【一般質問シリーズ】どうなる共同親権?熱中症対策がだいじ!
みなさん、おはこんばんちは。
無会派「グリーンな国分寺」の鈴木ちひろです。
6月議会が終わり、ひと息つく間も無く都知事選がスタートしました。
わたしは、税金の使い方をクリアにし、多様な生き方を応援するジェンダー平等や、明治神宮再開発の見直しを掲げる「蓮舫」さんを応援することにしました。
7月7日は投票日!
推しがいる選挙ってワクワクする!
みなさんもぜひ選挙公報や公開討論会などを参考に、投票に行かれてください。
6月の一般質問では、わたしの専門分野である「ジェンダー平等」と「気候危機」の2つのテーマを取り上げました。
「共同親権」というホットな話題から、夏前から考えなければならない熱中症対策まで、アツ〜く質疑を行いました。
気候市民会議の開催を求める質問も用意していたのですが、タイムアップで質問できず残念。
時間配分は改善の余地ありです。
「女性支援新法」を生かし、困難を抱える女性へのサポートを拡充しよう
「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」いわゆる「女性支援新法」が今年4月から施行されました。
いま、女性をめぐる課題は生活困窮、性暴力・性犯罪被害、家庭関係破綻など複雑化、多様化、複合化しています。コロナ禍によりこうした課題が顕在化し、「孤独・孤立対策」といった視点も含め、新たな女性支援強化が喫緊の課題になっています。
これまでは「売春防止法」が、困難な問題を抱える女性支援の根拠法でしたが、これはそもそも「売春をなすおそれのある女子の保護更生」を目的とする法律です。しかし、「女性支援新法」では、そこから脱却させ、「女性の福祉」「人権の尊重や擁護」「男女平等」といった視点を明確に規定しています。
まさに困難な問題を抱えた女性の人権を守るための大切な法律が施行され、これまで軽視されてきた女性福祉の構築がなされることになり、とても期待が大きい法律です。
新法が有効に国分寺市の現場でも運用されてほしい!と想いを込めて質問しました。
国分寺市では、2025年3月に改訂される「男女平等推進行動計画」の一部に、女性支援新法の内容を取り入れます。
2名の女性相談支援員は精神福祉士などの専門職なのに対し、非正規雇用。女性相談支援員に限らず、福祉専門職、司書、学芸員、社会教育主事、保育士、介護士など、非正規雇用が多い専門職についても同様に、正規職員として働けるような仕組みも、選択肢として、作っていくことも私は重要だと思います。
ちなみにお隣の国立市では、女性相談支援員4名のうち、正規職員2名、非正規職員2名なのです。
また、相談があっても、市役所に出向くのは困難があればあるほどハードルが高く、特に若年女性などは市役所が女性相談事業をやっていることすら知らない人が多い現状があります。必要なひとに支援が届くような工夫と、LINEなどのSNSを活用した相談や夜間相談などの検討をしてほしいです。
新法では、当事者中心主義と官民連携のふたつが大きなキーワードですが、国分寺市ではDVシェルターを担ってきた多摩地域の民間団体が事業継続困難でやめてしまったという経緯があるそうです。
新法がきっかけでこれまでは相談につながってこなかった多様な女性たちの声が集まってくると考えられるので、民間団体の育成から取り組んだり、ライツこくぶんじの登録団体ともっと連携し、女性支援ができるような市民と協働することも合わせて、取り組んでほしいです。
重要なポイントとしては、困難を抱えた女性を、「守るべき存在、逃げる存在」としてだけでなく、彼女たちが傷ついたところから社会復帰、生活再建できるところまで一緒に伴走してサポートしていくことです。新法の趣旨を理解し、来年3月に改訂される男女平等推進行動計画にしっかり盛り込むように、今後もウォッチしていきます。
現状の男女平等推進行動計画はこちらから↓
離婚後共同親権の問題点と市の役割
5月の国会で離婚後の共同親権を認める法案が成立しました。
現在、日本では離婚後は単独親権ですが、これを両親の共同親権にするというものです。
