゃくちゃ興味があるからだ。
また、卒業文集はクラスメイトや友人、関心のある人物はもちろん、全生徒のものをざっとではあるが、必ず目を通した。各人が学生生活を振り返って文章化するなんて、またとない機会である。まともに関わったことのない生徒の意外な文才に卒業文集まで気づけなかったりすると、非常に悔しかった。こう書くと、作品として文集を楽しんだようにもとれるが、こいつ悪ぶって意外と丸文字じゃん...みたいな観点でも楽しんでいた。
精神的側面の他、他人の見た目の差異、身体的特徴にも非常に興味がある。褒められた行いではないが、中学では勝手に同学年男子の御三家を選出しており、仲間内に毎年発表していた。ちなみにこの取り組みは数人の男子生徒が勝手に女子生徒を番付し、それを完全に隠すでもなかったことに腹を立て、なぜか水面下の稚拙な復讐として始めた記憶があったが、全男子生徒の造形を先入観なしに観察して批評することは、結果的に美術部に必要な目を養うこととなった。めちゃくちゃ嫌いなやつでも、案外爪の形が女の人みたいに綺麗だとか気づくことはあった。気づいても嫌いなことに変わりはないが。
この他人への関心の対象は、実在する人物だけに留まらず、いつしか自力で想像上の人物像を練り上げるという荒業にも及んだ。
車での移動中などに、前を走る車の後ろ姿なんかを顔に見立てて、擬人化してどんな人物かを妄想する遊びを今でもよく行っている。「あの車種は武骨でスタイリッシュさに欠ける感じがあるけど、目が優しくて遊びのない白だから、学生時代は柔道部で、右後方の傷はそのときの…警察官を目指していたけど、危険を恐れる彼女の説得で地銀の法人営業職に……」みたいな。ほんとに何の意味もない妄想である。
ただ、これには欠点があって、わたしが車に対して知識がないのであまり妄想が捗らないのである。
そこで、やっと掲題の「ランダムな3つの単語から人物像を妄想する遊び」である。
文章の練習にもなるし、何より知らない単語は意味を調べたり、あまり関連性のない単語の組み合わせには発想力が鍛えられるのではないか、という完全な思い付きである。
わたしは、そりゃいい文章を書きたいが、自己紹介の記事にあるように、何よりも自分の快楽のために書きたい。
ただ、試しにインスタントフィクション的なもの(気負わず短い創作を行うもの)を書こうとするとまるで筆が進まず、設定ばかりに頭を悩ませて今日一日が終わってしまいそうであったため、自分が一番筆の乗りそうな企画として、「ランダムな3つの単語から人物像を妄想する遊び」を打ち立てた。
お題となる単語は一旦、ランダム単語ガチャ(https://tango-gacha.com/)さんなんかを試してみようと思う。
他にもっといい企画を思い付いたら、あっさり倒れる可能性もあるが、ひとまずは前段としてこの遊びの目的を記しておくものとする。
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