山本千尋(やまもとちひろ)

ハードルが見当たらない郷土ZINE『佐世保の自由研究』を作って販売しています(vol.…

山本千尋(やまもとちひろ)

ハードルが見当たらない郷土ZINE『佐世保の自由研究』を作って販売しています(vol.1とNo.2)。日記も書きます。長崎県佐世保市から愛を込めて。

最近の記事

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わたしのこと

初めましての方も、そうでない方もこんにちは。 山本千尋と申します。 1986年佐世保生まれ&在住です。地元フリーペーパーの編集記者を2年ほど経験し、2018年からフリーライターをしております。 現在は夫と2人の子どもと慎ましく暮らしながら、させぼライフのなかで気になったさまざまな人、こと、物を取材しています。 執筆した記事は「デイリーポータルZ 」「TAP99(タップナインティナイン)」などにて公開されています。 これまで執筆した記事についてもまとめていますのでぜひご

    • 明治から昭和初期を生きた「三角コレクター」徳田真寿について書く【2019.9.30執筆】

      マルもいいけど、サンカクもいい。 優しく見守ってくれていそうな満月がマルなら、目を細めてじっと見つめてくる三日月が三角だ。どちらかというと、わたしは後者が好きだ。シャープでスタイリッシュでミステリアス。ピラミッド、オルゴナイトなどのイメージが強いためかもしれないが、どことなくスピリチュアルな香りすらする。 “三角”には、そんな魅惑的なパワーが備わっているのだ。 そんな“三角”の魅力にとりつかれた徳田真寿(1867~1944年)という人物が、明治~昭和初期の長崎県北松浦郡

      • 春は奇人もオシャレになる

        2019.4.17 子が徐々に甘えたがりになってきた。 姿を消すと、「オイッ!」と言わんばかりの大声を出すようになったし、 目の前に立つと両手を広げてくるようになった。 また、泣きやまない時に座り抱っこしているとスンスンと泣き止む。 とにかくかわいい。 こんなに無防備に甘えてくる存在なんていまだかつて居ただろうか。 いや、いない。 お知り合いになったかたが飼っていた小型犬ぐらいだろう。 ときには放置もするのだが、泣くアクションを取るたびにわたしがこうして駆け

        • 歯がないはぐき最強説

          2019.4.16 子がわたしの指をよくガジガジしてくるようになつた。 もちろん爪は切ってやすりをかけているし手は清潔にしている。 小さい口と、まだ歯がないはぐきでハミハミしてくるのだが、これがとんでもなく気持ちがいいのだ。 本当に気持ちがいいのだ。 これが入れ歯を外したお年寄りなら発狂してしまうところだが、興味本位だけでわたしの指を求めてくる赤子ならば、むしろ尊さすら感じる。 「ぬお、ほほほう…」 ちょっとアブない気持ちになりつつ、よだれにまみれた手を拭って子

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          子ども写真の裏側は

          2019.4.15 子が笑顔で離乳食を食べる画を一心不乱に撮っていた。 スマホを片手でプルプルと持ち、もう片手でスプーンを口に運ぶ。 食べるタイミングでわたしが声を掛けて笑わせてシャッターを切る、と、こういう手順だ。 はたから見ればとんでもなく滑稽な絵面である。 写真の裏の世界を身をもって知った気がする。 わが子の笑顔は、「ごはんおいちい!」ではない。 なのにそう見えてしまうのは本当に不思議である。 今度からこのような写真を見るときは、その裏にある両親の努力も推し量らねばな

          SASUKEがギャグコンテンツになる日

          2019.4.14 夫が仕事休みの日は目覚ましが鳴らないので、起きる時間は各自自由である。 こういう日ぐらいはゆっくり寝ていればいいのにと思うが、彼には彼のペースがあるのだろう、わりと早起きなのだ。 おそらく本を読んだりお笑い番組を観たり料理を仕込んだり、好きな時間を過ごしているようだ。 そんな夫の時間が2時間ほどすすんだ頃、わたしもようやくベッドから身を起こす。 ふつう逆だろうと思うが、目覚ましが鳴らないので仕方がないのだ。 子もとっくに起きていたようで、マットレスの上で

          SASUKEがギャグコンテンツになる日

          少しだけタコに優しい世界

          2019.4.13 何度も書いているが、うちの猫は人間好きだ。 猫は、寝ていると必ずと言っていいほど顔もとに寄り添ってくるのだが、ときどきその毛にうもれて窒息しそうになったり、口元から生えてる髭(われわれの中では光ファイバーと呼ぶ)がくすぐったくて眠れなくなってしまう。 そんなときは猫のかわいさよりも保身に走ってしまうことがある。 両腕で猫をがっちりホールドして、自分にとって都合のいい位置に組みしだくのだ。 ほぼぬいぐるみを抱きしめて眠る格好と同じと言っていいほどなのだが、

          少しだけタコに優しい世界

          しゃべるのが苦手なのにラジオの1時間番組の代打をした話

          その場の空気やテーマに沿って話を組み立てて話す、または進行するのが本当に苦手なのに、なぜか地元のFM局に出入りしている。 著書「佐世保の自由研究」を局の番組内で取り上げてもらったことをきっかけに、市役所提供の番組アシスタントをやってみないかと声を掛けられた。本来、この役職は観光大使が務めるのだが、今期がたまたま適任がおらずわたしに白羽の矢が立ったのだ。「お芝居してるから大丈夫ですよね」なんて言われれば、細く長く20年続けてきた経験が新たに活かせるかも…なんて下心も芽生えてし