ただ、この法律では、DVなどが原因で離婚した夫婦が、子どものことを決める時に連絡を取り合わなければならなかったり、加害者に居場所を知られてしまったりする危険性が指摘されています。
本来なら、共同親権は子どものための制度であるはずです。
しかし、DV被害者を守る実態が伴っていないのに共同親権が進められている現状に鑑みても、子どものためになっていないことが大きな問題。
DVや虐待などが立証されにくい日本では、それらが原因で離婚した場合にも共同親権が認められてしまう危険性があり、DV被害、虐待被害の当事者や、家庭裁判所や離婚調停をよく知る弁護士などからは、現場が置き去りになっていると、反対の声が上がっています。
https://www.change.org/p/stop共同親権-両親のハンコなしでは進学も治療も引越しもできない-実質的な離婚禁止制度
今回わたしがジェンダー平等の項目でこの質問をするのは、ひとり親の9割近くは女性であり、共同親権で大きく影響を受けるのはシングルマザーだからです。
女性であり、ひとり親であり、生活に困窮しているという二重三重の社会的なマイノリティ性を抱えているケースが多いのに、共同親権の導入によって、より生きづらい状況になってしまうことを懸念しています。
市内のDVの相談状況は、やはり身体的暴力よりも女性の尊厳や権利を侵害する心理的・経済的暴力であるモラルハラスメント(モラハラ)の割合が多い傾向にあることがわかりました。
また、支援措置や、収入合算などについても確認しました。
支援措置とは、「住民基本台帳事務における支援措置制度」のことで、DV・ストーカー・児童虐待等により、いのちの危険性がある被害者が、加害者側に住所を知られないようにするための制度で、国分寺市では441件の利用があります。
今回私は、「支援措置」という制度をはじめて知りました。必要な方にこういった制度をちゃんとつなげられるよう、相談に来た方への寄りそいのサポートが必要です。
収入合算の問題とは、共同親権の導入後は、収入合算になると手当がもらえなくなり、実質ひとり親の貧困を加速させる可能性があることです。
例えば高校の学費は両親の合算収入が910万円をこえると、別居親が養育費不払いでも無償の対象外になるわけです(東京都は4月から所得制限がなくなりました)。
所得制限を超えると、ひとり親をサポートするあらゆる手当の支給対象外になるのではないかと懸念されますが、市のひとり親への手当の種類や現状と、共同親権導入後の対応はどうなるかについて伺ったところ、児童扶養手当や育成手当、ひとり親家庭等医療費助成などは、結婚、離婚に関わらず、実情に合わせて支給しているとのことで、ひとまず安心でした。
共同親権導入後も、実情に合わせて支給するべきですね。
今回、養育費不払いに関しても調査しました。
2021年の全国ひとり親等世帯調査によると、母子家庭のうち養育費を受け取っているのは28.1%にとどまり、離婚相手との支払いの取り決めをしていない家庭が半数以上とのことで、とても驚きました。
ひとり親家庭の貧困率はなんと約5割。そんななか、ひとり親家庭の貧困問題に対応しようということで、さいたま市が今年度、離婚相手が支払わない養育費を市が立て替え、離婚相手から回収する事業をスタートさせました。
子どもに関する政策で有名な兵庫県明石市では「こどもの養育費立替支援事業」や「養育費差し押さえサポート事業」もあるということです。国も養育費不払いの無料相談などを実施する自治体への補助制度を2019年度から始めており、2022年度は176自治体が活用しています。国分寺市でも、やってほしいです。
共同親権を導入するには、DVや子どもの権利、養育費不払いなど、解決しなければならない問題がたくさんあります。
ひとり親だけではなく、子どもの精神的な負担も大きく、子どもの権利の問題ともいえるでしょう。
2026年から法施行予定ですが、市でも共同親権の影響はたくさんの部署に渡ります。市の職員も、研究者や弁護士を招いて共同親権を学ぶ研修などを実施してほしいところです。
男女平等推進センター(ライツこくぶんじ)の活用を
国分寺市に、男女平等推進センター(通称ライツこくぶんじ)があることを知っていますか。
