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秀子にするかトキにするかという選択

2019.6.19

最寄りというには少し遠いが、ポイントカード制の古紙回収ボックスに立ち寄る機会があったので行ってみると、もうすぐでポイント制が廃止になるという貼り紙がしてあった。そこで、はて、ポイントってなんになるんだっけ、となったわけである。わたしに関してはこんな感じで、ポイントが何者なのかわからないままになんとなくでカードを作ってしまうことが多い。

子の発声のバリエーションが「ハァーッ!」に加え、「フェァアーッ↑」「キャッハァー↑」といったアッパー系のものが増え始めた。我が家がほんとうに、子どもがいるご家庭のような雰囲気になってきた。

一応声高いから、ご機嫌ってことで良いんだよねという認識しかないが、それが長時間続くと大丈夫かと心配になる。大人なら、お酒やらなんやらの力を借りない限り、ここまでハイテンションが持続することはないからだ。それだけ子どもの好奇心と体力は無尽蔵だということか。

絵本の読み聞かせを1日1回行っているが、最近は動きが活発すぎるため、膝上からログアウトすることが定番となってきた。しかしそこでめげてしまっては、わたしの楽しみがなくなってしまう。

というわけで、追跡型読み聞かせを決行することにした。その名の通り、子の行く先に絵本を持って現れ続け、読み聞かせを遂行することである。どこまでも追いかけるが、息切れとの戦いとなる。

余談だが、絵本にたまに載っているオリジナルの歌のページがとても苦手だ。有名な童謡ならいざ知らず、音階もなしにイキナリ現れて「ハァ?なんなの?」という気持ちになる。なぜならわたしがそれにメロディーをつけたところで、自分の音楽センスのなさが存分に発揮されてしまい虚しくなるだけだからだ。

昼間、出掛けたついでに卸団地の「だんち菜々」で野菜を買った。総重量に対して金額が安過ぎる。じゃがいも2kgで180円だなんて、正気の沙汰じゃない。

また、いくらワケありとはいえ、はじめに設定してある金額に赤ペンで「60円」とか上書きされている野菜を見ると農家さんの生活がとても心配になるが、余計なお世話だろう。

ところで、夫とも話していたのだが、こうした地元生産者の収穫した野菜は、本人の名前がラベルの一番上に記載されていることが多いのだが、たぶん順番は逆の方がいいだろうと思う。野菜の名前なんてだいたいが見ればわかることだが、真っ先に「山田秀子」なんて名前が目に入るとおお、そうか、となる。いや、全然いいことなんだけども、おうっ、となるだけなのだ。こちらが。夫と複数の野菜を吟味するときに、「秀子にする?トキにする?」なんて会話ができるので面白くはあるのだが。

子がおとなしかったので、その足でダイレックスに寄った。ベビーカーにシートを移しながら顔色を伺うと、やや眉間にしわを寄せて「ぷぅ」と頬をふくらませていた。その頬と同じくらい、おむつがぱんぱんになっていた。すさまじい無言の訴えを感じながら、さっさと買い物を済ませて帰宅した。

この日はちょうど、家族で利用している食品の宅配サービスの日で冷蔵庫がパンパンだった。わたしは考えもなしに重たい買い物袋をぶら下げて立ち尽くした。これは、作らねばならない。色々と。

そんなわけで、ノリノリになりながら晩御飯を大量に作ったが、夫に急な外食が入ってしまった。

お義母さんも先に自分で済ませてしまったため、2人の分は別にタッパーによそう。そして冷蔵庫は、テトリスのお手上げ状態のように隙間がなくなってしまった。多いなぁ、とは思うものの、一度この光景を見てしまったら、逆に食べ物が減るのが不安に感じてしまうのもわかる気がした。

夫からお迎えの連絡があるかもしれないので、子と2人で「さらざんまい」を観ながら待った。可愛いイケメン3人が、河童から尻子玉を抜かれたり逆に抜いたり、カワウソと戦ったりする。毎週のように変死体があがるアニメである。幾原邦彦監督やっぱりぶっ飛んでるなー、最高だなー、と思いながら観た。これにハマった若い子にはぜひ、「少女革命ウテナ」も観てほしいなと思った。

お風呂に入れようと子の服を脱がせているとき、子が放尿をした。おむつと防水シート以外で放尿をしたのはこれが初めてだ。

いつも洗濯機の上に、わたしと向かい合わせになるよう寝せた状態で事を進めていたので、尿はわたしのへそあたりをクリーンヒット。生温かい液体が身体をつたうのを感じながら、「これが聖水というやつか」と思った。

床を拭くために裸でしゃがんでいると、なお聖水感が強くなる気がした。しかし本当に赤子のものは、本当に邪悪なものを撃退できそうである。わたしの邪念も消し去ってくれただろうか。

夫はまたもや夜中に帰宅して、やはり半裸だった。速攻で眠ることを宣言しつつ、「職場の上司に、能力が高すぎるけどいけすかないと言われた」とぽつりと放った。

夫の奮闘ぶりを見守ってきたわたしとしては、正直その上司にカチンときてしまったが、ある程度の親しみを抱かれないと、このような憎まれ口を叩かれることはないだろうとも思った。たぶん上司的には、上の人を食ってしまう、油断ができない、お目付役、みたいなニュアンスで安易に放ってしまった言葉だったに違いない。

にしても、「いけすかない」は、間違った言葉のチョイスである。

久しぶりに腹が立ったが、猛烈な眠気にぶわぶわと包まれてそのまま眠ってしまった。


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