見出し画像

やわらぎいんりょう×1

2019.4.6

朝起きてはじめにチョコミントアイスを食べるという生活をおそらく1週間ほど続けている。
そこで発見できたことだが、朝イチはアイスがとても甘く感じる。
起きたばかりで空きっ腹だということもあるのだろうが、そんな無防備な状態で食べるチョコミントアイスほどパンチの効いたものはないだろう。
なんとなくシャキッと目覚めたあと、部屋の掃除をして子とあそぶ。

ソファに寝かせるとウニャウニャ言うので、座らせてあげるとご機嫌になった。

中学からの同級生のA子が佐世保に帰ってきた。
2泊3日で娘ちゃんとのんびりするのだという。
そんなA子と、久しぶりに飲みに出歩くことになった。

A子は、はじめは友達の友達という、距離が空いた間柄だったが、いまではお互いの結婚式でスピーチをし合う仲だ。
とても貴重な、わたしの数少ない友人の1人である。
そんな彼女から妊娠出産のニュースを聞いたわたしは泣いて喜んだものだ。
娘ちゃんもすっかり大きくなり、母親の遺伝子を色濃く受け継いでいる。
A子のチャームポイントである天然パーマはもちろん、
娘ちゃんがニタリと笑う表情を見ていると、かつて高校生のとき、わたしにイタズラをしてニヤニヤ笑っていたA子の表情が思い出されるのだ。
親子ってやはり似るものである。

19時頃に待ち合わせをしようということで、島瀬公園に来てもらうことに。
そこを指定したあとに気づいたのだが、公園はアーケードを挟んで2箇所あった。
どっち側にいるのだろうかと思いつつなんとなくバス停側を探し、それっぽい人影があったのですぐに見つけることができた。
わざわざ出産祝いのプレゼントを持ってきてくれたらしく、さっそく手渡してくれた。
それとお茶のペットボトルを2本。
なんでも、自販機で購入したところ、不具合で3本出てきてしまったらしい。
しかも常温だ。
ありがたく、酒の合間のやわらぎ飲料としていただいた。
特にいますぐ飲むというわけでもないのにポケットに忍ばせていると、「どうぐぶくろ」に入っているアイテムのように感じる。
「やわらぎいんりょう×1」だ。

最初の1軒目、角打の酒品館いしまるへ。
入るや否や、おじさんの集団客がするっと出ていくタイミングだった。
こういうのを「ところてん」というらしい。
ところてんと聞くと、ちょっぴり卑猥な響きがするのはあまりよくないことだなぁ、と思った。
いしまるは、立ち飲みだがとにかく酒が安い。
空きっ腹にエビスビールからスタートする。
楽しくて早々にほろ酔いになった。

テレビ番組でも取り上げられた、みぞぐち食堂のあとに立ち飲み屋が出来たというので行ってみた。
小綺麗な店に、かつてその食堂にきていたであろうオジちゃん客がちらほら見受けられた。不思議な感覚だった。

せっかく佐世保に帰ってきたのだから、美味しいものを食べてもらいたいということで、小料理屋「かん田」へ連れて行った。

滅多なことでは「美味しい」とコメントしない夫が、目を見開いて感心するとても稀なお店である。
店のオーナーは、夫と同年代のきさくな男性だ。
旬の魚と野菜を使った料理を提供してくれるのだが、どれも絶品で美味いのだ。
日本酒があればまさに天国。
存分に飲めるなんて幸せだ。
結局、子育ての話やらなんやらより、料理がうまい酒がうまいの話で盛り上がった。
食事をする環境としては、ひょっとするとこれが一番最高なのかもしれない。

すっかり出来上がってしまった状態で、夫の友人のお店「クーシェ」に行った。
夫は、子とお義母さんのために家に帰っていった。
「ゆっくりしてていいから」ということらしい。
思わず目頭が熱くなった。
そのあと夫の友人や常連さんと盛り上がっているうちにすっかり時計の針は午前2時を回っていた。
かなり久しぶりに、酔っ払いでタクシーに乗って家に帰る。
本当は、妊娠前にアホみたいにはまっていたあごだしラーメンを食べてシメたかったが、しっかりもののA子に導かれるがまま乗ってしまったのだ。
まだ佐世保にいる間にどこか遊びに行こうと約束して、その場で別れた。
それにしても心残りだった…あごだしラーメン。
しかし、いま思えば、食べなくてよかったのかもしれない。
肥満のもとになるからだ。
なので次はもっと早い時間に食べよう。
そうだそうしよう。
寝室へ向かうと、夫と猫と子がすやすやと眠っていた。
おおこれは幸せそのものだ、とニヤニヤしながら布団に潜り込んだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?