ジェンダー平等の推進のために取り組みをする施設として、ひかりプラザの2階にあるのですが、市民アンケートでは利用したことがある人は2%で、認知度もあまりありません。
私も何度も訪れていますが、利用している人を見たことがないのです・・・(たまたまだと願います)。
図書館にないようなジェンダーに関する図書もあり、貸し出しも可能。ロビーもあるので、もっと市民に知ってもらい、せっかくのスペースを有効活用すべきだと思います。
以前は手前にパーテーションがあり、暗いため、入りづらい雰囲気だったが、パーテーションがなくなったことで少し明るくなりました。
ひかりプラザには学習スペースや待合場所などがなく、本多公民館のロビーのように、夜間や休日も学習スペースとして利用可能にしてほしいと要望しました。
すると、(平たく言えば)「オッケー!」と答弁。
これは嬉しいですね。
以前からくにきたエリア(国分寺市の北側・国立駅北口側)は学習スペースや子どもの居場所となスペースが少ない!と住民の声がありました。
ライツこくぶんじのロビーを活用することで、多目的で利用した子どもが、ジェンダーの情報や図書にアクセスできる可能性もあり、土日や夜間にロビーが開放されるのは嬉しいです。
ぜひ、どんどん利用してくださいね。
ちなみに立川の女性センター(通称アイム)では、子どもの学習スペースとして長期休みに会議室を開放しているそうです。
今後はこういった取り組みも進めたいですね。
また、ジェンダー平等関連のイベントや講座の開催場所が、cocobunjiプラザやオンラインになることも多いですが、ライツこくぶんじをジェンダー平等の拠点として市民に知ってもらうためにも、関連する講座をライツこくぶんじで実施すべきだと思います。
今後はライツこくぶんじの登録団体とともに、どういう場所にしていくかの話し合いの場も設け、ともに考えていくのが良いと思います。
清瀬市のアイレックまつりのようなイベントを復活させ、ジェンダー平等の推進とともに、登録団体で横のつながりをもたせることができればいいですね。
性暴力ゼロで、女性たちが安心できる避難所へ
5月に能登へ災害ボランティアに行ったり、福島の避難所について学んだりしてきました。その経験を生かし、災害時の避難所運営について伺いました。
まずは、市における避難所の物資についてです。
女性特有のニーズに関する物資、例えば、多様なサイズの下着やサニタリーショーツ、生理ナプキンや基礎化粧品などの基本的な備蓄品はどのように備えがあるか伺いました。災害時において、女性が日常的に必要としているものがぜいたく品とされてしまうことが過去にも起こっているからです。
市は、生理ナプキンは2日分を備蓄しており、3日目以降の生理用品の確保は、3日目は都、4日目から7日目までは国が被災地の要請を待たずに行うプッシュ型で支援する計画となっているとのことでした。生理用品以外を市が備蓄するには保管場所等で課題があるため困難な状況で、下着類や化粧水は1週間以降の支援となることが見込まれるそうです。
うーん・・・残念。
しかし、生理ナプキンは昼用・夜用、羽付き・羽なしなど選べるとのこと。また、手渡しの際は女性職員が担当するなど、配慮する方針だそうです。これはよかったです。
では、避難所におけるプライバシーの確保と性暴力防止の両立についてはどうでしょうか。
福島県富岡町では、東日本大震災直後の避難所は、プライバシーのないスペースでしたが、その後カーテンなどが設置された途端、性被害、性暴力事件が増えたとのこと。対策として避難所に交番を設置したということでした。
市が今年3月に取りまとめた市民アンケートでは、避難生活の不安については、「プライバシーの確保」が最も多かったことが明らかになりました。避難所におけるプライバシーの確保は、被災した市民の身体的、精神的安心につながるもので非常に重要です。プライバシーを守りながら、性犯罪への対策強化をするための取り組みを考えるべきです。
また、国分寺市の防災計画には、性的マイノリティの避難所での生活についての記述がありません。
避難所生活は多くの場合、性別で分けられることが多いかと思いますが、セクシュアルマイノリティー当事者に対する配慮は不十分です。
