科学的根拠に基づいてダンクシュートを習得するまでの軌跡 Vol.2 [ 跳ぶ ]をあらためて考えよう
いらっしゃいませ。
科学的根拠に用いてダンクを実践するシリーズのVol.2を投稿していく。
前回の投稿はこちら。
(リンクはる)
このシリーズを読むことで、
あなたのジャンプ力が伸びる可能性が上がるだろう。
また、この記事は
・ダンクシュートを目指すプレイヤー
・高い跳躍力を手に入れたいスポーツマン
・目標達成をするプロセスを見たい一般の方
を対象に有益な記事になるように書いている。
必要な情報は人によって違う。
あなたの明日のトレーニングやパフォーマンスをより良いものにするものがこの記事から得られるよう願っている。
一般の方は…こういう領域の人はこのように考えてトレーニングや生活をデザインするのか〜などと思いながら読んでいただければ幸いだ。
スポーツをしていないあなたにも、実生活に役立つエッセンスを織り交ぜた読み物として書いているつもりだ。
[ 跳ぶ ] をあらためて考える
さて、タイトルにもある通り、本投稿の主題はこれである。
もちろん目標はダンクシュートだ。
だが、ボールを手にしていない状態で目標の高さに達することができないのに、ダンクすることができるということはない。
ボールを手にすることでジャンプ力に強烈なバフ※がかかる人ならあり得なくはない…が、まぁそんな人はほぼないだろう。
したがって、ボールのない状態で、純粋な跳躍力を分析することが先決である。
それではこの[ 跳ぶ ] という行為。
前回同様、ことばを定義するところから始めなくてはいけないだろう。
跳ぶとはどういうことか。
跳ぶということばには非常に多くの意味があるが、今回の主旨には当てはまらないものも多々あった。
したがって、ここでは私たちが求める意味のみを引用するに留めておいた。
中でも、特に重要な部分は
1. はずみをつけて、
2. 地面・床をけり、
3. からだが空中にあがるようにする
である。
ここでかならず理解しておきたいのは、
[ 跳ぶ ]という行為は、いくつかの動作を連続して行う複合的な運動であるということだ。
それを明確に理解するために、番号をつけて書き直した。
ここで、さらにイメージを膨らませるために、雑学ついでに ごはんを炊く ということばを例に挙げよう。
炊飯器が当たり前になった現代では、ボタンひとつ押す行為を炊くと表現するが、これは正確ではない。
正しくは、生米を食べられる状態に調理すること の名称が[ 炊く ]だ。
そしてその[ 炊く ]とは、
1.煮る
2.焼く
3.蒸す
の3つの工程によって複合的に加熱することをいう。
つまり[ 炊く ]は、「煮て焼いて蒸す」の総称であるわけだ。
伝えやすさも大切である。
「炊いて」のほうが「煮て焼いて蒸して」というよりも簡潔で明瞭に伝わるだろう。
ことばとはより使いやすく進化したり生まれるものなのだ。
あることばというのは、いくつかの要素で構成されている場合もある。
そのことをより明確にイメージする助けになれば嬉しい。
さて、お米が炊き上がるまでのプロセスをただしく理解していただいたところで、本線に戻ろう。
跳ぶという行為をいくつかの構成要素に分けて、より丁寧に説明していく。
[ 跳ぶ ]という動作を分解する
ここまでで跳ぶという動作を、わかりやすく3つの要素に分けることができた。
ではこれらを1つずつ考えていく。
1.はずみをつける
跳ぶという運動の初期動作だ。
これがなければ人間の身体はほとんど宙に浮かないだろう。
さらに、この動作も以下のようにおおまかに分類ができる。
・腕を後ろに振る。
・腰を落とす。
・脚にパワーを貯める。
これらは順序通りに行うわけでもないことに注意してほしい。
イメージしやすいように言えば、「腰を落とすことで脚にパワーを貯め、跳び上がる際に連動させて振り上げるべく、腕を後ろに振っておく。」みたいなことだ。