          しゃべるのが苦手なのにラジオの1時間番組の代打をした話

          ダラ

          2019.4.12 今日はとことんダラけてやろうと思った。 夫を職場まで送り、寄り道せずにそのまま帰宅する。 だらだらと仕事を終わらせて、おやつにと、板チョコアイスのチョコミント味に手を伸ばす。 ぱきんと割れる小気味よい食感と、なめらかな舌ざわりに満足しながらモソモソと平らげた。 喉の渇きが気になったのでお茶を一気に流し込むと、摂取したカロリーがまるでなかったことのように感じられる。 どう考えても気のせいではあるが。 あとは、子の昼寝に便乗してひたすら一緒に眠った。 夕

          歩きたい夫、猫になる

          2019.4.11 夫が、「俺は歩きたい」と言った。 なんでも、体力をつけたいのだそうである。 そのリクエストにお応えして、朝出勤のときに夫を車で職場まで送っていった。 もちろん、子もチャイルドシートで一緒だ。 今のところ、早朝から不機嫌で手がつけられないという事態には見舞われていないので、わずか数10分だが付き合ってもらうことにする。 夫と別れ、車で自宅まで戻る。 帰り道を歩いて帰るのだそうだ。 しかし、家の真下は急激な坂道があり、登りだとおそらく40分はかかるため、そこ

          怪談絵本はなぜ必要か

          2019.4.10 佐世保市のローカルスーパー、エレナのインスタグラムアカウントがアツい。 セール内容以上に、従業員や社内イベントにクローズアップした投稿が多く、たとえば物流倉庫のエレベーターや開店前に店内掃除をする主任さんのようすを映した動画がストーリーズで流れていたりと、なにかとマニアックかつシュールで面白いのだ。 そして今年は60周年ということで、色々な取り組みがなされているようだ。 夕方は子に絵本を読んでいた。 ミロコマチコさんの「けもののにおいがしてきたぞ」が、

          銀魂で笑ったことがあるかないかの違いかもしれない

          2019.4.9 起きて左を見ると夫がいて、同じ方向かもしくはわたしの上には猫がいる。 そして最近は、右を見ると子のあたまがぷかぷか見えることが多くなった。 早朝から寝返りうつぶせを開始しまくっているのである。 わたしたち夫婦が寝ているベッドとその真隣で子が寝ている敷布団は高さ15cmほどの開きがあるため近寄らないとようすをうかがえなかったが、その必要がなくなった。 目が覚めて一番で子と目があって微笑みかけられるなんてなんて素敵な朝だろうか。 両手をついてベッドをよじ登って

          銀魂で笑ったことがあるかないかの違いかもしれない

          知り合いの住職に「もしもし、いま、寺?」と言うシチュエーションに憧れる

          2019.4.8 朝。 お腹が空いたのでお義母さんの家へお邪魔すると、夫がステーキと焼きサバと鶏肉とトムヤンクンスープをつくってくれていた。 録画していた、マタギのドキュメンタリー番組「熊を崇め、熊を撃つ」を観ながらモリモリ食べていると、なんだか厳かな気持ちになってきた。 美味い、夫の手料理はボリュームがあって美味い。 そんな、食らう朝。 さすがに、食い過ぎである。 わが子も産まれてから今月で半年を迎える。 だからというわけではないが、この日は動物園へ連れて行こうと

          知り合いの住職に「もしもし、いま、寺?」と言うシチュエーションに憧れる

          制服を着ていたわたしたちは子を抱いて

          2019.4.8 昨日のツイッターで、平沢進がフジロックに出演するという情報を知って以来、気持ちが北のほうに向いてしまっている。 どうしたもんかと思いつつそわそわしている。 野外で「Lotus」を、しかも生で聴こうものなら興奮してヨダレを垂らしてしまうかもしれない。 千年女優。 現状行くのは難しそうだし、子を預けて1人で行くというのもかなり気が引けてしまう。 けどもくる、師匠がくる、はああああ。 このそわそわはあまり抱き続けてもしょうがないので、気を紛らわすためにプレイリス

          制服を着ていたわたしたちは子を抱いて

          やわらぎいんりょう×1

          2019.4.6 朝起きてはじめにチョコミントアイスを食べるという生活をおそらく1週間ほど続けている。 そこで発見できたことだが、朝イチはアイスがとても甘く感じる。 起きたばかりで空きっ腹だということもあるのだろうが、そんな無防備な状態で食べるチョコミントアイスほどパンチの効いたものはないだろう。 なんとなくシャキッと目覚めたあと、部屋の掃除をして子とあそぶ。 ソファに寝かせるとウニャウニャ言うので、座らせてあげるとご機嫌になった。 中学からの同級生のA子が佐世保に帰っ

          閉館した井元コレクションについて【2020.2.25執筆】

          平戸市崎方町に〈井元コレクション〉というコレクション館があった。 平戸焼(三川内焼)をはじめとする陶器や磁器、平戸らしいオランダやキリシタンゆかりの品々、それに加えなぜかインドの神々の彫像や春画など、非常にアクの強いアイテムの数々が展示されていた。 当時、管理を行っていたのは91歳のおじいちゃん。もちろん館長でありコレクターだ。元特攻隊で、平戸ではかなり幅をきかせた有名人だったそうだ。町を歩くと、旅館やら商店やらで井元という苗字を見かける。この地域で多い苗字なのか、血縁だ

          閉館した井元コレクションについて【2020.2.25執筆】