セクシュアルマイノリティー当事者のニーズは画一的なものではありません。当事者が10人いれば、それぞれのニーズは異なってきます(トイレや更衣室の利用、ホルモン剤不足による体調不良、アウティングなどの不安ほか)。
防災に関する会議において、女性の数を半分にし、セクシュアルマイノリティー当事者の声やニーズを聞く機会を防災会議や職員への講座などで設けていくことを実現していってほしいです。
熱中症対策でエネルギー貧困への支援を
今年も去年以上の猛暑が予想されています。熱中症のリスクが高い高齢者や低所得者に向けた対策が急務です。
東京都の熱中症死亡者数は、2019~2022年の平均で246人で、同期間の平均の交通事故死亡者数138人の2倍近い人数。国立環境研究所 は2050年までに「熱ストレス超過死亡数はすべての県において2倍以上となる」と予測しており、都は500人を超える可能性。また、総務省によれば、昨年の夏に熱中症で救急搬送されたのは日本全体で91,467人で、都は最多の7,325人でした。
救急搬送された人のうち4割は屋内で発症し、熱中症死亡者の約9割は屋内で、エアコンを使っていない割合が8~9割、エアコンを持ってない割合が2割強。さらに、高齢者が8割以上、単身者が7割。
国分寺市での熱中症による救急搬送者は、2023年に70人。そのうちの45人が65歳以上の高齢者でした。
エアコンはもはや贅沢品ではなく、生きるための必需品です。
都は2021年度から、身近できめ細やかな対応が可能な市区町村と連携し、使用年数の浅いリユースの省エネ家電への購入等の支援を行っています。高齢者・低所得者層へのエアコン普及に有効な事業であり、所得に関係なく、調布市では先進的に取り組んでいます。これを参考に、国分寺市でもエアコンを持っていない家、または買い替えが必要な家に購入支援するべきです。
また、新庁舎ではマイボトル用ウォーターサーバーの設置が決まっていますが、現在市内の公共施設にマイボトル用ウォーターサーバーはゼロ!
プラスチック削減の観点からも、熱中症対策の観点からも、市内のいたるところにウォーターサーバーの設置を検討してしてほしいと思います。
まずは公共施設から試験的に増やすよう、引き続き要望を続けます。
気候市民会議で「オール国分寺」でのゼロカーボンシティ実現を目指そう
時間切れで質問できなかった「気候市民会議」の開催を求める質問です。
うーん・・・残念!
1年前の議会でも気候市民会議の開催を提案しましたが、改めて、気候市民会議の実施を求めたかったのです。
気候市民会議とは、無作為抽出で住民の縮図をそのまま反映し、気候危機対策の政策を熟議する会議のことです。さまざまな仕事や人生経験を積んだ多様な市民が集まり、数ヶ月にわたって熟議し、合意形成したアイデアが、直接自治体の政策となることで市民の成功体験となることから、日本全国(現在17ヶ所目)で取り組みが広がっている。現在はちょうど神奈川県二宮町、千葉県松戸市、杉並区でやっています。
わたしは武蔵野市、日野市の気候市民会議の傍聴に行ってきました。
議会でも行政でもなく、市民が政策をつくる過程にこれまで以上に関われることは、民主主義を補完するあたらしい市民参加の要素となると考えています。
市民参加の土壌がある国分寺市なら、今までの成果をいかしてこれまでの自治体にはないユニークな気候市民会議をやることができるのでは、と考えていましたが、残念ながら、市では、これまでも無作為抽出で市民ワークショップをやってきているため、改めて気候市民会議をやる予定はないようです。
なんと、傍聴に来てくれたFIFTYS PROJECTの友人が、今回も感想をまとめてくれました!感謝・・・!
とてもわかりやすく面白くまとめられているので、ぜひこちらも読んでみてくださいね。
録画配信はこちら。
なお、録画配信は9月議会までしか見れませんので、お早めにごらんください(アーカイブしてくれたらいいのに!)。
ここまで読んでくださったあなた!
いつも応援・ともに活動してくださるあなた!
ありがとうございます。
感想やご意見をお寄せください。