それらのすべてが、跳ぶという運動の予備動作※となる。
2.地面・床をける
いわば跳ぶと言う行為の本動作といもいえるだろう。
1.に挙げた予備動作で跳び上がる準備をしたわけだが、それらのエネルギーを上空へ(求める方向)持っていくためには、その方向を定める必要がある。
わかりやすく説明しよう。
パチンコ玉を飛ばすスリングショットという武器をイメージしてほしい。
弾はパチンコ玉だ。
バンドのような部分で玉を挟んでつまみ、それを引っ張り、指を離して飛ばす。
弾を発射するためには、飛ばしたい方向とは反対の方向に引きつける動作(予備動作)が必要になる。
イメージしやすいよう図解した。
かえってわかりにくいかもしれないが堪えてほしい。
これが元々ほとんどない芸術の才能を他に振ってしまった人間の末路である。
スリングショットでは水平方向の運動になっているが、ジャンプする場合はこの力が垂直に働く。
宙へと高く跳び上がるためには、予備動作として一度地面の方向へと沈み込むのだ。
さらには、それを正しい方向へと導く必要もある。
地面を蹴る というのは、言い換えるなら1.で発生させたエネルギーを、反対方向へと送り出すためのきっかけである。
ここでも注意してほしい点がある。
地面を蹴るという動作も[ 跳ぶ ]という動作の中の一部である以上、他の運動と独立しているわけではないということ。
後ろに振った腕が身体の横を通過して、垂直方向へと振り上げるのと連動させるように地面を蹴る。
さらに沈み込んだ腰をタイミングよく伸ばしながら胸も斜め上にせり上げるように動かす。
あぁ…言葉にすると非常に難解である。
だが、仕方がない。
科学的に分析することが命題である以上は、意味のある動作で、説明できなくてはいけないのだ。
3.からだが空中へあがるようにする
そしてこれが結果である。
先に挙げた2つの動作、その中のひとつひとつの要素を結集し、からだを宙へと浮かび上がらせることになる。
つまり、それぞれの動作によって生まれたエネルギーの和が、跳躍高(=どこまで跳び上がることができるか)を決めると考えていい。
だがこの動作も、2.と非常に密接な関係を持って行われる。
・後ろに振った腕が振り子のように戻ってきて上部へと振り上げる
・沈み込んだ腰を勢いよく元の位置へと跳ね上げるように戻す
・胸を上部へと突き出す
・沈み込んだ勢いでふくらはぎあたりの腱が反発し、バネのように跳ね上がる力を得る
など、要素に分解することができる。
おわりに
今回の投稿によって
・[ 跳ぶ ]という動作に対する理解が深まる
ように書いた。
[ 跳ぶ ]という動作が非常に複雑ですべての動きが密接に関連し、連動して行われることが伝わったら嬉しい。
この投稿を読み終えたあなたのほうが、より高い解像度で捉えられているのであれば何よりだ。
最後に、やや難しい説明の多い回となってしまったがその理由について述べておく。
それは、「私がどのような解釈をしているか」を示す必要があったからだ、
ここまで書き進めてきておいてこんなことを言うのもどうかと思うが、正直なところ「からだの動きをここまで理解してダンクをする人はあまりいない」だろう。
だが、私はそうであってはならない
なぜならこのシリーズは科学的に実践することがテーマだ。
そして私は筆者として、あなたに有益な情報を提供するために「その動きについて深く理解をしていなくてはならない」のだ。
簡単にいえばトレーナーと同じようなものだ。
知識を体系的に学習し理解しているが、それを指導する相手にそっくりそのまま伝えるわけじゃない。必要な分だけをわかりやすく伝えるのだ。
シリーズが回を重ねるごとに今回の投稿の内容がより重要な意味を持つようになるだろう。
今後ともご期待いただければ嬉しい。
あなたと私がボールをリングに叩き込む未来を願う。
また次回の投稿で会おう。
ここまでご覧いただきましてありがとうございました。